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最終更新日: 2023年9月22日
大学中退者の就職方法とおすすめ13職種、主な進路も紹介
大学中退をすると就職できないと言われることもあり、中退後の人生に不安を感じる人が多いです。
しかし2023年現在、多くの企業で若者が不足していることから、経歴より将来性を期待して採用する企業が増えています。
そのため大学中退者の就職活動の現状を把握し、一つ一つ対策すれば大学中退者も就職できます。
この記事では企業の採用担当者数百名と情報交換してきた経験を元に、大学中退者の就職が厳しい6つの理由と、大学中退者が正社員就職する方法を解説します。
また大学中退者におすすめの職種13選と大学中退後に選べる主な進路、大学中退後に就職した人の体験談も紹介するので参考にしてください。
※本記事は一部プロモーションを含みます
大学中退者に人気の就職エージェント
中退就職カレッジ
サービス内容 | 大学中退者向けの就職支援を行っており、大学中退者を採用したい企業の求人紹介や履歴書、面接対策をしてもらえます。 |
---|---|
紹介求人 | 営業、広告・メディア、メーカー、商社、IT通信系、経理、事務等 |
対象地域 | 全国 |
特徴 | ・就職支援実績は29,906人以上 ・就職成功率は81.1%(大学中退者に限ると90.7%) ・入社後定着率は91.3% ・厚生労働省から有料職業事業者に認定 |
目次
- 大学中退者の就職率は33.9%
- 大学中退者の就職が厳しい6つの理由
- 大学中退者が正社員就職する方法
- 大学中退者に強い就職エージェントで就職支援を受ける
- 転職エージェントと就職エージェントを使い分ける
- 中途採用枠で求人を探す
- 「未経験歓迎」「学歴不問」「高卒以上」の求人を狙う
- 大企業よりも中小企業の求人を中心に探す
- 大学中退者におすすめの求人サイトを利用する
- たくさんの求人を見たい人はハローワークも利用する
- 面接で中退理由をポジティブに伝える【回答例文あり】
- 中退後は早めに就活を行う。大学中退者の就活に有利な時期も知っておく
- 空白期間を就業意欲が伝わるように説明する【回答例文あり】
- 就職活動しながら資格取得に励む
- 業界・職種研究を行う
- 履歴書に大学中退について記載する
- 最低でも6社の採用選考に参加する
- 大学中退後に就職した先輩の体験談30件
- 大学中退者が就職している職種
- 大学中退者におすすめの職種13選
- 大学中退後に選べる主な進路
- 大学中退と高卒では、どちらが就職に有利?
- 大学中退をした女性は就職で不利になる?
- 大学中退者の「大学中退率」と「大学中退理由」
- 大学中退した学年別の割合
- 大学中退者が就職した時の給料額
- 10代の大学中退者は就職で不利になる?
- 有名大学を中退したら、就職で有利になる?
- 大学中退者は離職率の高い業界を避けるべき?
- 大学中退者は就職する際に中退の証明書が必要?
- まとめ
1. 大学中退者の就職率は33.9%
独立行政法人労働政策研究・研修機構の2012年の調査によると、20~29歳の大学中退者の正社員就職率は以下のようになっています。
- 男女計 33.9%
- 男性 35.3%
- 女性 30.1%
同じ年齢の大卒の正社員就職率は、
- 男女計 69.1%
- 男性 67.3%
- 女性 70.8%
ですので大卒と比べると半分程度しか正社員就職できていません。
この結果には就職活動をしていない人も含まれるので、就職活動をした人だけでデータを取ればもう少し就職率は上がるはずです。
しかし大学中退者の、
- 男性 42.9%が非正規雇用、14.1%が未就業
- 女性 53.3%が非正規雇用、13.2%が未就業
ですので男性の57%、女性の66.5%は正社員になれていない現実があります。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 21)」2015年」
上記調査の高卒の正社員就職率は以下のようになっています。
- 男女計 62.4%
- 男性 67.8%
- 女性 56.5%
大学中退者は高卒の人よりも就職率が低いことがわかります。
2. 大学中退者の就職が厳しい6つの理由
大学中退者の就職はなぜ厳しいのでしょうか?
「中退後の就職活動での困難・不利益」について、調査した結果が以下の図ですので見てみましょう。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 104)」2015年5月
大学中退者が就職活動で最も困難に感じていたのは、学歴が原因で求人に応募できなかったり、選択できる職業や企業規模が限定されたりすることです。
また面接で大学中退理由を聞かれて適切な返答ができずに困難を感じている人が多いこともわかります。
ここからは上記のアンケート結果を踏まえて、大学中退者の就職が厳しい6つの理由を見ていきましょう。
2-1. 最終学歴が高卒なので、応募できる求人が限定される
【ゆうさんの体験談】
やはり中退なので4年制卒業と履歴書にかけないことから大卒以上の求人をだしている受けたい企業に応募できなかったことが厳しかったです。やはり面接官の見るべきところは学歴がありました。
「大学中退後に就職した先輩の体験談30件」より
最終学歴は「最も高い水準の教育機関を卒業した経歴」を表すので、大学中退者の最終学歴は「高卒」です。
応募条件が「大卒以上」の求人に応募できないので、大卒に比べると応募できる求人が少なくなります。
また卒業見込みの学生を主な対象とした、新卒採用の求人への応募も難しいです。
新卒採用は以下の特徴があるので、正社員経験のない人には魅力的です。
- 毎年多くの企業が4月入社を目標に大量の新卒採用求人を出す
- 正社員経験がないことを前提として将来性に期待して採用する
国の方針で「卒業から3年以内は新卒扱い」と決めたので、高校卒業から3年以内の大学中退者は高卒の新卒枠に応募できますが、大卒の新卒枠には応募できません。
また高校卒業予定の新卒は学校から企業に推薦してもらうことが多いので、大学中退者が高卒の新卒枠に応募できるようになっても、活用できる求人は少ないでしょう。
2-2. 仕事を継続する力がないと思われる
【ゆりなさんの体験談】
面接官の方に「大学卒業していないでお仕事は真面目に出来るの?」ときつい言葉を頂いたので就職活動は困難だと思いました。
「大学中退後に就職した先輩の体験談30件」より
大学中退にはさまざまな事情があることは、企業の採用担当者も分かっていますが、
「大学を途中で辞めたように、仕事も辛い状況になるとすぐに辞めてしまうのではないか」
と仕事を継続する力がないことを不安視されます。
企業は採用活動や人材育成にたくさんの時間と費用をかけているので、企業に貢献する前に辞められると、その人に費やした時間と費用が無駄になります。
そのような事態を避けるために、大学中退者のような早期離職の可能性が高い人材の採用に慎重になる企業が多いです。
2-3. 大学中退理由を面接で必ず聞かれる
【ファティーさんの体験談】
高卒と言う肩書に加えて中退と記入した履歴書を見て、面接官からその理由を聞かれることが多かったです。大学中退の理由が、在籍していた学科の勉強に興味を無くしたと言えず、説明に困りました。
「大学中退後に就職した先輩の体験談30件」より
大学中退者にネガティブなイメージを持つ面接官は多いので、面接では大学中退理由についてほぼ100%質問されます。
大学中退理由を通して、
- 「大学中退と同じ理由で仕事を辞めてしまわないか」
- 「責任を持って仕事に取り組めるか」
- 「応募者の考え方や人柄」
などを確認されます。
しかし中退理由が後ろ向きな理由だったり、本人も大学中退したことを後悔していたりして、面接でポジティブな印象を与える回答ができず採用に至らないケースが多いです。
2-4. 中途採用求人に応募するので、即戦力が求められる
【男性/21 歳/大学中退者の体験談】
新卒であれば未経験で当たり前だが、中途採用しかないので、経験有無の壁が大きい。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 183)」2015年5月
大学中退者は基本的に新卒採用の求人に応募できないので、中途採用の求人に応募します。
しかし中途採用求人の多くは以下のような特徴があります。
- 欠員補充を目的としているので募集人数は少ない
- 人材育成にかかる時間とコストの削減や、自社にない新しい知識の獲得を目的に、即戦力の経験やスキルを求める企業が多い
ほとんどの大学中退者はアピールできる経験やスキルを持っておらず、企業が求める人材とマッチしくいためなかなか採用に至りません。
同じ求人に応募しているライバルが経験者であることも多く、経歴に差がある状態で就職活動しないといけないことも、大学中退者の就職を難しくしています。
2-5. 中退後に空白期間ができてしまう
【リッツさんの体験談】
大学を中退してから就職活動を始めるまでに期間が空いてしまったので、劣等感はもちろん、面接試験で「大学を中退していた期間は何をしていたのですか?何かを目指して勉強していたのですか?」という面接官の常套句に、自信を持って答えられないことが多々あり、就職活動を始めて最初の頃は、なかなか内定をもらえませんでした。
「大学中退後に就職した先輩の体験談30件」より
大学中退者は就職先を決めずに退学する人がほとんどですので、大学中退後にニートやフリーターをしている人がたくさんいます。
ニートやフリーター期間は空白期間と呼ばれ、就職活動では以下のように思われて印象がよくありません。
- 「計画性がない」
- 「仕事への意欲がないのでは」
- 「採用に至らない理由があるのでは」
面接では、
- 「その期間何をしていたのか」
- 「なぜ正社員就職しなかったのか」
といったことを聞かれます。
実際のところ深く考えずなんとなく生活していたり、何度か就職活動をしたものの就職が決まらなかったりした人が多いですが、面接でそのまま伝えると悪い印象を与えてしまい採用につながりにくくなります。
アルバイトは正社員の補助的な業務が多く正式な職歴とみなされないため、フリーター期間は空白期間になります。
フリーター期間は長ければ長いほど、正社員就職に成功する人の割合は低くなります。
2-6. 就職活動について相談できる人が少ない
【女性/21 歳/大学中退者の体験談】
就職活動の仕方が分からなかった。相談出来る相手がいなかった。知識不足。自信が持てず、面接を受ける勇気が出なかった。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 179)」2015年5月
大学在学中の就職活動では、大学で就職活動の講義が行われたり、面接対策や履歴書対策、個別の進路相談などさまざまなサポートが受けられたりします。
また周囲の友人も就職活動をしているので、悩みや情報を共有できます。
一方で大学を中退すると、
- 大学のサポートが受けられない
- 周囲に就職活動をしている人が少ない
ことから就職活動の情報が不足しがちです。
このような就職活動情報が不足すると、対策が充分できないために長所をうまく伝えられずなかなか採用にいたりません。
3. 大学中退者が正社員就職する方法
3-1. 大学中退者に強い就職エージェントで就職支援を受ける
大学中退者は基本的に一人で就職活動を行うので、
- 情報不足で万全な対策ができない
- 大学中退者を歓迎していない求人に応募している
ことから不採用が続き挫折するケースが多いです。
そのような事態を避け早くスムーズに内定を得るためには、大学中退者の就職に強い就職エージェントで就職支援を受けることが大切です。
大学中退者の就職に強い就職エージェントでは、「大学中退」「未経験」に理解がある企業の求人を紹介してくれるので、自分で中途採用求人を探すより圧倒的に内定を得やすくなります。
他にも就職活動に慣れていない大学中退者に役立つ、
- 履歴書添削や模擬面接などの就職活動サポート
- カウンセリングで応募者の希望条件の明確化、不安解消
などをすべて無料で受けられます。
ここからは大学中退者の就職に強い就職エージェントの中でも、利用者の満足度が高いエージェントを人気順に3つ紹介します。
現在はどの就職エージェントもオンラインでサービスを提供していて、気軽に利用できるので、いくつか利用して相性の良いエージェントを見つけましょう。
- 中退就職カレッジ
-
中退就職カレッジは、就職成功率81.1%(大学中退者に限ると90.7%)、就職先定着率91.5%の実績を出している、大学中退者やフリーターの就職に特化した就職エージェントです。
中退就職カレッジの特徴は、就職エージェントの中で唯一大学中退者に特化した就職講座が用意されているところです。- 大学中退者向けの履歴書、面接対策
- 大学中退者が就職活動でつまづきやすいポイントの解説
- ビジネスマナー対策
紹介される求人はブラック企業を排除した正社員求人のみなので、正社員として安定して働きたい人はぜひ利用してください。
取り扱い求人の勤務地:全国に対応
- 第二新卒エージェントneo
-
第二新卒エージェントneoは、20代に特化した就職・転職支援を行うエージェントです。
第二新卒とは、一度企業に入社したものの短期間で離職した人を指しますが、そのような仕事経験の浅い人の転職サポートを行っています。
第二新卒以外にフリーターや内定を得ないまま学校を卒業した既卒者などの就職支援も行っており、このような職務経験のない人の就職支援実績だけで10,000人を超えます。
仕事経験の浅い人や職務経験のない人向けに、安心して働き続けられる企業の紹介や、一人一人に合わせた履歴書、面接対策を行ってもらえるので、大学中退者にも役立つサービスです。
取り扱い求人の勤務地:東京・大阪・愛知・福岡が中心
- ウズカレIT
-
ウズカレITは、IT職種専門の就職エージェントです。
プログラマーやSE、インフラエンジニアといった、IT職種の未経験歓迎求人を多数取り揃えています。
IT業界に詳しいキャリアアドバイザーが、IT業界やIT職種について解説してくれ、その上で求職者に合った求人を紹介してくれます。
IT業界では残業が多い企業も多いですが、ウズカレITでは企業調査を行い残業が慢性的に多かったり、離職率が高い企業を排除しています。
入社後の定着率が95.7%と高いことから、求職者の紹介企業への満足度が高いことがわかります。
ウズカレITの利用者は、IT学習用のコンテンツやIT講師による学習サポートを利用できるので、就職活動と並行してIT業界で必要な知識を身につけられます。
取り扱い求人の勤務地:東京・大阪・北海道が中心
その他の就職エージェントや求人サイトを以下の記事で紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
大学中退者におすすめの就職サイト(就職エージェントと求人サイト)16選
3-2. 転職エージェントと就職エージェントを使い分ける
エージェントには就職エージェントの他に「リクルートエージェント」や「doda
」などの転職エージェントがあります。
転職エージェントは正社員などの経験者を主な対象者としており、以下の特徴があります。
- 経験者向け求人を豊富にそろえる
- キャリアアドバイザーから経験者の転職相談に適切なアドバイスをもらえる
ですので大学中退後に正社員などの経験がある人は、転職エージェントの利用もおすすめです。
一方経験者向け求人に比べると未経験者向け求人は少なく、利用者に大学中退で未経験の人があまりいないため、このような人に適切なアドバイスができるキャリアアドバイザーは少ないです。
上記した就職エージェントでしたら、未経験者向け求人を多く扱い、キャリアアドバイザーに大学中退者の事情に詳しい人が多いので、正社員などの経験がない大学中退者は就職エージェントの利用がおすすめです。
また就職エージェントは、就職後早期退職した第二新卒者も対象としているので、仕事経験の浅い若者向け求人も多くそろえています。
就職後3年以内に転職する場合も、就職エージェントが活用できます。
3-3. 中途採用枠で求人を探す
就職エージェントでも求人を紹介してもらえますが、求人サイトにはより多くの求人を掲載しているので、並行して利用することが大事です。
求人サイトには2つの種類があります。
- 卒業予定の学生を主な対象者として新卒採用を行う「新卒求人サイト」
- 転職者を主な対象者として中途採用を行う「転職求人サイト」
上記したように大学中退者は新卒採用求人への応募が難しいので、新卒求人サイトはあまり役立ちません。
一方転職求人サイトは転職者向けで、職歴の無い大学中退者は利用できないと思いがちですが、実は未経験歓迎の求人もたくさん掲載されています。
そのような求人には、フリーターや既卒など正社員経験のない人もたくさん応募していて、採用もされています。
ですので大学中退者は中途採用の求人に応募した方が、早く就職が決まりやすいです。
3-4. 「未経験歓迎」「学歴不問」「高卒以上」の求人を狙う
大学中退者は職種経験も正社員経験もないので、
- 「未経験歓迎」
- 「未経験可」
などの記載がある求人への応募がおすすめです。
中途採用では職種経験者や正社員経験者を募集している求人も多いですが、そのような求人に応募しても、経験者のライバルに経歴で大きな差を付けられてしまいます。
一方で「未経験者歓迎」の求人には、
- 初心者でも始めやすい仕事
- 「若手を一から育てたい」と考えて研修制度やサポート体制を充実させている仕事
が多いので職種未経験・正社員未経験でも採用される可能性が高いです。
また大学中退者の最終学歴は「高卒」ですので、学歴条件に
- 「学歴不問」
- 「高卒以上」
の記載があるかもチェックしましょう。
学歴条件が「学歴不問」や「高卒以上」の求人では、学歴よりも人柄や熱意を重視していることが多く、応募者自身をしっかり見てくれるので大学中退者も採用されやすいです。
3-5. 大企業よりも中小企業の求人を中心に探す
大学中退者が早く内定を得るためには、大企業よりも中小企業を中心に求人を探すことが大切です。
日本には約421万社の企業がありますが、
- 99.7%の419.8万社が中小企業
- 0.3%の1.2万社が大企業
ですので大企業は少ないです。(参考:「最近の中小企業の景況について」)
大企業は規模が大きい分採用人数は多いですが、未経験者は新卒採用で募集することが多く、大学中退者が応募する中途採用では募集があまりありません。
また中途採用で求人を出しても、応募者が沢山集まるため、書類選考で学歴や経験を元にふるいにかけられ、大学中退者は面接にたどり着けないことが多いです。
中小企業でも学歴や経歴を見られますが、
- 大企業よりハードルが低い
- 応募者の内面をしっかり見てくれる
傾向があるので採用されやすいです。
大企業は福利厚生や給与面が充実しているので魅力に感じますが、中小企業にも働きやすい環境が整っている企業がたくさんあるので、企業規模で絞りすぎず広い視野でよい企業を探しましょう。
どうしても大企業に勤めたい場合は、
- 営業や販売、サービスなど未経験からでも大企業に就職しやすい職種を選ぶ
- 一度中小企業で職務経験を積めば、転職活動では学歴よりも職歴やスキルが重視されるので、転職で大企業を目指す
などの方法を採るとよいでしょう。
3-6. 大学中退者におすすめの求人サイトを利用する
求人サイトにはたくさんの種類がありますが、大学中退者に合った求人サイトを利用することが大切です。
ここでは大学中退者におすすめの求人サイトを2つ紹介します。
- リクナビNEXT
-
リクナビNEXTは、全国各地の求人を40,000件以上、未経験者向けの求人だけで8,000件以上掲載している求人サイトです。
求人数が多いので、学歴が原因で応募できる求人が限られてしまう大学中退者にとてもおすすめです。
スカウト機能も用意されているので、大学中退者はプロフィールとしてアルバイト経験を書いて登録しておけば、企業側からオファーが届きます。
オファーがきた求人は書類選考なしで面接に進めるので、リクナビNEXTを利用する場合は忘れずに登録しておきましょう。
- はたらいく
-
もう一つのおすすめ求人サイトは、リクルートが運営する地方求人に強い求人サイトの「はたらいく」です。
掲載されている求人の約5割が従業員数50名以下、約6割が「転勤なし」もしくは「同じ都道府県内での転勤」となっており、他の求人サイトでは載っていないような地元の求人と出会えます。
はたらいくには「せきらら求人」という項目があり、例えば「年末は繁忙期で残業が多く大変だが、耐えてほしい」など、企業の本音が書かれているので、働き方がイメージしやすいと好評です。
応募の際に必要な自分の登録情報を使いまわすことができるので、毎回入力する手間が省けるのも魅力の一つです。
その他の求人サイトや就職エージェントを以下の記事で紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
大学中退者におすすめの就職サイト(就職エージェントと求人サイト)16選
3-7. たくさんの求人を見たい人はハローワークも利用する
就職エージェントや求人サイトの利用だけで就職が決まる人も多いですが、さらにたくさんの求人が見たい人はハローワークも利用してみましょう。
ハローワークは、地元の中小企業やさらに規模の小さい零細企業の求人が豊富なので、地元で働きたい人におすすめです。
一部のハローワークでは、わかものハローワークなどの名称で34歳以下の若者を対象にした就職支援を行っていて、
- 正社員経験がない、または少ない人のアピール方法
- 模擬面接や履歴書添削
- 資格取得や技術を身につけられる職業訓練の紹介
- 常駐の相談員との就職活動の相談
など就職エージェントほど時間は割いてもらえないものの、通常より手厚い就職サポートが受けられるものもあります。
ただしハローワークは地元の小さな企業の求人が見つかりやすい反面、基本的にどのような企業でも無料で求人を掲載できるので、ブラック企業には注意する必要があります。
またハローワークは全世代の就職活動サポートを行っているため「大学中退者の就職活動対策」というよりは、一般的な就職活動情報を教えてもらえると思っておきましょう。
ハローワークについては以下の記事でより詳しく解説しているので、こちらもチェックしてみてください。
3-8. 面接で中退理由をポジティブに伝える【回答例文あり】
大学中退者が面接に参加すると、ほぼ必ず「大学中退理由」を聞かれます。
答えにくい質問ですが大学中退理由を聞いてくれる=回答によっては採用されるチャンスがあるということなので、納得してもらえる回答を準備しておきましょう。
大学中退理由を伝えるときはネガティブな大学中退理由でも嘘はつかず、できるだけポジティブに伝えることが大切です。
例えば、
「家庭の事情で学費を払うことが難しくなったので中退しました」
と伝えてもやむを得ない事情と思ってもらえますが、
「家庭の事情で学費を払うことが難しくなったので中退しました。予定より少し早く社会に出ることになりましたが、元々営業の仕事に関心があったので、早くから営業経験を積めるチャンスだと前向きに捉えています」
と志望動機を交えて伝えるとより前向きな印象を持ってもらえます。
面接官も「どうして営業に関心があったのですか?」と志望動機に話を振りやすく、面接で重要な会話のキャッチボールがしやすいです。
ネガティブな中退理由の場合は、
「大学中退したことで自分の人生について真剣に考えることができた」
のように最終的に前向きな話に繋げるようにしましょう。
これ以降では、
- 「大学がつまらなかった」
- 「勉強についていけなかった」
- 「病気をしてしまった」
などポジティブに伝えることが難しい大学中退理由の回答例文を紹介します。
また大学中退予定で退学届を出す前に就職活動を行っている人の回答例文も紹介しているので、参考にしてみてください。
【大学がつまらなかったので中退した場合の回答例文】
「受験で第一志望の大学に落ちてしまい、とりあえず大学は卒業しておこうという安易な考えですべりどめの大学に進学してしまったため大学に通う意味が見出せませんでした。奨学金を借りていたこともあり、このまま何となく大学に通うくらいなら、以前から関心の高かった接客業で働きたいと思い中退を決めました。今思い返すと、高校生の頃から何のために大学に行くのかを考えて進学すべきだったと反省しています。しかし、中退という結果にはなってしまいましたが、大学に進学したからこそ自分の将来について真剣に考えることができました。今は早く働いて接客のスキルを高めたいという気持ちでいっぱいです」
大学がつまらなかったという中退理由を面接でそのまま伝えると「仕事もつまらないと言ってすぐに辞めてしまうのではないか」と思われるので、ポジティブな印象を与えられるように伝え方を工夫する必要があります。
自らに反省すべき点があれば以下のように正直に伝えると、中退した理由を他人や環境のせいにする他責思考の人ではないと印象付けられて、面接官の信頼を得られます。
「大学を偏差値で選んでしまったため、どのようなことが学べるかを調べていませんでした。事前にしっかり調べておくべきだったと、反省しています」
そして仕事は同じ理由で辞めてしまうことがないと伝えるために、選んだ仕事や職業について、関心が高かったり、よく調べて選んだということを伝えましょう。
また大学に入学したこと、大学在籍中のこと、大学中退したことから、学んだり成長したりしたことがないかを振り返ってみましょう。
学んだことや成長したことを仕事でどのように活かせるのかを伝えると、一見するとネガティブな経験からも学んで活かせる人だと思ってもらえ「仕事で活躍してくれるのでは」と期待してもらえるはずです。
【勉強についていけず中退した場合の回答例文】
「中退した大学は、高校時代の私の学力より高いレベルでしたが、精一杯勉強し合格できました。入学後は、サークルやアルバイトなど充実した学生生活を送っていましたが、授業内容は難しくいくつか単位を落としてしまい、留年して親に迷惑をかけたくなかったので中退しました。テスト前は勉強も頑張っていたのですが、元々高いレベルの大学に進学したのだから、周りの友人より毎日もっと勉強しておくべきだったと反省しています。大学中退をしているので、仕事まですぐに辞めるようなことは絶対にしたくないと思っています。ですので、自分の「したいこと」だけでなく、「できること」や適性をよく考え、さまざまな企業や職業の中から、御社で△△職として働くことを希望させていただきました。大学中退の経験をしたからこそ、入社後は人一倍努力し、必要不可欠な人材になりたいと考えています」
勉強についていけなかった場合は努力不足とみなされることが多いため「仕事にもついていけないのでは」と懸念される可能性があります。
そのような懸念を抱かせないためには、まず勉強についていけるように努力したことや辞めるまでの経緯について詳しく話して、やれるだけの努力はしたことを伝えておきましょう。
その上で自らに反省すべき点があったのなら反省を述べて、それらの反省点を今後の仕事でどのように活かすのかを前向きに伝えると、面接官にポジティブな印象を与えられます。
【病気を患ったので中退した場合の回答例文】
「大学在学中に~の病気を患ってしまい、頑張って大学に通おうとしたものの、通学するのも難しくなり退学することにしました。退学後は一時的に入院をしたのですが、退院してからは順調に回復して、今現在はお医者様から働くことに問題のないレベルにあるといわれています。病気で大学中退することに悔しい思いもありましたが、病気を経験したときにたくさんの人に支えられたことで、私も人の役に立てる人材になりたいという思いが強くなりました。仕事では、社内外のスタッフやお客様に喜んでもらえるよう、どのような業務でも常にベストを尽くします」
病気が理由の場合、やむを得ない理由ですので面接官は納得してくれるケースが多いです。
しかし雇ったとしても病気が理由で仕事ができない可能性があるので、業務に支障があるのか、どのくらい影響があるのかなどは気にされます。
業務に支障がなければ、その旨を伝えて、業務に影響があるのであれば、どのような影響があるのか事前に伝えておくことをおすすめします。
【大学中退予定の場合の回答例文】
「○○の分野に興味があり大学に入学したのですが、授業内容が広く浅く○○について学ぶことが多く興味を持ち続けることが難しく感じました。事前に授業内容をよく調べなかった私の責任なのですが、奨学金を借りて金銭的な負担が大きかったこともあり、4年間我慢して大学に通うよりも、退学をして早く△△職として働き、実践的なスキルを身につけたほうがよいと思い就職活動をはじめました。ただ、親からは、大学を辞めるなら就職先を決めてからにしなさいと言われ、私もそのほうがよいと思いましたので、退学届を出す前に就職活動をしています。調査不足で大学中退することになったので、仕事については事前にしっかり調べ、御社の業務内容や研修内容に魅力を感じ応募させていただきました。もし御社から内定をいただけましたら、すぐに大学に退学届を提出して、御社に入社したいと考えております」
大学中退予定の人が企業に応募した場合、企業がもっとも懸念するのは「内定を出しても中退しない(入社しない)のではないか?」ということです。
中退することは心理的な負担が大きいので、実際に中退するタイミングでやはり大学に通い続けようと判断する人もいるからです。
しかし企業は内定を出した後に入社しない人が出ると、再度採用活動を行う費用負担が発生したり、そのまま少ない人数で仕事を行わなければならなかったりするので、そのようなリスクのある人を採用することに躊躇します。
大学中退予定で就職活動を行う場合は、
- 中退しなければならない説得力のある理由がある
- 就職が決まったら中退を必ずすると伝える
ことが重要になります。
以下の記事では大学中退理由別に解答例文を20例紹介して、それぞれの解答例文について「なぜそのように回答するのか」解説しているので参考にしてください。
また以下の記事には採用面接で大学中退理由について聞かれた11人の方の、実際の質問と答えた内容を掲載しているので参考にしてみてください。
面接での基本動作やマナー、当日の持ち物については、以下の記事で解説しているのでこちらも参考にしてください。
3-9. 中退後は早めに就活を行う。大学中退者の就活に有利な時期も知っておく
大学中退者が応募することの多い中途採用求人は、時期を問わずよい人材がいれば採用する「通年採用」をしている企業がほとんどです。
また就職活動ではブランク期間が短いと、
- 就業意欲が高い人
- 計画的にものごとを進められる人
と評価されたり面接でブランク期間について説明を求められなかったりと、メリットが多いため内定を得られやすくなります。
ですので正社員を考えたら時期を問わずすぐに行動に移すことが大切です。
その上で大学中退者に有利な就職活動時期があることも知っておきましょう。
大学中退者に最もおすすめの就職活動時期は、
求人数が最も多い1~3月
です。
1月から3月に出ている求人は新卒採用と同じタイミングなので、未経験歓迎の求人が多く職歴の無い大学中退者も応募しやすいのが特徴です。
また、
退職者が増える夏のボーナス支給後の9月10月
も中途採用の求人数が多くなるのでねらい目です。
このような求人数が増える時期は採用人数が増える上、応募できる求人の選択肢が広がるので、選択肢が狭くなりがちな大学中退者にとって有利な時期と言えます。
大学中退者におすすめの就職活動時期については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
3-10. 空白期間を就業意欲が伝わるように説明する【回答例文あり】
大学中退後に何もしていない空白期間がある人は、空白期間について質問される可能性が高いので、就業意欲が伝わる回答内容を準備しておきましょう。
空白期間に何もしていなかった人は、
「中退後の計画を立てていなかったためになんとなく過ごしていましたが、就職して親を安心させたいという思いが強くなりました。人生の計画を立てる重要さを身をもって学んだので、就職では将来のキャリアまで考え、○○のスキルが向上する御社を選びました」
というように正直に伝えた上で反省をどう活かしていくかや、入社後の目標などに繋げて前向きに締めくくりましょう。
また就職活動をしていて空白期間ができた人は、ただ受からなかったと伝えるのではなく、
「大学中退を経験したからこそ、時間はかかっても自分の望むキャリアを築ける企業に就職したいと思い、〇か月就職活動をしていました」
というように目標を立てて就職活動していることを伝えましょう。
資格取得やボランティア、アルバイトなどをしていた人は、事実だけ伝えるのではなく、以下のようにその経験を仕事でどう活かすのか、なぜすぐに就職しなかったのかを加えて話すことがおすすめです。
「大学中退をした時点で就職活動を始めることも考えたのですが、自分の方向性が明確でないままでは、よい結果につながらないと思いました。そこで、空白期間というよりも自己研鑽の期間だと捉えて、〇〇の資格取得や〇〇のボランティア活動などに取り組んできました。そこで得た知識や経験は、御社で○○職として働く上でも役立つと思います」
「大学中退をしたので正社員就職した企業もすぐに辞めるようなことはしたくないと思っていました。そこで、自分の興味や適性を知ろうと思い、さまざまなアルバイトをしていました。アルバイトでは御社の商品を扱う機会があり、詳しく調べる中でこのような商品を広める仕事がしたいと思いました。空白期間はできたものの、その期間に御社を知ることができ、アルバイトを通じて仕事で活かせるコミュニケーションスキルも身についたので、私に取って意味のある期間だったと思います」
3-11. 就職活動しながら資格取得に励む
大学中退者の就職活動が厳しい理由の一つに「職歴や資格が無く即戦力にならないこと」があります。
若いうちは資格なし・職歴なしでも、将来性を期待して採用する企業はたくさんあるので、必ずしも資格を取る必要はないですが、資格があれば職種や待遇など希望に近い求人に採用される可能性が高くなります。
ただし希望職種と関係の無い資格ではあまり意味がありません。
以下のように希望職種において需要のある資格を取得しましょう
- 事務職の中でも給料が高めの経理なら「日商簿記検定2級」
- 不動産業界なら「宅地建物取引士」
- ITエンジニアなら「ITパスポート」「基本情報技術者」
- 介護士なら「介護職員初任者研修」
- ドラッグストアで販売職をするなら「登録販売者」
また大学中退者が資格取得をすることは、スキルのアピールができるだけでなく以下のようなメリットもあります
- 中退から就職までの期間について「資格取得をしていた」と説明できる
- 希望職種への意欲が伝わる
- 資格取得するまでの努力がアピール材料になる
注意点として時間をかけて勉強しても合格できない場合、空白期間ができて就職活動で不利になります。
資格を取得しても必ず採用される保証はないので、まずは資格なしで就職活動を始めて、内定が出ない場合に就職活動をしながら資格取得を検討してみてください。
以下の記事では大学中退者の就職に役立つ資格を詳しく解説しているので、よければ参考にしてみてください。
3-12. 業界・職種研究を行う
就職エージェントを利用して求人を紹介してもらう場合でも、業界・職種について自分で研究しておきましょう。
社会にはどのような業界や職種があり、どのような仕事をしたいのかある程度自分で把握しておかないと、他人に言われた業界や職種に就職するしかなくなり後悔する可能性があるからです。
「業界分類表」でも示しているように業界は大きく分けると11あり、さらに細かく分類すると80以上の業界が存在します。
ですのでまずはどんな業界があり、
- 「どんな商品・サービスを」
- 「どのような方法で」
- 「誰に対して」
提供しているのか業界についての本で調べてみましょう。
インターネットで調べるのもよいですが、幅広い業界について知らないうちは情報の偏りを避けるために、業界の全体像がわかる本で調査しその後インターネットで調査するのがおすすめです。
一通り業界を調査すれば、社会の仕組みやそれぞれの業種の役割を理解できるので、自分のやりたいことがどの業界でできるのか見えてくるはずです。
しかし業界がたくさんあると逆に迷う人もいるかもしれません。
そこで人材サービス事業を行う株式会社ディスコが、2021年3月卒業予定の大学3年生を対象に志望業界について調査しているので、その結果を見てみましょう。(上記した業界分類表とは表記が違います)
志望業界ランキングベスト10
- 1位:情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト 19%
- 2位:情報・インターネットサービス 17.5%
- 3位:水産・食品 16.5%
- 4位:銀行 14.1%
- 5位:医薬品・医療関連・化粧品 13.8%
- 6位:素材・化学 13.3%
- 6位:建設・住宅・不動産 13.3%
- 8位:電子・電気 13.1%
- 9位:マスコミ 11.7%
- 10位:調査・コンサルタント 11.6%
※出典:株式会社ディスコ「3月1日時点の就職活動調査(p. 2)」2020年3月
1位2位共にIT関連業界がランクインしています。
これから10年以上伸び続けていくと言われる業界ですので、学生にも人気があります。
また銀行や医薬品など平均給与が高い業界も人気が高く、食品・素材など商品への需要が安定していて、長期的に安心して働き続けられる業界も人気があります。
これらの情報や自分のやりたいこと、できることなども参考にして業界を絞り込んでみてください。
それでは次にどんな職種があり、どのような仕事内容かを調べてみましょう。
職種は実際に行う仕事内容なので、自分が望む働き方ができるかを業界より慎重に見極めることが大切です。
職種についてはこの記事の、
で詳しく解説しているのでぜひチェックしてみてください。
3-13. 履歴書に大学中退まで記載する
大学中退者には「大学中退を履歴書に書くと印象が悪いから書かないでおこう」と考える人もいます。
確かに大学中退者の最終学歴は「高卒」ですが、履歴書には大学中退まで書く必要があります。
大学中退を偽って「大学卒業」と書いたり、大学中退を書かずに「高卒」としたりすると学歴詐称になるからです。
バレないことを期待しても、大学在籍中の友人や知り合いと仕事を通してつながるケースはよくあり、その際に学歴がバレることがあります。
学歴詐称と判断されると、
- 解雇
- 懲戒免職
- 減給
などの対象になる可能性もあります。
また大学中退を書かないと大学に通っていた期間が空白期間になるため、余計に悪い印象を持たれかねません。
大学中退について書いておくと、その大学に入学できる学力があったことを証明できる利点もあるので、履歴書に明記しておきましょう。
大学中退の経歴は以下のように記入します。
<大学中退者の記入例>
「中退」と略して書かず「中途退学」と正式に書きます。
退学日は退学通知書や除籍通知書などに記載されていますが、もしわからない場合は大学に問い合わせて確認しましょう。
また大学中退理由が前向きな場合や、やむを得ない場合は、中退理由も記入しておくと大学中退のマイナスイメージをカバーできます。
以下に記入した方がよい大学中退理由の書き方を「留学」「経済的理由」「病気」の順に3つ書いておくので参考にしてください。
<留学のために中退した場合の記入例>
留学をした場合は、留学先の国、大学名、滞在期間、取得した資格などを書くと前向きな印象を持ってもらえます。
<経済的な事情で中退した場合の記入例>
<病気で中退した場合の記入例>
病気が完治している場合は、その旨も書いておくと体調面で不利になりません。
一方で「勉強についていけなかった」「人間関係に悩んだ」などネガティブな理由で中退した場合は、履歴書に書かずに面接で事情を説明したほうが誤解を生まず理解してもらえます。
もし就職が決まったら中退をする場合には、以下のように「中途退学予定」あるいは「就職が決まれば中途退学予定」と記載しておくとよいでしょう。
<大学中退予定者の記入例>

中退する日が決まっていればその日付を書き、決まっていなければ、日付は記入しなくてよいです。
大学中退者の最終学歴については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
大学中退者の最終学歴は高卒?履歴書に大学中退は書かなくてもよい?
大学中退者の履歴書の書き方については、以下の記事でさまざまなケース別の履歴書の見本や例文を見せながら詳しく解説しています。
実際に履歴書を書くときに見本として見ながら書けるようになっているので、よければ参考にしてみてください。
3-14. 最低でも6社の採用選考に参加する
就職活動をはじめたらすぐに諦めず粘り強く就職活動を続けることが大事です。
大学中退後に就職して当社に体験談を送ってくれた30名の、採用選考に参加した企業数は、
平均6社
です。
また大学新卒者が就職活動をする場合は、企業に平均20社以上エントリーしています。
当然ながらもっと多くの企業に応募して内定を得られた人もいるので、最低でも6社の企業の採用選考には参加して、それ以上の数になっても諦めないことが大事です。
4. 大学中退後に就職した先輩の体験談30件
大学中退後に就職した人は、どのように就職活動を行ったのでしょうか。
大学中退後に就職した30名の先輩に、10項目の質問に沿って就職活動の体験談を作成してもらいました。
以下は旅行業界に営業職として採用された「よう」さんと、自動車部品製造業に品質管理として採用された「ゆう」さんの就職活動体験談です。
- 1. ハンドルネーム
- よう
- 2. 就職活動をはじめたのは大学中退後何年目か?
- 大学中退後2年目
- 3. 大学中退後に採用選考に参加した企業数は何社?
- 4社
- 4. 内定をもらった企業の業界
- 旅行業界
- 5. 内定をもらった職種
- 営業
- 6. 一番多かった採用選考手順
- グループ面接含めた面接3回
- 7. 大学中退後の就職活動で心掛けていたことは何か?
- 大学を中退した理由を明確にしておき、「ネガティブな中退」ではなく「ポジティブな中退」として自分の中でしっかりPRできるようにしておくということです。
- 8. 大学中退後の就職活動で困難を感じたことは何か?
- 私の大学中退は自分磨きとやりたいことの実現のためという前向きなものでしたが、やはり「中退」というワードから連想できるように相手にネガティブなイメージをもたれてしまったことが困難に感じました。
- 9. 大学中退後、就職活動以外にしていた事
- バックパックをしながら海外を自分の目で見て感じること、世界各国の人と交流できるように語学力を上げることと資格の取得に重きを置いて過ごしていました。
- 10. これから就職活動をする大学中退者にアドバイスやメッセージをお願いします。
- 大学中退ということを如何にして「ポジティブなもの」「相手にネガティブに感じさせないか」と言うことが最大のキーポイントです。そのために、自分の言葉で意見やPRを明確に伝えられるように準備することが大事です。
- 1. ハンドルネーム
- ゆう
- 2. 就職活動をはじめたのは大学中退後何年目か?
- 大学中退後2年後
- 3. 大学中退後に採用選考に参加した企業数は何社?
- 10社
- 4. 内定をもらった企業の業界
- 自動車部品製造業
- 5. 内定をもらった職種
- 品質管理
- 6. 一番多かった採用選考手順
- 適性検査1回と面接2回
- 7. 大学中退後の就職活動で心掛けていたことは何か?
- なぜ大学を中退したか面接でぜったい聞かれるので、正直になぜやめたかを伝えるようにしました。中退してから学んだことをプラスに取ってもらえるように心掛けています。
- 8. 大学中退後の就職活動で困難を感じたことは何か?
- やはり中退なので4年制卒業と履歴書にかけないことから大卒以上の求人をだしている受けたい企業に応募できなかったことが厳しかったです。やはり面接官の見るべきところは学歴がありました。
- 9. 大学中退後、就職活動以外にしていた事
- 夜中にアルバイトをしていました。いつでも融通がきくので佐川急便での仕分け作業です。就職活動するにもお金は必要なので少しでもとお金を稼いでいました。
- 10. これから就職活動をする大学中退者にアドバイスやメッセージをお願いします。
- 大学中退はたしかにひとつの挫折の感はいなめません。そこは厳しい目で見られることも必ずあります。しかしそれから時間がたてばなんら気にすることはないです。就職してから必ず取り返せます。
ここでは2名の方の体験談をピックアップしましたが、以下の記事では30名の体験談を記載しています。
体験談を知ることで事前に対策できることがたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。
また求人探し、履歴書作成、面接の場面で、学歴が原因でどのような苦労があったのか、どのように克服したのかについてもアンケートを取りました。
以下にまとめているので、こちらも参考にしてみてください。
5. 大学中退者が就職している職種
大学中退者はどのような職種に就職しているのでしょうか。
以下の図は大学中退者が就職した職種を多い順に表しているので、見てみましょう。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 35)」2015年5月 ※大学中退者には大学院中退者も含まれます。
大学中退者が就職している職種を多いものから見ると、
- 1位:サービス職 27.9%
- 2位:販売職 17.2%
- 3位:専門職・技術職 12.4%
となっていてこれらの職種で全体の6割近くを占めます。
特にサービス職と販売職は働ける業界が豊富にあり、募集人数が多いので多くの大学中退者が就職しています。
大学中退者の就職活動でネックになるのは、
- 大学中退
- 最終学歴が高卒
- 職歴なし
というような経歴。
しかしこれらの職種であれば、経験や学歴に関係なく人物重視で採用を行う企業を多く見つけられます。
また専門職・技術職にも多くの大学中退者が就職しています。
専門職・技術職では求人の募集要項に知識や技術、資格の条件を設けず、入社してから人材を育てる企業が増えています。
大学中退者が初めから待遇のよい企業に入社できることは少ないですが、専門的な知識やスキルを得られると、そのスキルを活かしてキャリアアップ転職することも可能です。
また万が一職場の雰囲気が合わない場合にも、同職種への転職がスムーズに進みやすいので一つの企業に縛られないメリットもあります。
6. 大学中退者におすすめの職種13選
ここからは「給料」「長く働きやすい」「就職しやすい」「専門的なスキルが身につく」の4項目を基準に選んだ、大学中退者におすすめの以下13職種を解説します。
- 営業職
- ITエンジニア職
- 公務員
- 事務職
- 生産工程職
- サービス職
- 販売職
- 保育士
- 建設業の職種
- 看護師
- 塾講師
- 輸送・機械運転職
- 介護職
平均年収の出典:DODA「平均年収ランキング2021」 マイナビ「公務員の給料&年収は平均でどれくらい? 地方公務員・国家公務員の年収の差は?」 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査2023年」 厚生労働省「2019年賃金構造基本統計調査2019年」
6-1. 「営業職」学歴を問わずチャレンジできる
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆営業職の主な職種☆
飲食料品営業員、不動産セールス、保険外交員、自動車販売営業員、MR(製薬会社の営業員)など
営業職は、企業の利益を上げることを目的に、商品やサービスを顧客に紹介する仕事です。
営業成績によって報酬を渡すインセンティブ制度を設けている企業が多いので、向上心の高い人やたくさん稼ぐチャンスが欲しい人におすすめの職種です。
企業にとって必要不可欠な職種のため求人数が多いことや、特別な資格やスキルが求められないことから、未経験でも採用されやすいです。
営業職というと話し上手な人が求められると思いがちですが、一方的に話す人ではなく、相手の願望を聞き出す「ヒアリング力」と、相手の心を開く「コミュニケーション能力」を備えた人が重宝されます。
- 営業職の平均年収
-
- 保険 401万円
- 不動産金融 434万円
- MR 713万円
- 営業職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- 中退就職カレッジ(営業職の就職支援事業からスタートした就職エージェント。現在は、さまざまな職種の求人を扱うが、今でも営業職の求人に強みを持つ)
6-2.「ITエンジニア職」未経験からでも技術が身に付く
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★★☆(4/5) | 就職しやすい★★☆☆☆(2/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★★(5/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★★☆(4/5)
・就職しやすい ★★☆☆☆(2/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★★(5/5)
☆ITエンジニアの主な職種☆
プログラマー、システムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニア、webデザイナーなど
ITエンジニア職は、職種によって仕事内容が異なりますが、主にコンピューターを動かすためのシステムを設計する仕事です。
現在も需要が高いIT業界ですが、今後もますます需要が高まっていくと予想されており、スキルを身に着ければ転職や独立がしやすく、リモートワークなど柔軟な働き方がしやすい業界です。
ITエンジニア職は高度な知識や技術が必要なので、大学中退者は「求人の応募要件を満たせない」と思うことが多いです。
たしかに経験者向けの求人が多いのは事実ですが、今現在IT業界の成長が著しく人材不足が深刻なことから、未経験者OKや資格を問わない求人も見つかります。
入社後に知識や技術を身につけさせたり、企業が必要な資格のサポートをしてくれたりするので、応募時に資格や経験がない大学中退者でも目指せる職種です。
- ITエンジニア職の平均年収
-
- テクニカルサポート 411万円
- システムエンジア(SE)・プログラマ 404万円
- webサービスエンジニア 413万円
6-3. 「公務員」受験資格に学歴条件がない職種が多い
給料★★★★★(5/5) | 長く働きやすい★★★★★(5/5) | 就職しやすい★☆☆☆☆(1/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★★★★(5/5)
・長く働きやすい ★★★★★(5/5)
・就職しやすい ★☆☆☆☆(1/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆公務員の主な職種☆
市役所職員、都道府県庁職員、警察官、消防官、税務職員、刑務官、入国警備官など
公務員は、国や地方公共団体などの職員のことで、職種は多岐に渡りますが、いずれも国民の生活をよくしたいという奉仕精神が求められます。
若い頃はさほど給料は高くありませんが、年功序列で確実に給料が上がっていくので職種全体の平均年収は高いです。
公務員試験の受験資格は「年齢制限」だけの職種が多いですが、年齢が高くなるとなれない公務員の種類もあるので、興味がある大学中退者は早めにチャレンジしましょう。
また自衛官や海上保安庁で働くことを約束に、学費無料の学校で学びながら国家公務員として給与がもらえる「大学校」や「学校」もあります。
大学中退者の中には中退を後悔したり学歴にコンプレックスを持っている人が多いですが、「大学校」や「学校」に通い卒業できれば、こういった思いを軽減できます。
公務員、大学校、学校については、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
- 公務員の平均年収(一般行政職の場合)
-
- 地方公務員 約592万円
- 国家公務員 約667万円
6-4. 「事務職」女性の大学中退者に人気
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★★★(5/5) | 就職しやすい★★☆☆☆(2/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★☆(4/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★★★(5/5)
・就職しやすい ★★☆☆☆(2/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★☆(4/5)
☆事務職の主な職種☆
一般事務、医療事務、秘書、受付、経理事務、営業事務など
事務職は、どの世代の女性からも人気No.1の職種です。
営業職や販売職のように数字を追う必要がないので、他の職種と比べてプレッシャーを感じにくく長く働きやすい職種です。
その分平均給与は高いとは言えませんが、比較的残業や休日出勤が少なくプライベートを充実させながら働きやすいです。
一方で企業の利益に直結する職種ではないため、コストカットの対象になりやすく非正規社員を雇用する企業が増えています。
一般事務や秘書、受付といった特別なスキルが無くてもできる仕事は、非正規雇用でも応募が集まるため特に正社員求人が少なくなりがちです。
事務職に正社員就職したい人は、「MOS」「簿記」「秘書検定」などの資格取得をするか、非正規雇用で経験を積むことを検討してみてください。
- 事務職の平均年収
-
- 一般事務 335万円
- 医療事務 285万円
- 秘書/受付 326万円
6-5. 「生産工程職」モノづくりにたずさわれる
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★★☆(4/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★★☆(4/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆生産工程職の主な職種☆
食品製造工、化学製品検査工、金属検査工、機械組立工、自動車組立工など
生産工程職は、製造業界でモノづくりの仕事をする職種です。
未経験でも簡単に覚えられる仕事から、熟練の技術や知識が必要になる仕事までさまざまで、技術や知識が必要な仕事ほど給料は高くなります。
高い給料を得たい人は、板金技能士やCADなどの専門的な資格を取得したり、知識のいる仕事を一から教えてくれる企業に応募しましょう。
大手企業の求人も多い生産工程職ですが、大手企業は非正規雇用やスキルが身につかない仕事も多いので、中小企業にも目を向けることをおすすします。
男性の比率が高い職場が多いですが、肉体労働のほかに商品梱包や食品の製造など、体力に自信のない人もできる仕事も豊富なので、女性にもおすすめできる職種です。
- 生産工程職の平均年収
-
- 機械・金属加工 365万円
- 生産管理 464万円
- 品質管理/品質保証 461万円
- 生産工程職職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- JAIC(ジェイック)
リクナビNEXT
工場求人ナビ(工場求人専門の就職支援サービス。全国の工場の、派遣や正社員求人を豊富にそろえる)
6-6. 「サービス職」大学中退者が1番多く就職している
給料★★☆☆☆(2/5) | 長く働きやすい★★☆☆☆(2/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★☆☆☆(2/5)
・長く働きやすい ★★☆☆☆(2/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆サービス職の主な職種☆
旅館・ホテルスタッフ、飲食店スタッフ、娯楽施設スタッフ、エステティシャン、添乗員など
サービス職は、大学中退者が最も多く就職している職種で、顧客に形のないサービスを提供する仕事です。
直接顧客と関わるためやりがいを感じやすく、顧客に喜んでほしいというおもてなし精神や気配りが求められます。
未経験から始めやすいサービス職ですが、大手企業が多く未経験者でも安心して働けるよう研修制度が整っていることが多いです。
一方で直接顧客と関わるため、クレームを言われたり高圧的な態度を取られることもあり、ストレスを感じやすい職種ともいえます。
また職種にもよりますが、給料の上がり方が緩やかな企業が多く、年齢が上がったときに給料に不満を感じる人も少なくありません。
提供するサービスの内容だけでなく、ノルマの有無や平均年収、福利厚生、研修制度などを調べておきましょう。
- サービス職の平均年収
-
- フロント業務(宿泊施設・ホテル) 294万円
- ホール・サービススタッフ 292万円
- 旅行手配・ツアーコンダクター 335万円
- サービス職に強い就職エージェント・求人サイト
6-7. 「販売職」大学中退者が2番目に多く就職している
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆販売職の主な職種☆
家電販売員、携帯ショップ店員、アパレル販売員、スーパー販売員、百貨店販売員など
販売職は、大学中退者が2番目に多く就職している職種です。
来店したお客様に自社の商品を勧めて販売する仕事なので、人との会話を楽しめる人やおもてなし精神が強い人に向いています。
未経験でも大手企業に正社員就職できるチャンスがあり、大手企業では充実した福利厚生を提供している企業が多いので働きやすいです。
また未経験から始めても、店長クラスになれるチャンスがあり、店長クラスまでは他の職種より昇進しやすいというメリットがあります。
一方で店長クラス以上の昇進は、エリアマネージャーや本社社員など人数に限りがある役職ばかりなので難しく、大幅な昇給は見込めないために不安を感じる人もいます。
企業によってノルマの有無や福利厚生の充実度、土日祝の休みやすさなどが異なるので、企業研究をしっかり行いましょう。
- 販売職の平均年収
-
- 店長・販売スタッフ 325万円
- 販売職に強い就職エージェント・求人サイト
6-8. 「保育士」子供の成長を感じられる職種
給料★★☆☆☆(2/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★☆☆☆(2/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
保育園で子供のお世話をしたり楽しく遊んだり様々な行事を行ったりして、子供の成長を促すのが保育士の仕事です。
保育園以外でも病院やレジャー施設等、子供がたくさん訪れる場所で、保育士資格を取得している人を対象とした求人が出ていることがあります。
保育士は、人材が不足しているので求人がたくさんあり、引っ越しをしてもどこでも保育園はあるので働きやすい職業です。
給料は労働時間に比べて安いといわれていますが、徐々に改善される方向にはあるようです。
保育士になるには、以下のどちらかの方法で保育士資格を取得しなければなりません。
- 専門学校や短大などに通って保育士養成課程を修了する
- 教材や通信講座などを利用して勉強をして保育士試験に合格する
ただし保育士試験の受験資格を満たすには、大学中退をするまでに大学に2年以上通い62単位以上取得している必要があります。
もしこの受験資格を満たせない場合は、児童福祉施設で保育士補助などとして定められた期間就労することでも受験資格を得ることができます。
保育士試験の受験資格について詳しくは、一般社団法人全国保育士養成協議会の「保育士試験受験資格」を参考にしてください。
- 保育士の平均年収
-
- 保育士 約391万円
6-9. 「建設業の職種」作ったものが形に残る職種
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★☆(4/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★☆(4/5)
☆建設業の職種に含まれる職種☆
大工、とび、左官、設備、施工管理など

建設業の職種は、自分が作り出した建築物やインフラが形に残る、やりがいを感じられる仕事です。
肉体労働のため体力は必要ですが、学歴や資格を問わない求人が多いので、大学中退者などの未経験者でも就職しやすい職業です。
現場の力仕事に自信がない人は、施工管理の仕事がおすすめです。
施工管理は、工事現場の工程・予算・安全の管理、役所への手続きや書類作成など、工事に関わるすべてのことを管理します。
施工管理は未経験から働きはじめられ、国家資格の施工管理技士を取得することでキャリアアップもできます。
施工管理の給料は一般的な水準に比べても高めなので、給料にこだわりたい人にもよい職種です
- 建設業の職種の平均年収
-
- 大工、とび、左官、設備 344万円
- 施工管理(建設/土木) 451万円
- 施工管理(内装/インテリア) 434万円
- 建設業の職種に強い就職エージェント・求人サイト
6-10. 「看護師」患者さんに感謝される職種
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★★(5/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★★(5/5)
看護師の仕事は、医師の指示を受けて、病気や怪我をした患者の診療補助をすることです。
看護師が働く場所は、下記のように医療機関以外にも活躍の場がたくさんあります。
- 病院
- 診療所
- 介護施設
- 訪問看護ステーション
- 企業の医務室
看護師として働くためには、国家資格の「看護師国家試験」に合格して、看護師免許を取得する必要があります。
高等学校の普通科を卒業した人の場合は、下のいずれかの看護学校に通って受験資格を得た後、「看護師国家試験」に合格して免許を取得するのが一般的です。
- 看護大学(4年)
- 看護短期大学(3年)
- 看護専門学校(3年)
看護大学(4年)に通った場合でも、大学3年時で受験資格を得られるので、最短3年で看護師として働くことができます。
- 看護師の平均年収
-
- 看護師 約508万円
6-11. 「塾講師」自身の学力や知識を活かせる
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★☆(4/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★☆(4/5)
塾講師は、生徒の学習指導や授業の準備、テストの採点などを行う職種です。
生徒の成長を実感できたり、自身の学力や知識を活かせたり、生徒の成績が向上すると感謝される、やりがいのある職種です。
塾講師になるには、学歴要件として大卒以上や短大卒以上を求められると思われがちですが、入試に合格していれば採用されるケースも多く、求人情報に「大学中退可」と記載している求人も多数あります。
学力が求められる仕事ですので、偏差値の高い大学に合格しているほうが採用で有利になりますが、教員免許を求められることはほとんどありません。
人手不足の職種でもあるので、未経験者を募集している塾も多く、未経験から入社しても導入研修や模擬授業を行うことで、講義をスムーズに行えるように仕組みを作っている塾が増えています。
塾の求人では塾講師だけでなく塾長を求める求人も多いので、塾の運営や講師のマネジメントなどに興味がある人は、塾長を目指してみるのもよいでしょう。
- 塾講師の平均年収
-
- 個人教師、塾・予備校講師 約394万円
- 塾講師に強い就職エージェント・求人サイト
6-12. 「輸送・機械運転職」入社後に運転免許が取れる
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆輸送・機械運転職に含まれる職種☆
配達ドライバー、タクシードライバー、トラック運転手、フォークリフト運転作業員、電車運転士、航空貨物業務スタッフなど
輸送・機械運転職は、物流業界で活躍している職種です。
鉄道や船舶・航空機関係は、求人数が少なかったり資格が必要だったりするので、大学中退者からは就職が難しい職種です
しかし自動車運転関係の職種であれば、普通自動車運転免許を持っていれば、学歴や年齢、経験に関わらずほとんどの求人に応募できるのでおすすめです。
自動車運転職を未経験からはじめても、入社後にフォークリフトやクレーン車、二種、大型車などの資格を会社負担で取得して、昇給やステップアップする人も多いです。
大学中退者の就職者は少ない職種ですが、インターネット通販の利用者が増えていることから物流業界への需要は非常に高く、配達ドライバーやタクシードライバー、トラック運転手などは、人手不足の状況なので求人が多く就職しやすい職種です。
- 輸送・機械運転職の平均年収
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- 営業用大型貨物自動車運転者 約477万円
- 営業用貨物自動車運転者(大型車を除く) 約438万円
- タクシー運転者 約361万円
6-13. 「介護職」超高齢社会の中で需要が高い職種
給料★★☆☆☆(2/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★☆☆☆(2/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆介護職に含まれる職種☆
介護士、ホームヘルパー、介護福祉士、ケアマネージャーなど
介護職は、介護サービスの利用者さんに対して身体介護や生活援助を行うことが主な仕事で、利用者から感謝されることも多いやりがいのある仕事です。
高齢社会の中で介護職は求められている職種ですので、今現在求人数が非常に多く就職もしやすい状況にあります。
介護職として働く場合、利用者の身体に触れる身体介護に携わるには、3か月ほどで取得できる介護職員初任者研修の資格が必要になります。
無資格でも身体介護以外の仕事に介護助手として働くことができるので、働きだしてから資格を取得することもできます。
介護職は対人の仕事なので、コミュニケーション能力やストレス耐性、体力が必要とされます。
難関の資格であるケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を取得すると、現場の介護の仕事ではなくケアプランの提案をする仕事に就くこともできます。
- 介護職の平均年収
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- 介護職員(医療・福祉施設等) 約363万円
- 介護職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- JAIC(ジェイック)
リクナビNEXT
介護畑(介護職専門の就職支援サービス。介護の資格を無料で取得できる)
税理士や公認会計士、社会保険労務士や行政書士など、士業の仕事も大学中退者におすすめです。
士業の資格は難関ですが取得できれば資格を活かして就職活動ができるので、大学中退の学歴がハンデになることがほとんどなくなります。
また士業の資格を持っている人だけができる独占業務もあることから、就職後は安定して働き続けられる仕事が多いです。
士業の仕事については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
7. 大学中退後に選べる主な進路
7-1. フリーターになる
フリーターは、正社員と違い勤務時間の拘束がなく自分の都合に合わせて勤務日時を調整できるので、プライベートを優先できます。
また責任のある仕事を任されることが少ないので、仕事でのストレスを感じにくいのもフリーターの特徴です。
しかし年齢が上がるにつれて正社員との収入の差が広がっていくので、フリーターの生涯賃金が5,000万円なのに対し、正社員の生涯賃金は2億2,000万円という結果が出ています。
とりあえずフリーターから始めたい人は、将来事務職に就職希望なら事務のアルバイトをするなど、就職したい職種で役立つアルバイトを選ぶことがおすすめです。
7-2. 正社員就職する
正社員は、アルバイトに比べて給料が高く昇給や賞与、退職金も期待できます。
また基本的に無期雇用なので、同じ企業で定年まで働くことができ、職を失うリスクが少ないことから社会的信頼も厚いです。
正社員はメリットが多いため、中退後に「特にやりたいことがない」という大学中退者も、まずは正社員を目指した就職活動をはじめることがおすすめです。
中退後ニートやフリーターをしている空白期間(ブランク)が長くなるほど、就職が難しくなるので、できるだけ早く就職活動を始めることが大切です。
7-3. 別の大学へ編入する
編入とは、これまでに習得した単位を活かして別の大学に途中学年から入ることです。
編入は学部ごとに数名しか募集していないことが多く、学部やその年によって募集要項が異なりますが、2年次または3年次からの編入生を募集していることが多いです。
いずれの場合も前大学できちんと学んでいた人を募集していて、例えば3年次から編入の編入生募集の場合、
- 前大学で2年次まで修了
- 60単位以上または62単位以上修得済み
のように規定されていることが多いです。
7-4. 専門学校へ入学する
専門学校は、就職後すぐに役立つスキルを身に着けることを目的としていて、大学よりも実践的かつ専門的なスキルが身に付きます。
専門的なスキルが身に付き大学中退直後より不利な点が軽減されるので、専門学校で身に着けたスキルが活かせる仕事には就職しやすくなります。
一方で専門学校で学んだ分野以外の仕事には、年齢が上がる分、大学中退後より不利になる可能性があります。
7-5. 資格を取得する
資格取得を目指す人は、不動産業界なら宅地建物取引士、事務職なら簿記、IT関連職ならITパスポートや基本情報技術者など、仕事に関連していて就職に有利になる資格を選ぶとよいです。
また税理士や司法書士など難易度の高い国家資格が必要な仕事では、大学中退も大卒も同じ仕事内容、同等の収入であることが多く、大学中退をコンプレックスに感じにくいメリットがあります。
ただし一般企業の採用選考では、仕事に関係しない資格取得をそれほど評価しない傾向があるので、資格取得にかける時間と資格選びは慎重に行いましょう。
7-6. 中退した大学に再入学する
必要な手続きをすれば中退した大学に再入学できる可能性があります。
再入学できる期限のある大学がほとんどで多くの大学で退学後2~4年以内としているので、その期限内に再入学する必要があります。
ただし大学中退理由によっては再入学が認められにくい場合があります。
病気や怪我が理由でしたら、それらが問題ない状態になっていれば再入学を認められやすいですが、大学で問題を起こした場合などは再入学を認めてもらうのが難しくなります。
8. 大学中退と高卒では、どちらが就職に有利?
大学中退と高卒では、就職率は高卒のほうが高いですが、どちらが就職に有利なのかは、採用担当者によって判断が大きくわかれるので、一概には言えません。
大学中退者は学校を途中で辞めているので印象が悪く、採用選考で高卒の人よりも不利になることがあります。
しかし、大学は卒業していなくても、入学できるだけの学力があると評価されることは多く、偏差値の高い大学の中退者は高卒の人よりも就職に有利になるケースが多いです。
国公立や早稲田・慶応などの超難関大学だけでなく、偏差値50以上の大学であれば、採用担当者も大学名を知っているケースが多いので、評価が高くなる可能性があると考えておくとよいでしょう。
ただし、あくまで学力を評価されているので、偏差値が高くない大学を中退しても、あまり評価されることはないと考えておいたほうがよいでしょう。
9. 大学中退をした女性は就職で不利になる?
大学中退をした女性は就職で男性より不利になるのでしょうか。
男女雇用機会均等法の制定により、どの求人も性別関係なく応募できますが、産休育休や結婚による早期退職を理由に、男性を優遇している企業も残念ながらあります。
ギリギリの人材で運営している企業では、産休育休に伴う人員調整が困難であったり、早期退職による欠員の補充をする力が残っていないためです。
一方で、女性が多く働いている職種では、就職できる可能性がぐっと上がります。
以下の記事で、大学中退女性の就職活動方法やおすすめ職種、選べる進路などについて解説しています。
大学中退女性の今後に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
大学中退女性のその後は幸せになれる?12個の進路と就職活動方法、結婚への影響を解説
10. 大学中退者の「大学中退率」と「大学中退理由」
ここからは、実際に大学中退した人の「大学中退率」と「大学中退理由」を見ていきましょう。
文部科学省が調査した結果によると、2021年4月から2022年3月、1年間の大学中退者数と大学中退率は以下のようになりました。
- 大学中退者数:57,875人
- 学生数に占める中退者の割合:1.95%
また、大学中退理由別の割合は以下のようになっています。
出典:文部科学省「学生就業状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」2022年3月
- 1位:転学など 16.3%
- 2位:学生生活不適応、修学意欲低下 15.7%
- 3位:就職・起業等 14.3%
- 4位:経済的困窮 13.5%
- 5位:学力不振 7.7%
- 6位:心神耗弱・疾患 5.0%
- 7位:病気・怪我・死亡 3.3%
- 8位:海外留学 0.6%
- 9位:その他 19.5%
- 10位:不明 4.1%
ここでは大学中退理由をランキングでお伝えしましたが、実際には以下のように複数の理由が重なっていることが多いです。
- 「人間関係に悩んでいたところに家庭の経済状況の悪化も重なった。」
- 「学業不振で留年しそうだったから進路変更で専門学校に進学した。」
以下の記事では、大学別の中退率などについて解説しているので、こちらもチェックしてみてください。
11. 大学中退した学年別の割合
大学中退者は、何年生で大学中退をしている人が多いのでしょうか。
大学中退をした学年ごとの割合が公表されているので、ここで紹介します。
【大学中退した時の学年(男性)】
1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生以上 |
---|---|---|---|
12.3% | 28.4% | 26.4% | 32.9% |
【大学中退した時の学年(女性)】
1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生以上 |
---|---|---|---|
27.5% | 37.1% | 17.9% | 17.5% |
【大学中退した時の学年(男女計)】
1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生以上 |
---|---|---|---|
17.0% | 31.0% | 23.8% | 28.1% |
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 66) 」2015年5月
男女で大学中退をする学年に大きな違いがみられます。
女性は1年や2年で大学中退をする人が多く、男性は1年で大学中退をする人は最も少なく、2年以降で大学中退をする人が多いです。
男女合計の結果は、アンケートを行った人に男性が多かったことから、男性の結果に近いものになっています。
12. 大学中退者が就職した時の給料額は?
大学中退者が就職すると、どのくらい給料が貰えるのでしょうか。
「大学中退後に、はじめて正社員就職した初年度の年収」について、アンケートを行ったので結果を見ていきましょう。
1位は251~300万円で、大学新卒の初年度平均年収と同等程度であることが分かりました。
1位と僅差の2位151~200万円は、高卒の初年度平均年収と同等程度なので、大学中退者は高卒か大卒いずれかと同じ程度の年収を得ることができるようです。
しかし、初年度の平均年収は大卒、高卒、大学中退者ともに大差はありませんが、残念ながら年齢が上がっていくほどに大卒との差が開いていく傾向があります。
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、大学を卒業した場合、全年代の平均月収は、
- 男性 39万円
- 女性 29万円
ですが、高卒の平均月収は、
- 男性 30万円
- 女性 22万円
とされていて、男性で9万円、女性で7万円の差があります。
また、月収だけではなく賞与にも差が開くことから、大学・大学院卒の場合、生涯賃金は、
- 男性 2億7千万円
- 女性 2億2千万円
が平均なのに対し、高卒では、
- 男性 2億1千万円
- 女性 1億5千万円
となっています。(労働政策研究研修機構「ユースフル労働統計 2019-生涯賃金など生涯に関する指標」)
生涯賃金では、大卒と高卒で男女ともに6,000万円前後の差があります。
このような解説を聞くと、就職意欲が薄くなるかもしれませんが、正社員就職の機会を逃してフリーターを続けてしまうと生涯賃金はさらに低くなってしまいます。
また、これは全ての職種の平均です。
どのような学歴でも、経験を積んでキャリアアップ転職をしたり、インセンティブが入る職種を選ぶなど、努力次第で平均以上の年収を得ることが可能です。
大学中退者が大卒や短大卒扱いになることも
大学中退者は、企業から高卒として扱われることが多いですが、「大学での在籍期間」や「人物評価」などによって、大卒として扱われたり、短大卒として扱われたりすることがあります。(※)
求人応募の段階で、「大卒以上」の求人に応募できることは少ないですが、中には応募を許可してくれる企業もあるので、就職したい企業があるのでしたら、事前に問い合わせてみるのもよいでしょう。
入社後に、大卒や短大卒扱いにしてもらえれば、高卒者よりも昇格や給与面で優遇してもらえる可能性があります。
※出典:リクルートエージェント「人事担当者に聞く「大学中退者の扱い」は?」
13. 10代の大学中退者は就職で不利になる?
大学中退をして10代で就職活動を行う場合、年齢がネックになって就職が難しくなるのではと心配する人も多いです。
年齢が若いことによる影響は、よい面も悪い面もありますが、大学中退者の就職においては有利になることがほとんどです。
まず、よい面からお伝えすると、平成19年に雇用対策法が改正されてから、求人の応募条件で、年齢制限を行えないので、年齢が原因で応募できる求人が減ることはありません。
また、10代であろうと20代であろうと、企業から見た大学中退者は、最終学歴が高卒で、仕事未経験であることに変わりはありません。
むしろ、年齢は若ければ若いほど今後の成長に期待してもらえたり、職場にフレッシュな風を入れてくれるのではと前向きに捉えてもらえることが多いです。
一方で、落ち着いた人を採用したいと考える企業では、10代の人は仕事に対する意識の違いから頼りなく見られたり、職場の雰囲気に合わないと思われることがあります。
このような印象を解消するためには、履歴書や面接で強みである若さやフレッシュさだけをアピールするのではなく、
- 協調性
- 成長意欲
などもアピールして、今後に期待できると思ってもらうことが大切です。
14. 有名大学を中退したら、就職で有利になる?
東大や京大、慶応や早稲田など、偏差値の高い有名大学を中退した人には、起業して大成功した人もいますが、就職する場合は、有利なのでしょうか?
有名大学を中退しても、最終学歴は高卒ですので、「高卒以上」「学歴不問」の求人にしか基本的に応募できません。
しかし、「高卒以上」「学歴不問」の求人では、中退した大学の偏差値が高いほど、評価が高くなることがあります。
大学中退していると、継続力がない印象を持たれやすいですが、偏差値の高い大学を中退していると、少なくとも入学するまでは勉強を継続していたことが分かるからです。
また、学力があることの証明にもなり、論理的思考能力が高く、仕事でも成果を出してくれるのではないかと評価してくれる企業も多いです。
注意したいのは、
「中退しているとはいえ有名大学に通っていたのだから、大学名だけで採用されるだろう」
と、就職活動対策を怠ってしまうことです。
どれだけ偏差値の高い有名大学でも、中退すれば学位はありません。
中退というネガティブな印象よりも、有名大学に入学できたというポジティブな印象を強く持ってもらえるように、中退という事実を受け入れた上で、前向きに中退理由を話せるようにしておきましょう。
15. 大学中退者は離職率の高い業界を避けるべき?
皆さんが実際に仕事を行う可能性のある企業には、離職率の高い業界に分類される企業もあります。
ここからは、大学中退者は離職率の高い業界を避けるべきなのかを、産業別の入職率・離職率や平均年収と照らし合わせながら解説していきます。
働きやすい企業の特徴も解説するので、離職率の高い業界に関心のある人や、企業選びのポイントを知りたい人は参考にしてください。
15-1. 産業別の入職率・離職率
以下の図は、厚生労働省が調査した「令和2年の産業別入職率と離職率」を、離職率が高い順に並べ変えたものですので見ていきましょう。
※産業別入職(離職)率とは、特定の産業の全労働者に対する、新たに就業(離職)した労働者の割合。
出典:厚生労働省「産業別の入職と離職(図3-1)」令和2年(2020年)
離職率の高い業界の上位4位は以下の通りで、いずれも、サービスの対象が法人ではなく個人の消費者という共通点があります。
- 1位:宿泊業・飲食サービス業 26.9%
- 2位:他に分類されないサービス業(廃産物処理・自動車整備・職業紹介・労働者派遣業・宗教など) 19.3%
- 3位:生活関連サービス業(洗濯・理容・美容・浴場業・娯楽業) 18.4%
- 4位:教育・学習支援 15.6%
個人の消費者を対象とした業界の離職率が高い理由としては、
- 世間一般の休日(土日祝、年末年始、お盆)に働かないといけない
- クレーム対応をしないといけない
- 勤務時間が不規則な場合がある
といったことが挙げられます。
一方でメリットもあり、
- 未経験でも始めやすい
- シフト制で柔軟に働ける
- 華やかな職場が多い
といったことから、入職率が高いのも特徴です。
15-2. 離職率は平均年収に関係している
業界の離職率は、その業界の平均年収が大きく関係しています。
国税庁による「令和元年分民間給与実態統計調査結果」で、業界ごとの平均年収を見てみましょう。
- すべての業界の平均年収
- ・約436万円
- 離職率の低い業界の平均年収
-
・金融業・保険業 約627万円
・複合サービス事業 約411万円
・情報通信業 約598万円
・製造業 約513万円
- 離職率の高い業界の平均年収
-
・宿泊・飲食サービス業 約259万円
・サービス業 約359万円
・不動産業・物品賃貸業 約423万円
・卸売業・小売業 約375万円
となっていて、離職率の低い業界は平均年収が高めで、離職率の高い業界は平均年収が低めであることが分かります。
どのような仕事にも大変なことはありますが、仕事が辛いと感じたときに、給与が低かったり、昇給が見込めないとモチベーションが保ちにくいからです。
また、給与が低いと、転職しても大幅に給与が下がることがないので、転職に抵抗がなくなってしまうことも、離職率の高さに繋がっていると言えます。
そのため、仕事を選ぶときは、どの程度給料を重視するのかをしっかり考えた上で決めると、早期離職しにくいと言えます。
15-3. 離職率が高い業界の企業=ブラック企業ではない
ここまで業界別の離職率について解説してきましたが、離職率の高い業界の企業=ブラック企業ではありません。
ブラック企業の特徴として、
- 残業が多い
- 休日が少ない
- 職場の雰囲気が悪い
- ノルマがきつい
などが挙げられますが、宿泊業やサービス業、小売業など離職率が高いとされる業界でも、働きやすい環境が整った企業はたくさんあります。
逆に、金融業・保険業、情報通信業などの離職率が低いとされる業界でも、残業が多く、ノルマがきつい企業もあります。
業界ごとの離職率の高さが、企業選びの一つの目安となるのは事実ですが、それだけを見て関心のある仕事を諦める必要はありません。
ただし、上記で解説したように、離職率の高い業界の平均年収が低いことは事実なので、高収入を目指している人は、平均年収の高い業界を選ぶのも一つの手です。
15-4. 働きやすい企業の特徴
離職率が企業選びの目安にしかならないのであれば、どうすれば働きやすい環境の求人を見つけられるのでしょうか。
ここからは、働きやすい企業の特徴を4つ解説します。
- 残業時間が明確
- 求人に平均残業時間が記載されていたり、面接で「月に20時間ほど残業してもらう可能性がありますが大丈夫ですか」と質問をしてくるなど、明確な残業時間を示している企業は、入社後のギャップを減らす努力をしています。
実際の残業時間は、事前に提示されていた残業時間と同じ程度のことが多いです。 - 年間休日数が120日前後
- 企業全体の平均年間休日数は120日と言われています。
土日祝、お盆、年末年始を休むと120日前後となるので、ある程度プライベートな時間を作るためには必要な休日数です。 - 昇給・賞与実績が記載されている
- 求人に昇給・賞与の実績が記載されている企業では、入社後も記載内容に近い待遇を受けられることが多いです。
- 基本給が高い
- 成果に対して支払われるインセンティブや賞与は、企業や個人の利益によって変動するので、あまり安定していません。
対して基本給は決められた額が必ず支払われるので、基本給が高い企業は生活が安定します。
離職率が高いとされる業界でも、これらに当てはまる企業では、働きやすい可能性が高いです。
それなりに従業員数がいる企業は、企業の口コミサイトに従業員のリアルな口コミが書かれているので、職場環境の参考にしてみてください。
16. 大学中退者は就職する際に中退の証明書が必要?
大学中退後に就職した100人の方に、就職する際に学歴の証明書を求められたかアンケートを取った結果が以下ですので、見てみましょう。
大学中退者の最終学歴は高卒なので、高等学校の卒業証明書を求められるケースと、大学中退の証明書を求められるケース、めったにはありませんが、両方を求められるケースがあります。
また、就職時に学歴の証明書を求められないケースも多いことが、アンケート結果からわかります。
大学中退の証明書を求められた場合は、退学証明書を提出するのが一般的です。
まだ退学手続きが完了していない場合は、
- 成績証明書
- 在学証明書
を提出することができます。
これらの証明書は、学校で受け取ることもできますし、郵送で送ってもらえる場合も多いです。
証明書の見本や証明書の詳しい発行方法については、以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
大学中退者は就職時に退学証明書が必要?中退を証明する書類4種類と発行方法
17. まとめ
考え方の多様化が広がっている現代は、以前に比べて大学中退へのマイナスイメージが減ってきています。
就職活動を成功させるには、自分に自信を持って面接に臨むことが大切です。
まずは大学中退を振り返り、「あの時は中退するしかなかった」「中退という失敗をしたから成長できた」など、自分の中で大学中退を受け入れることから始めましょう。
また、就職エージェントやハローワークなど様々なサービスを利用して、一人で悩まずに効率よく就職活動を行いましょう。
2023年最新版!大学中退者に人気の就職サイトBEST3
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---|---|
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岸 憲太郎
・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業
15年以上の就職支援経験を通じて、多くの採用担当者や求職者と情報交換をしてきました。
それらの経験を社会に還元していくために、情報発信を行っています。
詳しいプロフィールは、こちらをチェックしてみてください。
プロフィール
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- 「就職支援会社のジェイックで、大学中退者の就職支援責任者をされている小久保友寛さんに取材しました。」
- 「公認会計士・税理士として大活躍中の、小松秀一朗さんに取材しました。」
- 「手に職をつけられる仕事の紹介」
- 「大阪航空専門学校に取材してきました」
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