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最終更新日: 2023年3月20日
大学中退者が就職する方法完全版。おすすめ7職種、体験談も紹介
大学中退をすると就職できないと言われることもあり、不安に思う大学中退者が少なくありません。
しかし、2023年現在、多くの企業で若者が不足していることから、経歴より将来性を期待して採用する企業が増えています。
そのため、大学中退者の就職活動の現状を把握し、一つ一つ対策すれば、大学中退者も正社員就職できます。
この記事では、企業の採用担当者数百名と情報交換してきた経験を元に、大学中退者が簡単に就職できない理由6つと、大学中退者が就職活動を成功させる方法について1から詳しく解説します。
また、職種については、大学中退者が実際に働いている職種、大学中退者が就職しやすい職種、おすすめ職種7選と、どこよりも詳しく紹介しているのでチェックしてみてください。
実際に大学中退後に就職活動を行い内定を得た人の体験談もたくさん紹介するので、ぜひ参考にしてください。
大学中退者に人気の就職エージェント
就職カレッジ
サービス内容 | 大学中退者向けの就職支援を行っており、大学中退者を採用したい企業の求人紹介や履歴書、面接対策をしてもらえます。 |
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紹介求人 | 営業、広告・メディア、メーカー、商社、IT通信系、経理、事務等 |
対象地域 | 全国 |
特徴 | 就職支援実績は、23,000人以上。就職成功率は、81.1%(大学中退者に限ると90.7%)。入社後定着率は、91.3%。厚生労働省から有料職業事業者に認定されています。 |
大学中退後には、正社員就職以外に「資格を取得する」「専門学校に入学する」「他大学に編入する」など選べる進路があります。
以下の記事で、大学中退後に選べる進路12選を紹介しているので、大学中退後に何をするのか決められていない人は参考にしてください。
目次
1. 大学中退者の就職率は33.9%
大学中退者は就職できないと言われますが、大学中退者と大卒ではどれくらい就職率が違うのでしょうか。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、2012年に20~29歳であった大学中退者(大学院中退者含む)692名の、正社員就職までの期間と割合は以下のようになっています。
正社員就業までの期間 | 割合(%) |
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離学前 | 0.9 |
離学から3か月以内 | 10.4 |
3年以内 | 11.8 |
3年超 | 2.7 |
正社員時期不明 | 8.1 |
正社員移行なし | 45.7 |
就業形態不明 | 6.5 |
未就業 | 13.9 |
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 21)」2015年」
表の中で黄色で示した、全ての期間の正社員就職した人の割合を合計すると、大学中退者の正社員就職率は33.9%となります。
同じ年齢の大卒の正社員就職率は69.1%ですので、大卒と比べると半分程度しか正社員就職できていません。
この結果には、就職活動をしていない人も含まれるので、就職活動をした人だけでデータを取ればもう少し就職率は上がるはずです。
しかし、大学中退者の45.7%が非正規雇用、13.9%が未就業ですので、6割ほどの大学中退者は正社員になれていない現実があります。
上記の調査の、高卒の就職率を見てみると62.4%です。
大学中退者は33.9%でしたので、大学中退者は高卒の人よりも就職率が低いことがわかります。
2. 大学中退者が簡単に就職できない理由6つ
大学中退者の正社員就職率は33.9%でしたが、なぜ大学中退をするとここまで正社員就職をするのが難しくなるのでしょうか。
「中退後の就職活動での困難・不利益」について調査した結果が以下の図ですので見てみましょう。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 104)」2015年5月
大学中退者が就職活動で最も困難に感じていたのは、学歴が原因で求人に応募できなかったり、選択できる職業や企業規模が限定されてしまうことです。
また、面接で大学中退理由を聞かれて、適切な返答ができずに困難を感じている人が多いこともわかります。
ここからは、上記のアンケート結果も踏まえて、大学中退者が簡単に就職できない6つの理由を、大学中退者の体験談を交えながら見ていきましょう。
2-1. 最終学歴が高卒なので、応募できる求人が限定される
【ぽんたさん/神戸学院大学中退者の体験談】
高校卒という求人が少なく大学卒という求人がかなり多かったです。応募の資格さえありませんでした。なので、私がやりたいと思った仕事は諦め応募資格、高卒以上というもので探し応募してました。
「大学中退者が就職活動で苦労した体験談7つ」より
総務省の定義によると、大学中退者の最終学歴は「高卒」なので、応募条件が「大卒以上」の求人には基本的に応募できません。
特に大企業の総合職など、論理的思考や頭の回転の速さが求められる職種で、「大卒以上」を求める傾向にあります。
また、新卒採用の求人に応募することも難しいです。
新卒採用とは、卒業見込みの学生を対象とした採用プロセスのことで、毎年多くの企業が、4月入社を目標に大量の新卒採用求人を出します。
新卒採用求人では、正社員としての就業経験がないことを前提として、将来性に期待して採用するので、正社員経験のない人には魅力的な求人です。
国の方針で、卒業から3年以内は新卒扱いにすると決まったので、高校卒業から3年経っていない大学中退者は高卒として新卒枠に応募できますが、大卒向けの新卒求人には基本的に応募できません。
また、高校卒業予定の新卒の多くは、学校で企業に推薦してもらうことが多いので、大学中退者が高卒の新卒枠に応募できるようになっても、活用できる求人は少ないでしょう。
2-2. 中途採用求人に応募するので、即戦力が求められる
【男性/21 歳/大学中退者の体験談】
新卒であれば未経験で当たり前だが、中途採用しかないので、経験有無の壁が大きい。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 183)」2015年5月
大学中退者は、基本的に新卒採用の求人に応募できないので、中途採用の求人に応募します。
しかし、中途採用求人の多くは、欠員補充を目的としているので募集人数は少ないことが多いです。
また、人材育成にかかる時間とコストの削減や、自社にない新しい知識の獲得を目的に、即戦力の経験やスキルを求める企業が多いです。
ほとんどの大学中退者はアピールできる経験やスキルを持っておらず、企業が求める人材とマッチしくいため、なかなか採用に至りません。
同じ求人に応募しているライバルが経験者であることも多く、経歴に差がある状態で就職活動しないといけないことも、大学中退者の就職を難しくしています。
2-3. 仕事を継続する力がないと思われる
【ナッツさん/麻布大学中退者の体験談】
履歴書を見せると、かならずなぜ中退したかを突っ込まれるので毎回苦労しました。私の場合、心の問題で中退したことを言わなければならず、それだけでマイナスイメージだったのでさらに厳しかったです
「大学中退者が就職活動で苦労した体験談7つ」より
大学中退にはさまざまな事情があることは、企業の採用担当者も分かっていますが、
「大学を途中で辞めたように、仕事も辛い状況になるとすぐに辞めてしまうのではないか」
と、仕事を継続する力がないことを不安視されます。
企業は採用活動や人材育成にたくさんの時間と費用をかけているので、企業に貢献する前に辞められると、その人に費やした時間と費用が無駄になってしまいます。
そのような事態を避けるために、大学中退者のような早期離職の可能性が高い人材の採用に慎重になる企業が多いです。
2-4. 大学中退理由を面接で必ず聞かれる
【こゆきさん/大阪音楽大学中退者の体験談】
ほとんどの面接で中退のことを聞かれるので、気まずい気持ちになることが多かった。精神的に落ち込むこともあった。
「大学中退者が就職活動で苦労した体験談7つ」より
大学中退者にマイナスのイメージを持つ面接官は多いので、面接では大学中退理由についてほぼ100%質問されます。
しかし、本人も大学中退したことを後悔していたり、できればしたくなかったなど、マイナスの印象を持っていることが多いため、面接でプラスの印象を与える回答ができず採用に至らないケースが多いです。
また、事前に回答内容を考えていても、面接官が大学中退理由を重視している場合、深堀りして質問することがよくあるため、そこで言葉に詰まってしまう人もいます。
2-5. 空白期間ができてしまう
【あきさん/長崎大学中退者の体験談】
空白の期間が出るため必ず大学中退の話はしないといけない。まず嫌な顔をされてきたけど、大学を辞めたからこそ早めに社会に出れたとか前向きに話すようにしたら少し受け入れてもらいやすくなった
「大学中退者が就職活動で苦労した体験談7つ」より
大学中退者は、就職先を決めずに大学中退をする人がほとんどですので、大学中退後にニートやフリーターをしている人がたくさんいます。
そのようなニートやフリーター期間は、空白期間と呼ばれ、就職活動では「計画性がない」「仕事への意欲がないのでは」「採用に至らない理由があるのでは」などと思われ、印象がよくありません。
面接では、「その期間何をしていたのか」「なぜ正社員就職しなかったのか」といったことを聞かれます。
実際のところ、深く考えていなかったり、何度か就職活動をしたものの、就職が決まらなかったといった人が多いですが、面接でそのまま伝えると悪い印象を与えてしまい、採用につながりにくくなります。
2-6. 就職活動について相談できる人が少ない
【女性/21 歳/大学中退者の体験談】
就職活動の仕方が分からなかった。相談出来る相手がいなかった。知識不足。自信が持てず、面接を受ける勇気が出なかった。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 179)」2015年5月
大学在学中の就職活動では、大学で就職活動の講義が行われたり、面接対策や履歴書対策、個別の進路相談など、様々なサポートが受けられます。
また、周囲の友人も就職活動をしているので、悩みや情報を共有することができます。
一方で大学を中退すると、大学のサポートが受けられず、周囲に就職活動をしている人も少ないため、就職活動の情報が不足しがちです。
大学中退者の就職活動では、
- どれだけ自己分析や企業研究ができるか
- 面接で大学中退理由をうまく話せるか
- 就職活動マナーができているか
- 求人の探し方を知っているか
といったことが結果を左右しますが、一人で調べるには限界があります。
このような就職活動情報が不足してしまうと、対策が充分にできていないために長所を上手く伝えられず、なかなか採用にいたりません。
大学中退後に就職した7名の方に、就職活動で苦労したことについてアンケートを行いました。
「求人探し」「履歴書作成」「面接」の場面ごとに、どのような苦労があったのかを聞いて、以下の記事にまとめているので参考にしてみてください。3. 大学中退者が正社員就職するための就職活動方法
ここまで、大学中退者が簡単に就職できない理由について解説しました。
大学中退者の就職活動の厳しい現状を知って、この記事を読む前より不安が大きくなったかもしれませんが、現状を知ることは就職活動を成功させる第一歩です。
ここからは、大学中退者が正社員になるための就職活動方法を解説していきます。
3-1. 大学中退者に強い就職エージェントで就職支援を受ける
大学中退者は、基本的に一人で就職活動を行うので、情報不足で万全な対策ができなかったり、大学中退者を歓迎していない求人に応募して不採用が続き、挫折してしまうケースが多いです。
そのような事態を避け、早くスムーズに内定を得るためには、大学中退者の就職率が高い就職エージェントで就職支援を受けることが大切です。
大学中退者の就職率が高い就職エージェントでは、「大学中退」「未経験」に理解がある企業の求人を紹介してくれるので、自分で中途採用求人を探すより圧倒的に内定を得やすくなります。
他にも、就職活動に慣れていない大学中退者に役立つ、
- 履歴書添削や模擬面接などの就職活動サポート
- カウンセリングで応募者の希望条件の明確化、不安解消
などをすべて無料で受けられる上、退会時の違約金や面倒な手続きも一切必要ありません。
ここからは、大学中退者の就職率が高い就職エージェントの中でも、利用者の満足度が高いエージェントを人気順に3つ紹介します。
現在はどの就職エージェントもオンラインでサービスを提供していて、気軽に利用できるので、いくつか利用して相性の良いエージェントを見つけましょう。
- 就職カレッジ
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就職カレッジは、就職成功率81.1%(大学中退者に限ると90.7%)、就職先定着率91.5%の実績を出している、大学中退者やフリーターの就職に特化した就職エージェントです。
就職カレッジの特徴は、就職エージェントの中で唯一、大学中退者に特化した就職講座が用意されているところです。- 大学中退者向けの履歴書、面接対策
- 大学中退者が就職活動でつまづきやすいポイントの解説
- ビジネスマナー対策
紹介される求人は、ブラック企業を排除した正社員求人のみなので、正社員として安定して働きたい人はぜひ利用してください。
今現在、全てのサービスをオンラインで利用することができます。
取り扱い求人の勤務地:全国に対応
- ハタラクティブ
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ハタラクティブは、業界トップクラスの2,300件以上の未経験者向け求人を保有し、就職率80.4%の実績を出している、未経験者向けの就職エージェントです。
カウンセリングが丁寧なので、まだ希望職種を絞れていない人の相談や、希望条件に合った求人紹介に定評があります。
ハタラクティブは、他の就職エージェントに比べて、大手企業への就職に強いという特徴もあります。
正社員登用を前提とした求人がメインではありますが、派遣社員や契約社員の求人も扱っているため、正社員希望の人は事前にその旨を伝えておくとよいでしょう。
取り扱い求人の勤務地:東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・愛知・福岡が中心
- 就職Shop
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就職Shopは、業界大手のリクルートが運営する、未経験者向けの就職エージェントです。
100%取材訪問した企業の求人だけを取り扱っているので、「経営者の考え方」「職場の雰囲気」「仕事のやりがい」「具体的な仕事内容」など、求人を見ているだけではわからない情報を教えてもらえます。
そのため、企業ごとの志望動機に説得力が増して内定を得やすかったり、入社後のミスマッチが起こりにくいです。
紹介される求人は、すべて書類選考不要なので、就職活動の時間と負担を大幅に減らすことができます。
取り扱い求人の勤務地:東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫が中心
その他の就職エージェントや求人サイトを以下の記事で紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
3-2. 転職エージェントと就職エージェントを使い分ける
エージェントには、就職エージェントの他に、転職エージェントがあります。
転職エージェントの中で有名なものには、「リクルートエージェント」や「doda
」などがあり、CMもよく流れているので知っている人も多いと思います。
転職エージェントの主な対象者は、正社員や派遣社員、契約社員などの経験者ですので、経験者向けの求人を豊富にそろえていて、在籍するキャリアアドバイザーは経験者の相談にのることが多いので、経験者の就職活動についての相談に適切なアドバイスをしてくれます。
ですので、大学中退後に正社員などの経験がある人には、転職エージェントの利用もおすすめできます。
一方で、経験者向けの求人に比べると未経験者向けの求人は少なく、利用者に大学中退で未経験という人が少ないために、このような人向けに適切なアドバイスができるキャリアアドバイザーは少ない傾向にあります。
上で紹介した就職エージェントでしたら、未経験者向けの求人を多く扱い、キャリアアドバイザーも大学中退者の事情に詳しい人が多いので、正社員などの経験がない大学中退者には、就職エージェントがおすすめです。
3-3. たくさんの求人を見たい人はハローワークも利用する
就職エージェントの利用だけで就職が決まる人も多いですが、さらにたくさんの求人が見たい人はハローワークも利用してみましょう。
ハローワークは、地元の中小企業や、さらに規模の小さい零細企業の求人が豊富なので、地元で働きたい人におすすめです。
一部のハローワークでは、わかものハローワークなどの名称で、34歳以下の若者を対象にした就職支援を行っていて、
- 正社員経験がない、または少ない人のアピール方法
- 模擬面接や履歴書添削
- 資格取得や技術を身につけられる職業訓練の紹介
- 常駐の相談員との就職活動の相談
など、就職エージェントほど時間は割いてもらえないものの、通常より手厚い就職サポートが受けられるものもあります。
ただし、ハローワークは地元の小さな企業の求人が見つかりやすい反面、基本的にどのような企業でも無料で求人を掲載することができるので、ブラック企業には注意する必要があります。
また、ハローワークは、全世代の就職活動サポートを行っているため、「大学中退者の就職活動対策」というよりは一般的な就職活動情報を教えてもらえると思っておきましょう。
ハローワークについては、以下の記事でより詳しく解説しているので、こちらもチェックしてみてください。
3-4. 大学中退者の就職活動に有利な時期を知る
大学中退者が応募することの多い中途採用求人は、時期を問わずよい人材がいれば採用する「通年採用」をしている企業がほとんどです。
また、就職活動では、ブランク期間が短いほど内定を得られる可能性が高いので、正社員を考えたら時期を問わずすぐに行動に移すことが大切です。
その上で、大学中退者にとって有利な就職活動時期があることも知っておきましょう。
大学中退者に最もおすすめの就職活動時期は、求人数が最も多い1~3月です。
1月から3月に出ている求人は新卒採用と同じタイミングなので、未経験歓迎の求人が多く、職歴の無い大学中退者も応募しやすいのが特徴です。
また、退職者が増える夏のボーナス支給後の9月10月も中途採用の求人数が多くなるのでねらい目です。
このような求人数が増える時期は、採用人数が増える上、応募できる求人の選択肢が広がるので、選択肢が狭くなりがちな大学中退者にとって有利な時期と言えます。
大学中退者におすすめの就職活動時期については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
3-5. 業界・職種研究を行う
就職エージェントなどを利用して求人を紹介してもらう場合でも、業界・職種について自分で研究しておきましょう。
どのような業界や職種があり、どのような仕事をしたいのか、ある程度把握しておかないと、他人に言われた通りに就職するしかなくなってしまい、後で後悔する可能性があるからです。
まずはどんな業界があり、「どんな商品・サービスを」「どのような方法で」「誰に対して」提供しているのか、業界についての本で調べてみましょう。
インターネットで調べるのもよいですが、まだ幅広い業界について知らないうちは、情報の偏りを避けるためにまず業界の全体像がわかる本で調査し、その後インターネットでの調査をおすすめします。
主な業界と、業界をさらに細かく分類した業種には、以下のようなものがあります。
- 製造業界
-
【素材】
鉄鋼、非鉄金属、化学、ガラス、セメント、タイヤ、合成ゴム、紙・パルプ、繊維
【電気・機械】
家電・AV、コンピュータ、電子部品、半導体、OA・精密機械、工作機械、建設機械、造船・重機、自動車
【生活関連用品】
化粧品、トイレタリー、食品・飲料、医薬品、アパレル
- IT・通信・インターネット業界
- ソフトウェア、情報サービス、コンサルティング、通信、インターネット、SNS・スマホ向けコンテンツ
- 金融業界
- 銀行、証券、生命保険、損害保険、ノンバンク
- エネルギー業界
- 石油、電力、ガス
- 交通・運輸業界
- 陸運、航空、海運、倉庫、鉄道
- 建設・不動産・住宅業界
- ゼネコン、プラントエンジニアリング、不動産、住宅、住宅設備・建材
- 流通・小売業界
- 商社、卸、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、通信販売、家電量販店、ドラッグストア、ホームセンター・ディスカウントストア、専門店
- レジャー業界
- 旅行、ホテル、レジャー施設、フードサービス
- エンターテインメント業界
- 映画・映像、ゲーム、音楽
- マスコミ業界
- 通信社、新聞、テレビ、インターネット・動画配信、ラジオ、出版、出版取次、印刷、広告
- 福祉・教育・サービス業界
- 介護、予備校・塾・通信教育、大学・専門学校
一通り業界を理解すれば、社会の仕組みやそれぞれの業種の価値をより深く理解でき、自分のやりたいことがどの業界でできるのかも見えてきます。
また、採用選考に進んで面接や履歴書を通して自己PRや志望動機を伝える際には、製造業界やIT業界という広い枠組みではなく、より細かく分類された「自動車」「家電」「ソフトウェア」「通信」といったレベルで志望を明確化すると説得力がでるので、そこまで深く調査してみましょう。
しかし、業界がこれだけたくさんあると、選ぶことができないという人もいるかもしれません。
そこで、人材サービス事業を行う株式会社ディスコが、2021年3月卒業予定の大学3年生を対象に志望業界について調査しているので、その結果も見てみましょう。(上記した業界分類とは表記が違います)
志望業界ランキングベスト10
- 1位:情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト 19%
- 2位:情報・インターネットサービス 17.5%
- 3位:水産・食品 16.5%
- 4位:銀行 14.1%
- 5位:医薬品・医療関連・化粧品 13.8%
- 6位:素材・化学 13.3%
- 6位:建設・住宅・不動産 13.3%
- 8位:電子・電気 13.1%
- 9位:マスコミ 11.7%
- 10位:調査・コンサルタント 11.6%
※出典:株式会社ディスコ「3月1日時点の就職活動調査(p. 2)」2020年3月
1位2位共にIT関連業界がランクインしています。これから10年以上伸び続けていくと言われる業界ですので、学生にも人気があります。
また、銀行や医薬品など平均給与が高い業界も人気が高く、食品・素材など、商品への需要が安定していて、長期的に安定して働き続けられる業界も人気があります。
これらの情報と、自分のやりたいこと、できることなども参考にして、業界を絞り込んでいきましょう
それでは次に、どんな職種があり、どのような仕事内容かを調べてみましょう。
職種は、実際に行う仕事内容なので、自分が望む働き方ができるかを業界より慎重に見極めることが大切です。
職種については、この記事の、
- 目次7「大学中退者が就職している職種」
- 目次8「大学中退者が就職しやすい職種」
- 目次9「大学中退者におすすめの職種7選」
で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
3-6. 履歴書に大学中退まで記載する
大学中退者が履歴書を作成する場合、多くの人が、履歴書に大学中退歴を書くべきか疑問を持ちます。
また、大学中退者の中には、「大学中退を履歴書に書くと印象が悪くなるから書かないでおこう」と考える人もいます。
確かに、大学中退者の最終学歴は「高卒」なので、中退は書かなくても大丈夫かな?と思うかもしれません。
しかし、履歴書に大学中退を書かずに嘘が発覚すると、学歴詐称と判断され、解雇や懲戒免職、減給の対象になる可能性があります。
また、高校卒業から就職活動までの期間が空白期間となってしまい、余計に悪い印象を持たれかねません。
大学中退にさまざまな事情があることは企業側も分かっているので、大学中退をコンプレックスに感じすぎず、履歴書に明記しておきましょう。
大学中退の経歴は以下のように記入します。
このとき、大学中退理由が前向きな場合や、やむを得ない場合、中退理由も記入した方がマイナスなイメージをカバーできます。
以下に、記入した方がよい大学中退理由の書き方を、留学、経済的理由、病気の順に3つ書いておくので参考にしてください。
留学をした場合は、留学先の国、大学名、滞在期間、取得した資格などを書くと、前向きな印象を持ってもらえます。
病気が完治している場合は、その旨も書いておくと体調面で不利になりません。
一方で、「勉強についていけなかった」「人間関係に悩んだ」など、ネガティブな理由で中退した場合は、履歴書に書かずに、面接で事情を説明したほうが誤解を生まず理解してもらえます。
もし就職が決まったら中退をするというような場合には、以下のように「中途退学予定」あるいは「就職が決まれば中途退学予定」と記載しておくとよいでしょう。

中退する日が決まっていればその日付を書き、決まっていなければ、日付は記入しなくてよいです。
大学中退者の最終学歴については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
大学中退者の最終学歴は高卒?履歴書に大学中退は書かなくてもよい?
大学中退者の履歴書の書き方については、以下の記事で、さまざまなケース別の履歴書の見本や例文を見せながら詳しく解説しています。
実際に履歴書を書くときに、見本として見ながら書けるようになっているので、よければ参考にしてみてください。
3-7. 面接で中退理由をポジティブに話せるようにする
大学中退者が就職活動で面接に参加すると、ほぼ必ず「大学中退理由」を聞かれます。
答えにくい質問ですが、大学中退理由を聞いてくれる=回答によっては採用されるチャンスがあるということなので、納得してもらえる回答を準備しておきましょう。
文部科学省が調査した、2021年度の大学中退者の大学中退理由を見てみると、「転学等」「学生生活不適応・修学意欲低下」「就職・起業等」が多くなっています。
出典:文部科学省「学生就業状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」2022年3月
大学中退理由を伝えるときは、ネガティブな大学中退理由でも、できるだけポジティブに伝えることが大切です。
例えば、
「家庭の事情で学費を払うことが難しくなったので中退しました。」
と伝えてもやむを得ない事情と思ってはもらえますが、
「家庭の事情で学費を払うことが難しくなったので中退しました。予定より少し早く社会に出ることになりましたが、元々営業の仕事に関心があったので、早くから営業経験を積めるチャンスだと前向きに捉えています。」
と志望動機を交えて伝えるとより前向きな印象を持ってもらえます。
面接官も、「どうして営業に関心があったのですか?」と志望動機に話を振りやすく、面接で重要な会話のキャッチボールがしやすいです。
ネガティブな中退理由の場合は、「大学中退したことで自分の人生について考えることができた」のように、最終的に前向きな話に繋げるようにしましょう。
これ以降では、「大学がつまらなかった」「勉強についていけなかった」「病気をしてしまった」など、ポジティブに伝えることが難しい大学中退理由の回答例文を紹介します。
また、大学中退予定ではあるものの、退学届を出す前に就職活動を行っている人の回答例文も紹介しているので、参考にしてみてください。
【大学がつまらなかったので中退した場合の回答例文】
「受験で第一志望の大学に落ちてしまい、とりあえず大学は卒業しておこうという安易な考えですべりどめの大学に進学してしまったため大学に通う意味が見出せませんでした。奨学金を借りていたこともあり、このまま何となく大学に通うくらいなら、以前から関心の高かった接客業で働きたいと思い中退を決めました。今思い返すと、高校生の頃から何のために大学に行くのかを考えて進学すべきだったと反省しています。しかし、中退という結果にはなってしまいましたが、大学に進学したからこそ自分の将来について真剣に考えることができました。今は早く働いて接客のスキルを高めたいという気持ちでいっぱいです。」
大学がつまらなかったという中退理由を面接でそのまま伝えると、「仕事もつまらないと言って、すぐに辞めてしまうのではないか」と思われてしまうので、プラスの印象を与えられるように伝え方を工夫する必要があります。
自らに反省すべき点があれば、以下のように正直に伝えると、中退した理由を他人や環境のせいにする他責思考の人ではないと印象付けられて、面接官の信頼を得られます。
「大学を偏差値で選んでしまったため、どのようなことが学べるかを調べていませんでした。事前にしっかり調べておくべきだったと、反省しています。」
そして、仕事は同じ理由で辞めてしまうことがないと伝えるために、選んだ仕事や職業について、関心が高かったり、よく調べて選んだということを伝えましょう。
また、大学に入学したこと、大学在籍中のこと、大学中退したことから、学んだり、成長したことがないかを振り返ってみましょう。
学んだことや成長したことを、仕事でどのように活かすことができるのかを伝えると、一見するとネガティブな経験からも学んで活かすことができる人だと思ってもらえ、「仕事で活躍してくれるのでは」と期待してもらえるはずです。
【勉強についていけなかったので中退した場合の回答例文】
「中退した大学は、高校時代の私の学力より高いレベルでしたが、精一杯勉強し合格できました。入学後は、サークルやアルバイトなど充実した学生生活を送っていましたが、授業内容は難しくいくつか単位を落としてしまい、留年して親に迷惑をかけたくなかったので中退しました。テスト前は勉強も頑張っていたのですが、元々高いレベルの大学に進学したのだから、周りの友人より毎日もっと勉強しておくべきだったと反省しています。大学中退をしているので、仕事まですぐに辞めるようなことは絶対にしたくないと思っています。ですので、自分の「したいこと」だけでなく、「できること」や適性をよく考え、さまざまな企業や職業の中から、御社で△△職として働くことを希望させていただきました。大学中退の経験をしたからこそ、入社後は人一倍努力し、必要不可欠な人材になりたいと考えています。」
勉強についていけなかった場合は、努力不足とみなされることが多いため、「仕事にもついていけないのでは」と懸念される可能性があります。
そのような懸念を抱かせないためにも、まずは、勉強についていけるように努力したことや、辞めるまでの経緯について詳しく話して、やれるだけの努力はしたことを伝えておきましょう。
その上で、自らに反省すべき点があったのなら、反省を述べて、それらの反省点を今後の仕事でどのように活かすのかを前向きに伝えると、面接官にプラスのイメージを与えることができます。
【病気をしてしまったので中退した場合の回答例文】
「大学在学中に~の病気を患ってしまい、頑張って大学に通おうとしたものの、通学するのも難しくなり退学することにしました。退学後は一時的に入院をしたのですが、退院してからは順調に回復して、今現在はお医者様から働くことに問題のないレベルにあるといわれています。病気で大学中退することに悔しい思いもありましたが、病気を経験したときにたくさんの人に支えられたことで、私も人の役に立てる人材になりたいという思いが強くなりました。仕事では、社内外のスタッフやお客様に喜んでもらえるよう、どのような業務でも常にベストを尽くします。」
病気が理由の場合、やむを得ない理由ですので、面接官は納得してくれるケースが多いです。
しかし、雇ったとしても病気が理由で仕事ができない可能性があるので、業務に支障があるのか、どのくらい影響があるのかなどは気にされます。
業務に支障がなければ、その旨を伝えて、業務に影響があるのであれば、どのような影響があるのか事前に伝えておくことをおすすめします。
【大学中退予定の場合の回答例文】
「○○の分野に興味があり大学に入学したのですが、授業内容が広く浅く○○について学ぶことが多く興味を持ち続けることが難しく感じました。事前に授業内容をよく調べなかった私の責任なのですが、奨学金を借りて金銭的な負担が大きかったこともあり、4年間我慢して大学に通うよりも、退学をして早く△△職として働き、実践的なスキルを身につけたほうがよいと思い就職活動をはじめました。ただ、親からは、大学を辞めるなら就職先を決めてからにしなさいと言われ、私もそのほうがよいと思いましたので、退学届を出す前に就職活動をしています。調査不足で大学中退することになったので、仕事については事前にしっかり調べ、御社の業務内容や研修内容に魅力を感じ応募させていただきました。もし御社から内定をいただけましたら、すぐに大学に退学届を提出して、御社に入社したいと考えております。」
大学中退予定の人が企業に応募した場合、企業がもっとも懸念するのは「内定を出したとしても、中退をしない(入社しない)のではないか?」ということです。
中退をすることは心理的な負担が大きいので、実際に中退をするタイミングでやはり大学に通い続けようと判断する人もいるからです。
しかし、企業は、内定を出した後に入社しない人が出ると、再度採用活動を行う費用負担が発生したり、必要とする人員を確保できなかった場合は、そのまま少ない人数で仕事を行わなければならないので、そのようなリスクのある人を採用することに躊躇します。
大学中退予定で就職活動を行う場合は、
- 中退しなければならない説得力のある理由がある
- 就職が決まったら中退を必ずする、ということを伝える
ことが重要になります。
以下の記事では、大学中退理由の解答例文を20例紹介して、それぞれの解答例文について「なぜそのように回答するのか」解説しているので参考にしてみてください。
また、以下の記事には、採用面接で大学中退理由について聞かれた11人の方の、実際の質問と答えた内容を掲載しているので、参考にしてみてください。
面接での基本動作やマナー、当日の持ち物については、以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。
3-8. 空白期間について説明できるようにしておく
大学中退後に何もしていない空白期間がある人は、空白期間について質問される可能性が高いので、就業意欲が伝わる回答内容を準備しておきましょう。
空白期間に何もしていなかった人は、
「中退後の計画を立てていなかったためになんとなく過ごしていましたが、就職して親を安心させたいという思いが強くなりました。人生の計画を立てる重要さを身をもって学んだので、就職では将来のキャリアまで考え、○○のスキルが向上する御社を選びました。」
というように、正直に伝えた上で反省をどう活かしていくかや、入社後の目標などに繋げて前向きに締めくくりましょう。
また、就職活動をしていて空白期間ができた人は、ただ受からなかったと伝えるのではなく、
「大学中退を経験したからこそ、時間はかかっても自分の望むキャリアを築ける企業に就職したいと思い、〇か月就職活動をしていました。」
というように、目標を立てて就職活動していることを伝えましょう。
資格取得やボランティア、アルバイトなどをしていた人は、事実だけ伝えるのではなく、以下のようにその経験を仕事でどう活かすのか、なぜすぐに就職しなかったのかを加えて話すことがおすすめです。
「大学中退をした時点で就職活動を始めることも考えたのですが、自分の方向性が明確でないままでは、よい結果につながらないと思いました。そこで、空白期間というよりも自己研鑽の期間だと捉えて、〇〇の資格取得や〇〇のボランティア活動などに取り組んできました。そこで得た知識や経験は、御社で○○職として働く上でも役立つと思います。」
大学中退をしたので正社員就職した企業もすぐに辞めるようなことはしたくないと思っていました。そこで、自分の興味や適性を知ろうと思い、さまざまなアルバイトをしていました。アルバイトでは御社の商品を扱う機会があり、詳しく調べる中でこのような商品を広める仕事がしたいと思いました。空白期間はできたものの、御社を知ることができ、アルバイトを通じて御社で活かせるコミュニケーションスキルも身についたので、私に取って意味のある期間だったと思います。
3-9. 就職活動しながら資格取得に励む
大学中退者の就職活動が厳しい理由の一つに、「職歴や資格が無く即戦力にならないこと」があります。
若いうちは資格なし・職歴なしでも、将来性を期待して採用する企業はたくさんあるので、必ずしも資格を取る必要はありませんが、資格があれば、職種や待遇など希望に近い求人に採用される可能性が高くなります。
ただし、希望職種と関係の無い資格ではあまり意味がありません。
例えば、事務職の中でも給料が高めの経理なら「日商簿記検定2級」、不動産業界なら「宅地建物取引士」、ITエンジニアなら「ITパスポート」「基本情報技術者」というように、希望職種において需要のある資格を取得しましょう
また、大学中退者が資格取得をすることは、スキルのアピールができるだけでなく、以下のようなメリットもあります
- 中退から就職までの期間について「資格取得をしていた」と説明できる
- 希望職種への意欲が伝わる
- 資格取得するまでの努力がアピール材料になる
注意点として、時間をかけて勉強しても合格できない場合、空白期間ができて就職活動で不利になります。
資格を取得しても必ず採用される保証はないので、まずは資格なしで就職活動を始めて、内定が出ない場合に、就職活動をしながら資格取得を検討してみてください。
以下の記事では、大学中退者の就職に役立つ資格を詳しく解説しているので、よければ参考にしてみてください。
4. 大学中退者が就職するための求人の選び方
就職エージェントではその人に合った求人を紹介してくれますが、求人サイトやハローワークでは自分で応募する求人を選択します。
たくさんの求人がありますが、求人の選び方にもポイントがあります。
ここからは、大学中退者が就職するための求人の選び方について解説します。
4-1. 中途採用枠で求人を探す
求人サイトには、はじめて就職する卒業予定の学生向けの「新卒求人サイト」と、いわゆる中途採用の「転職求人サイト」があります。
見出し1-1でも説明したように、大学中退者は基本的に新卒採用求人には応募できないので、新卒求人サイトはあまり役に立ちません。
一方、転職求人サイトは転職者向けで、職歴の無い大学中退者は対象外だと思う人が多いですが、実は未経験歓迎の求人もたくさんあります。
中途採用求人には、フリーターや既卒、経験者など、さまざまな経歴や年齢の人が応募するため、大学中退の経歴があっても特別浮くようなことがありません。
そのため、大学中退者は中途採用枠に応募した方が、早く就職が決まりやすいです。
4-2. 「未経験歓迎」「学歴不問」「高卒以上」の求人を狙う
大学中退者は職種経験も正社員経験もないので、「未経験歓迎」「未経験可」といった記載がある求人への応募がおすすめです。
中途採用では、職種経験者や正社員経験者を募集している求人も多いですが、そのような求人に応募しても、経験者のライバルに経歴で大きな差を付けられてしまいます。
一方で「未経験者歓迎」としている求人では、「若手を一から育てたい」と考えていることが多く、職種未経験・正社員未経験でも採用される可能性が高いです。
また、大学中退者の最終学歴は「高卒」となるので、学歴条件に「学歴不問」や「高卒以上」の記載があるかもチェックしましょう。
学歴条件を「学歴不問」や「高卒以上」としている求人では、学歴よりも人柄や熱意を重視していることが多く、応募者自身をしっかり見てくれるので、大学中退者も採用されやすいです。
ただし、職種経験者を募集している求人でも、アルバイトの職種経験でOKな場合や、大学中退を「大卒」や「短大卒」として扱ってくれる場合もあります。
条件はクリアしていないがどうしても応募したい企業がある場合は、一度企業に問い合わせてみてください。
4-3. 大学中退者におすすめの求人サイトを利用する
求人サイトにはたくさんの種類がありますが、大学中退者に合った求人サイトを利用することが大切です。
まず大学中退者におすすめしたいのがリクナビNEXTです。
リクナビNEXTは、全国各地40,000件以上、未経験者向けの求人だけで8,000件以上もあるので、学歴で求人数が限られてしまう大学中退者にとてもおすすめです。
スカウト機能も用意されているので、大学中退者はプロフィールとしてアルバイト経験を書いて登録しておけば、企業側からオファーが届きます。
オファーがきた求人は、書類選考なしで面接に進めるので、リクナビNEXTを利用する場合は忘れずに登録しておきましょう。
もう一つのおすすめ求人サイトは、リクルートが運営する地方求人に強い求人サイトの「はたらいく」です。
掲載されている求人の約5割が従業員数50名以下、約6割が「転勤なし」もしくは「同じ都道府県内での転勤」となっており、他の求人サイトでは載っていないような地元の求人と出会うことができます。
また、はたらいくには「せきらら求人」という項目があり、例えば「年末は繁忙期で残業が多く大変だが、耐えてほしい」など、企業の本音が書かれているので、働き方がイメージしやすいと好評です。
応募の際に必要な自分の登録情報を使いまわすことができるので、毎回入力する手間が省けるのも魅力の一つです。
その他の、求人サイトや就職エージェントを以下の記事で紹介しているので、こちらもチェックしてみて下さい。
4-4. 経験より人柄を重視する職種を狙う
中途採用では、これまでの社会人経験をアピールすることが基本ですが、大学中退者は就職経験がないので、経験より人柄を重視する職種を検討してみてください。
たとえば、営業や販売、接客などの職種は、お客様への印象がよいことが第一に求められるので、経験よりも人柄が重視されます。
また、倍率は高いですが、事務は「未経験者可」の求人も多く、社内外の人とのコミュニケーション能力が求められる職種です。
大学中退者にとって、経験より人柄が重視される職種は、採用されやすいだけでなく、学歴関係なく実力や勤務態度で昇進・昇給しやすいというメリットもあります。
職種については、この記事の下でそれぞれの職種について詳しく解説しているので、チェックしてみてください。
4-5. 中小企業を中心に幅広く探す
大学中退者が早く内定を得るためには、中小企業を中心に広い視野で求人を探すことが大切です。
2012年の調査を見ても、大学中退者の65.2%は従業員数が1~299人の、比較的規模の小さい企業に就職していることがわかります。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 34)」2015年5月
日本には、約421万もの企業がありますが、そのうちの99.7%が中小企業で、大企業は0.3%しか存在しません。(参考:「最近の中小企業の景況について」)
大企業は規模が大きい分採用人数も多いですが、未経験者は、新卒採用で募集することが多く、大学中退者が応募する中途採用では募集が少ないです。
また、大企業が中途採用で求人を出したとしても、応募者が沢山集まるため、書類選考で学歴や経験を元にふるいにかけられます。
そのため、大学中退者は面接にたどり着けないことが多いです。
中小企業でも、学歴や経歴はもちろん見られますが、大企業よりハードルが低く、それよりも応募者の内面をしっかり見てくれる傾向があります。
大企業は、福利厚生や給与面が充実しているので魅力に感じますが、中小企業にも働きやすい環境が整っている企業がたくさんあります。
企業規模で絞りすぎず、広い視野でよい企業を探しましょう。
中小企業庁が定める、中小企業の定義は以下のようになっています。
- 製造業:資本金3億円以下又は従業者数300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下又は従業者数100人以下
- 小売業:資本金5千万円以下又は従業者数50人以下
- サービス業:資本金5千万円以下又は従業者数100人以下
4-6. 東京、大阪など都心部だけでなく、地方の求人も調べる
東京や大阪などの都心部には企業がたくさんあるので、求人もたくさんあります。
ですので、就職することだけを考えると、都心部のほうが就職しやすいです。
しかし、地方にも優良企業はたくさんあり、地方への就職を助ける手厚い支援がある都道府県も多いので、都心部だけにこだわらず地方の求人も探してみるとよいでしょう。
地方は、都会に比べて給料は少ない傾向にはありますが、通勤時間が短かったり、物価が安かったり、自然豊かで過ごしやすかったりとメリットも多いです。
このような環境で働くことが合っているのに、就職が有利だからという理由だけで都会に就職すると、後になって後悔したり、転職をすることになるかもしれません。
以下の記事で、都会と地方を比べながら、その地域での就職や生活について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
4-7. 就職できるならどこでもいいと投げやりにならない
ここまで、大学中退者の求人の選び方について解説しましたが、本当にやりたい仕事に挑戦することが何よりも大切です。
とりあえず採用されることを第一に考えた求人で就職できたとしても、関心の低い仕事では壁に当たった時にすぐに心が折れてしまい長続きしないからです。
自分のやりたいことが分からないという人も多いですが、
- 成果に対して報酬がもらえるとやりがいを感じる
- 人におもてなしをすることにやりがいを感じる
- 仕事内容が大変でも年収が高い仕事がしたい
- 収入が低くても無理のない働き方ができる仕事がしたい
など、自分がどのような仕事を求めているのかを一度整理して、仕事内容、勤務条件、給料、福利厚生などの優先順位を付けて求人を探すと、入社後のミスマッチが起こりにくいです。
もし、自分に合った求人を一人で見つけるのが難しい場合は、この記事の目次2-1「大学中退者に強い就職エージェントで就職支援を受ける」で紹介した就職エージェントを利用して、プロにアドバイスをもらいましょう。
5. 大学中退後に就職した先輩の体験談30件
実際に大学中退後に就職した人は、どのように就職活動を行ったのでしょうか。
大学中退後に就職した30名の先輩に、10項目の質問に沿って就職活動の体験談を作成してもらいました。
以下は、旅行業界に営業職として採用された「よう」さんと、自動車部品製造業に品質管理として採用された「ゆう」さんの就職活動体験談です。
- 1. ハンドルネーム
- よう
- 2. 就職活動をはじめたのは大学中退後何年目か?
- 大学中退後2年目
- 3. 大学中退後に採用選考に参加した企業数は何社?
- 4社
- 4. 内定をもらった企業の業界
- 旅行業界
- 5. 内定をもらった職種
- 営業
- 6. 一番多かった採用選考手順
- グループ面接含めた面接3回
- 7. 大学中退後の就職活動で心掛けていたことは何か?
- 大学を中退した理由を明確にしておき、「ネガティブな中退」ではなく「ポジティブな中退」として自分の中でしっかりPRできるようにしておくということです。
- 8. 大学中退後の就職活動で困難を感じたことは何か?
- 私の大学中退は自分磨きとやりたいことの実現のためという前向きなものでしたが、やはり「中退」というワードから連想できるように相手にネガティブなイメージをもたれてしまったことが困難に感じました。
- 9. 大学中退後、就職活動以外にしていた事
- バックパックをしながら海外を自分の目で見て感じること、世界各国の人と交流できるように語学力を上げることと資格の取得に重きを置いて過ごしていました。
- 10. これから就職活動をする大学中退者にアドバイスやメッセージをお願いします。
- 大学中退ということを如何にして「ポジティブなもの」「相手にネガティブに感じさせないか」と言うことが最大のキーポイントです。そのために、自分の言葉で意見やPRを明確に伝えられるように準備することが大事です。
- 1. ハンドルネーム
- ゆう
- 2. 就職活動をはじめたのは大学中退後何年目か?
- 大学中退後2年後
- 3. 大学中退後に採用選考に参加した企業数は何社?
- 10社
- 4. 内定をもらった企業の業界
- 自動車部品製造業
- 5. 内定をもらった職種
- 品質管理
- 6. 一番多かった採用選考手順
- 適性検査1回と面接2回
- 7. 大学中退後の就職活動で心掛けていたことは何か?
- なぜ大学を中退したか面接でぜったい聞かれるので、正直になぜやめたかを伝えるようにしました。中退してから学んだことをプラスに取ってもらえるように心掛けています。
- 8. 大学中退後の就職活動で困難を感じたことは何か?
- やはり中退なので4年制卒業と履歴書にかけないことから大卒以上の求人をだしている受けたい企業に応募できなかったことが厳しかったです。やはり面接官の見るべきところは学歴がありました。
- 9. 大学中退後、就職活動以外にしていた事
- 夜中にアルバイトをしていました。いつでも融通がきくので佐川急便での仕分け作業です。就職活動するにもお金は必要なので少しでもとお金を稼いでいました。
- 10. これから就職活動をする大学中退者にアドバイスやメッセージをお願いします。
- 大学中退はたしかにひとつの挫折の感はいなめません。そこは厳しい目で見られることも必ずあります。しかしそれから時間がたてばなんら気にすることはないです。就職してから必ず取り返せます。
ここでは2名の方の体験談をピックアップしましたが、以下の記事では30名の体験談を記載しています。
体験談を知ることで事前に対策できることがたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。
6. 大学中退をした女性は就職で不利になる?
ここまで、男女関係なく就職活動方法を紹介してきましたが、大学中退をした女性は就職で男性より不利になるのでしょうか。
男女雇用機会均等法の制定により、どの求人も性別関係なく応募できますが、産休育休や結婚による早期退職を理由に、男性を優遇している企業も残念ながらあります。
ギリギリの人材で運営している企業では、産休育休に伴う人員調整が困難であったり、早期退職による欠員の補充をする力が残っていないためです。
一方で、女性が多く働いている職種では、就職できる可能性がぐっと上がります。
以下の記事で、大学中退女性の就職活動方法やおすすめ職種、選べる9つの進路などについて解説しています。
大学中退女性の今後に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
大学中退女性のその後は幸せになれる?9つの進路と就職活動方法、結婚への影響を解説
7. 10代の大学中退者は就職で不利になる?
大学中退をして10代で就職活動を行う場合、年齢がネックになって就職が難しくなるのではと心配する人も多いです。
年齢が若いことによる影響は、よい面も悪い面もありますが、大学中退者の就職においては有利になることがほとんどです。
まず、よい面からお伝えすると、平成19年に雇用対策法が改正されてから、求人の応募条件で、年齢制限を行えないので、年齢が原因で応募できる求人が減ることはありません。
また、10代であろうと20代であろうと、企業から見た大学中退者は、最終学歴が高卒で、仕事未経験であることに変わりはありません。
むしろ、年齢は若ければ若いほど今後の成長に期待してもらえたり、職場にフレッシュな風を入れてくれるのではと前向きに捉えてもらえることが多いです。
一方で、落ち着いた人を採用したいと考える企業では、10代の人は仕事に対する意識の違いから頼りなく見られたり、職場の雰囲気に合わないと思われることがあります。
このような印象を解消するためには、履歴書や面接で強みである若さやフレッシュさだけをアピールするのではなく、協調性や成長意欲などもアピールして、今後に期待できると思ってもらうことが大切です。
注意したいのは、正社員を目指した就職活動がしたくないからと、フリーターになってアルバイトを続けてしまうことです。
フリーターの経験は、就職活動で評価されることが少ないため、フリーターを続ければ続けるほど、評価される仕事経験を積めないまま年齢が高くなり、就職するのが難しくなるので、正社員を目指すなら、なるべく早く就職活動に動き出すことが大事です。
8. 有名大学を中退したら、就職で有利になる?
東大や京大、慶応や早稲田など、偏差値の高い有名大学を中退した人には、起業して大成功した人もいますが、就職する場合は、有利になるのでしょうか?
有名大学を中退したとしても、最終学歴は高卒ですので、「高卒以上」「学歴不問」の求人にしか基本的に応募できません。
しかし、「高卒以上」「学歴不問」の求人においては、中退した大学の偏差値が高いほど、評価が高くなることがあります。
大学中退していると、継続力がない印象を持たれやすいですが、偏差値の高い大学を中退していると、少なくとも入学するまでは勉強を継続していたことが分かるからです。
また、学力があることの証明にもなり、論理的思考能力が高く、仕事でも成果を出してくれるのではないかと評価してくれる企業も多いです。
注意したいのは、「中退しているとはいえ有名大学に通っていたのだから、大学名だけで採用されるだろう」と、就職活動対策を怠ってしまうことです。
どれだけ偏差値の高い有名大学でも、中退すれば学位はありません。
中退というネガティブな印象よりも、有名大学に入学できたというポジティブな印象を強く持ってもらえるように、中退という事実を受け入れた上で、前向きに中退理由を話せるようにしておきましょう。
9. 大学中退者が就職している職種
ここまで大学中退者の就職活動ついて解説しましたが、実際にどのような職種に就職していることが多いのでしょうか。
以下の図は、大学中退者が就職した職種を多い順に表しているので、見てみましょう。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 35)」2015年5月 ※大学中退者には大学院中退者も含まれます。
大学中退者が就職している職種を多いものから見ると、
- 1位:サービス職 27.9%
- 2位:販売職 17.2%
- 3位:専門職・技術職 12.4%
となっていて、これらの職種で全体の6割近くを占めます。
特に、サービス職と販売職は、働ける業界が豊富にあり、募集人数が多いので、多くの大学中退者が就職しています。
大学中退者の就職活動でネックになるのは、
- 大学中退
- 最終学歴が高卒
- 職歴なし
というような経歴。
しかし、これらの職種であれば、経験や学歴に関係なく、人物重視で採用を行う企業を多く見つけられます。
また、専門職・技術職にも、多くの大学中退者が就職しています。
専門職・技術職では、求人の募集要項に知識や技術、資格の条件を設けず、入社してから人材を育てる企業が増えています。
大学中退者が初めから待遇のよい企業に入社できることは少ないですが、専門的な知識やスキルを得られると、そのスキルを活かしてキャリアアップ転職することも可能です。
また、万が一職場の雰囲気が合わない場合にも、同職種への転職がスムーズに進みやすいので、一つの企業に縛られないというメリットもあります。
一方、「輸送・機械運転・建築・採掘」や「運搬・清掃・包装等」の職種には、大学中退者があまり就職していません。
これらの職種は、仕事がキツイというイメージがあり、正社員として働き続けるには不安があることが、大学中退者が就職しない理由の一つです。
10. 大学中退者が就職しやすい職種
ここまで、大学中退者が実際に就職している職種を解説しましたが、大学中退者が就職しやすい職種はどれなのでしょうか。
ここからは、「職種未経験歓迎の割合が多い職種ランキング」と、「有効求人倍率が高い職種ランキング」から、大学中退者が就職しやすい職種を解説していきます。
まずは、求人の中で未経験歓迎求人が占める割合を職種ごとに分類した「職種未経験者歓迎の割合が多い職種ランキング」を見ていきましょう。
「職種未経験者歓迎」の割合が多い職種ランキング
- 1位:美容/ブライダル/ホテル/交通 94.7%
- 2位:販売/フード/アミューズメント 93.6%
- 3位:技能工/設備/配送/農林水産 他 90.3%
- 4位:保育/教育/通訳 90.1%
- 5位:医療/福祉 84.9%
- 6位:管理/事務 83.3%
- 7位:公共サービス 83.1%
- 8位:企画/経営 81.4%
- 9位:医薬/食品/化学/素材 80.1%
- 10位:コンサルタント/金融/不動産専門職 79.8%
- 11位:営業 78.4%
- 12位:クリエイティブ 73.1%
- 13位:電気/電子/機械/半導体 70.0%
- 14位:建築/土木 69.2%
- 15位:WEB/インターネット/ゲーム 57.1%
- 16位:ITエンジニア 48.6%
※出典:マイナビ転職 2017年11月7日調べ/職種はマイナビ転職上の分類に基づく
上記のランキングには学歴条件が大卒以上の求人も含まれますが、大学中退者の最終学歴は高卒なので、この結果より応募できる求人の割合は少なくなります。
しかし、未経験者歓迎の求人は豊富にあり、上記の職種の上位であるほど採用されやすいと言えます。
続いて、ハローワークが公表している「職種ごとの有効求人倍率」を高い順にランキングにしたものを見ていきましょう。
有効求人倍率とは、求人数をハローワークに登録している求職者数で割った値で、求職者1人に対して何人分の求人があるのかを示しています。
例えば有効求人倍率が2倍の場合、求職者1人に対して2件の求人があり、0.5倍の場合、求職者2人に対して1件の求人しかないということになります。
有効求人倍率が高い職種ランキング
- 1位:保安の職業 5.92倍
- 2位:建設・採掘の職業 5.42倍
- 3位:サービスの職業 2.40倍
- 4位:輸送・機械運転の職業 2.05倍
- 5位:生産工程の職業 1.93倍
- 6位:営業の職業 1.87倍
- 7位:専門的・技術的職業 1.79倍
- 8位:情報処理・通信技術者(ITエンジニア) 1.59倍
- 9位:商品販売の職業 1.56倍
- 10位:農林漁業の職業 1.24倍
- 11位:管理的職業 1.18倍
- 12位:運輸・清掃・包装等の職業 0.67倍
- 13位:事務的職業 0.38倍
これら二つのランキングから、販売・サービス・輸送・建設・生産工程・営業などの職種は、未経験歓迎求人が多く、有効求人倍率も高いので、大学中退者も就職しやすい職種と言えます。
一方で、近年は、大企業・中小企業を問わず昔のように就職できれば安泰とはいかないので、どこに就職しても転職や独立を視野に入れてスキルを磨いていかないといけない時代です。
仕事が合わずに転職する際は、即戦力を求められることが多いので、これまでの経験が活かせる職種への転職は有利になりますが、全く経験が無い職種への転職は難しい傾向があります。
そのため、「採用されやすいから」という理由だけでなく、スキルを磨いていきたいと思える職種や、需要の高いスキルが身につく職種、長く働きやすい職種を選ぶことが大切です。
有効求人倍率の出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年6月分)について」「参考統計表8-1」令和4年6月
11. 大学中退者におすすめの職種7選
大学中退者は正社員経験がないため、経験者を求めている求人には基本的に応募することができません。
しかし、ここまでで解説したように、実はさまざまな職種で職種未経験者を歓迎していて、大学中退者が応募できる求人はたくさんあります。
ここからは、「給料」「長く働きやすい」「就職しやすい」「専門的なスキルが身につく」の4項目を基準に選んだ、大学中退者におすすめの以下7職種を解説していきます。
- 営業職
- ITエンジニア職
- 公務員
- 事務職
- 生産工程職
- サービス職
- 販売職
職種ごとに、
- 仕事内容
- 求人募集の傾向
- メリット・デメリット
- 向いている人・向いていない人
- 平均年収
- 強みを持つ就職エージェント・求人サイト
の内容について解説しているので、仕事において重要視する項目に注目しながら、自分に合う職種を検討してみてください。
平均年収の出典:DODA「平均年収ランキング2021」 マイナビ「公務員の給料&年収は平均でどれくらい? 地方公務員・国家公務員の年収の差は?」
11-1. 「営業職」学歴を問わずチャレンジできる
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆営業職の主な職種☆
飲食料品営業員、不動産セールス、保険外交員、自動車販売営業員、MR(製薬会社の営業員)など
営業職は、企業の利益を上げることを目的に、商品やサービスを顧客に紹介する仕事です。
顧客相手が企業の場合はBtoB(Business to Business)、顧客相手が一般消費者の場合はBtoC(Business to Customer)と分類されます。
いずれの場合も、営業が契約を取り付けることで売上が発生するため、企業にとって欠かせない存在です。
営業成績によって報酬を渡すインセンティブ制度を設けている企業が多いので、向上心の高い人やたくさん稼ぐチャンスが欲しい人におすすめの職種です。
また、企業にとって必要不可欠な職種のため求人数が多いことや、特別な資格やスキルが求められないことから、未経験でも採用されやすいです。
営業職として働くと、コミュニケーション能力や市場リサーチ、商談の進め方など、ビジネスの基本を学べたり、社外に人脈を広げることができます。
一方で、ノルマや目標にプレッシャーを感じたり、顧客に高圧的な態度を取られたりと、ストレスを感じることも多いです。
営業の種類や企業よってノルマの多さやインセンティブの額が違うので、自分のストレス耐性や目標にあったものを選択しましょう。
新規開拓型の営業職は、精神的な負担が重いかわりに、歩合制の企業が多いので、自分の実力次第で昇進や高額な給料を目指せます。
ルート営業型の営業職は、インセンティブが低い傾向にあるものの、既存顧客への営業なので精神的なつらさは少なくなります。
営業職というと話し上手な人が求められると思いがちですが、一方的に話す人ではなく、相手の願望を聞き出す「ヒアリング力」と、相手の心を開く「コミュニケーション能力」を備えた人が重宝されます。
- 営業職のメリット
-
- 未経験で資格なしでも正社員就職しやすい
- 成果次第でインセンティブがもらえる
- 学歴関係なく実績で評価してもらえる
- コミュニケーション能力、アピール力、ビジネスマナーが身につく
- 営業職のデメリット
-
- ノルマがきつい場合がある
- 顧客の都合などで休日出勤や残業になることがある
- 成果が出せないと給料も精神面も不安定になる
- クレームを言われることがある
- 営業職に向いている人
-
- 成果が目に見えることにやりがいを感じる人
- 高い収入を得たい人
- 人と話すことが好きな人
- 全力で仕事をしてキャリアを重ねたい人
- 営業職に向いていない人
-
- 成果を回りと比べられたくない人
- 人と話すことが苦手な人
- プライベートな時間がたくさん欲しい人
- 営業職の平均年収
-
- 保険 401万円
- 不動産金融 434万円
- MR 713万円
- 営業職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- JAIC(ジェイック)(営業職の就職支援事業からスタートした就職エージェント。現在は、さまざまな職種の求人を扱うが、今でも営業職の求人に強みを持つ)
11-2.「ITエンジニア職」未経験からでも技術が身に付く
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★★☆(4/5) | 就職しやすい★★☆☆☆(2/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★★(5/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★★☆(4/5)
・就職しやすい ★★☆☆☆(2/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★★(5/5)
☆ITエンジニアの主な職種☆
プログラマー、システムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニア、webデザイナーなど
ITエンジニア職は、職種によって仕事内容が異なりますが、主にコンピューターを動かすためのシステムを設計する仕事です。
現在も需要が高いIT業界ですが、今後もますます需要が高まっていくと予想されており、スキルを身に着ければ転職や独立がしやすく、リモートワークなど柔軟な働き方がしやすい業界です。
ITエンジニア職は高度な知識や技術が必要なので、大学中退者は「求人の応募要件を満たせない」と思うことが多いです。
たしかに、経験者向けの求人が多いのは事実ですが、今現在、IT業界の成長が著しく人材不足が深刻なことから、未経験者OKや資格を問わない求人も見つかります。
入社後に知識や技術を身につけさせたり、企業が必要な資格のサポートをしてくれたりするので、応募時に資格や経験がない大学中退者でも目指せる職種です。
また、文系出身だから働くのは難しいと考える人もいますが、ITエンジニアはプログラミング言語を利用してコンピュータに命令を伝える仕事ですので、理系の高度な数学の知識が必要な場面は少ないです。
逆に国語や英語が得意で言語能力が高かったり、顧客の要望を聞くためのコミュニケーション能力が高い人が活躍していたりします。
実際に、文系出身で未経験からITエンジニアになった人にも、理系出身者と遜色なく活躍している人がたくさんいます。
ただし、経験や資格を問わない求人には下請け会社が多く、労働時間が長くなったり、給料が低くなりがちという側面もあります。
また、未経験歓迎としていても、研修制度が整っていない企業もあり、そのような企業では充分なスキルが身につかない可能性があります。
はじめから下請けでない企業に就職するのは難しいかもしれませんが、下請けの中でも研修制度や福利厚生が整っている企業もあるので、企業研究をしっかり行いましょう。
IT業界の仕事内容は多岐に渡るので、企業研究では、その企業で働くことで得られるスキルは何か、そのスキルの需要は高いかまでチェックしましょう。
- ITエンジニア職のメリット
-
- 需要に対して供給が追い付いていないので、未経験でも正社員就職できる
- 勤務時間、服装、勤務場所などの縛りが少なく、自由な働き方ができる企業が多い
- 平均給与が高い
- 転職や独立、副業に困らないスキルが身につく
- 学歴よりスキルの高さで評価される
- ITエンジニア職のデメリット
-
- ITの技術は進化が早いので、日々勉強しないといけない
- スピードが求められる業界なので、納期に追われることが多い
- 一日中パソコンを触るので目が疲れる
- 下請け企業は激務の可能性がある
- 下請け企業の給与は職種平均より低め
- ITエンジニア職に向いている人
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- ITに関心のある人
- 作業を効率化することが好きな人
- 仕事に困らないスキルを身に着けたい人
- 自分のスタイルで自由に働きたい人
- ITエンジニア職に向いていない人
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- パソコンに苦手意識がある人
- 人とたくさん関わる仕事がしたい人
- 勉強を続けることを苦痛に感じる人
- 納期に追われることを苦痛に感じる人
- ITエンジニア職の平均年収
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- テクニカルサポート 411万円
- システムエンジア(SE)・プログラマ 404万円
- webサービスエンジニア 413万円
11-3. 「公務員」受験資格に学歴条件がない職種が多い
給料★★★★★(5/5) | 長く働きやすい★★★★★(5/5) | 就職しやすい★☆☆☆☆(1/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★★★★(5/5)
・長く働きやすい ★★★★★(5/5)
・就職しやすい ★☆☆☆☆(1/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆公務員の主な職種☆
市役所職員、都道府県庁職員、警察官、消防官、税務職員、刑務官、入国警備官など
公務員は、国や地方公共団体などの職員のことで、職種は多岐に渡りますが、いずれも国民の生活をよくしたいという奉仕精神が求められます。
若い頃はさほど給料は高くありませんが、年功序列で確実に給料が上がっていくので、職種全体の平均年収は高いです。
また、福利厚生が充実しているのが特徴で、育児休暇や介護休暇などの長期休暇が取得しやすく、ライフスタイルが変わっても長く働きやすいです。
いずれの公務員も、公務員試験に合格する必要があり、平均1年程度勉強期間が必要と言われています。
公務員試験の受験資格は「年齢制限」だけの職種が多いですが、年齢が高くなるとなれない公務員の種類もあるので、興味がある大学中退者は、早めにチャレンジしましょう。
また、自衛官や海上保安庁で働くことを約束に、学費無料の学校で学びながら、国家公務員として給与がもらえる「大学校」や「学校」もあります。
大学中退者の中には、中退を後悔したり、学歴にコンプレックスを持っている人が多いですが、「大学校」や「学校」に通い卒業できれば、こういった思いを軽減できます。
公務員、大学校、学校については、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 公務員のメリット
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- 福利厚生が充実している
- リストラや倒産の心配がない
- 年功序列で確実に昇給する
- 経歴ではなく試験結果と人柄で採用されるので、大学中退者にも平等にチャンスがある
- 同じ公務員試験に合格すれば、高卒も大卒も同じ仕事内容を任される
- 公務員のデメリット
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- 公務員試験は出題範囲が広いので、1年程度は毎日勉強する必要がある
- 合格できないと、勉強期間がブランク期間となり、民間企業への就職に不利になる
- 成果に対する昇給やインセンティブがほとんどない
- 副業が禁止されている
- 20代は給料が低め
- 公務員に向いている人
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- 安定した生活を送りたい人
- 利益関係なく、国民の暮らしのために働きたい人
- 大学中退のコンプレックスをなくしたい人
- 公務員に向いていない人
-
- 成果に応じた報酬でたくさん稼ぎたい人
- 副業に関心のある人
- 試験勉強に本気で取り組む意思がない人
- 公務員の平均年収(一般行政職の場合)
-
- 地方公務員 約592万円
- 国家公務員 約667万円
11-4. 「事務職」女性の大学中退者に人気
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★★★(5/5) | 就職しやすい★★☆☆☆(2/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★☆(4/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★★★(5/5)
・就職しやすい ★★☆☆☆(2/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★☆(4/5)
☆事務職の主な職種☆
一般事務、医療事務、秘書、受付、経理事務、営業事務など
事務職は、どの世代の女性からも人気No.1の職種です。
他の職種の社員がスムーズに業務を行えるようにサポートする、「縁の下の力持ち」という言葉がぴったりな職種です。
営業職や販売職のように数字を追う必要がないので、他の職種と比べてプレッシャーを感じにくく、長く働きやすい職種です。
その分、平均給与は高いとは言えませんが、比較的残業や休日出勤が少なく、プライベートを充実させながら働きやすいです。
一方で、企業の利益に直結する職種ではないため、コストカットの対象になりやすく、非正規社員を雇用する企業が増えています。
事務職とひとまとめに言っても、以下のようにたくさんの職種があります。
- 一般事務…書類の作成・仕分け、電話・来客対応、郵便物の発送・仕分けなどの業務を行います。未経験でも始めやすい定型仕事です。
- 医療事務…医療機関の事務職で、受付業務や明細書・カルテの作成を行います。専門的なワードを覚える必要がありますが、資格がなくても未経験から始められます。
- 秘書…スケジュール管理、電話・メール対応、コピー、お茶出しなど、上司の業務を円滑に進めるための業務を行います。ビジネスマナーやコミュニケーション能力が求められます。
- 受付…来客対応を主に行います。ビジネスマナーや気配り、笑顔が求められます。資格のない未経験者OKの求人が多いです。
- 経理事務…経費精算や入金管理、予算編成など、企業のお金を管理する業務を行います。簿記資格や経験を求められることが多いです。事務の中では給料が高いことから、男性も多く働いている仕事です。
- 営業事務…書類作成や顧客対応など、営業職のサポート業務を行います。営業はしませんが、営業職や顧客と密接に関わるので、コミュニケーション能力が求められます。
この中でも、一般事務や秘書、受付といった特別なスキルが無くてもできる仕事は、非正規雇用でも応募が集まるため、特に正社員求人が少なくなりがちです。
事務職に正社員就職したい人は、「MOS」「簿記」「秘書検定」などの資格取得をするか、非正規雇用で経験を積むことを検討してみてください。
- 事務職のメリット
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- パソコンスキルを身に着けられる
- 平均残業時間が少ない
- ノルマがない
- 事務職のデメリット
-
- 競争率が高いため、就職活動が長引きやすい
- 経理事務以外は平均年収が低い
- 成果や努力が評価されにくい
- 事務職に向いている人
-
- パソコンスキルを向上させたい人
- プライベートを大切にしたい人
- ノルマのない仕事がしたい人
- 繰り返しの作業を正確に行える人
- 事務職に向いていない人
-
- 成果を出してたくさん稼ぎたい人
- 目に見える形で評価されたい人
- パソコンに苦手意識がある人
- 繰り返しの作業を苦に感じる人
- 事務職の平均年収
-
- 一般事務 335万円
- 医療事務 285万円
- 秘書/受付 326万円
11-5. 「生産工程職」モノづくりにたずさわれる
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★★☆(4/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★★☆(4/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆生産工程職の主な職種☆
食品製造工、化学製品検査工、金属検査工、機械組立工、自動車組立工など
生産工程職は、製造業界でモノづくりの仕事をする職種です。
具体的には、機械の組立や金属加工、食品やアパレル製造・検査などを工場で行います。
未経験でも簡単に覚えられる仕事から、熟練の技術や知識が必要になる仕事までさまざまで、技術や知識が必要な仕事ほど給料は高くなります。
高い給料を得たい人は、板金技能士やCADなどの専門的な資格を取得したり、知識のいる仕事を一から教えてくれる企業に応募しましょう。
大手企業の求人も多い生産工程職ですが、大手企業は非正規雇用やスキルが身につかない仕事も多いので、中小企業にも目を向けることをおすすします。
いずれの職種も正確さが求められるので、地味な作業でも丁寧に確認したり、物事をじっくり考えられる人に向いています。
男性の比率が高い職場が多いですが、肉体労働のほかに、商品梱包や食品の製造など、体力に自信のない人もできる仕事も豊富なので、女性にもおすすめできる職種です。
- 生産工程職のメリット
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- 夜勤に入ると給料が高くなる
- 勤続年数に合わせて昇給する企業が多い
- 残業が比較的少ない
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- 生産工程職のデメリット
-
- 速さと正確性が求められる
- 同じ作業の繰り返しが多い
- 生活リズムが不規則になることが多い
- 生産工程職に向いている人
-
- 人との関りが少ない仕事がしたい人
- 同じ作業をすることが苦にならない人
- ものづくりが好きな人
- 生産工程職に向いていない人
-
- 黙々と作業をすることが苦手な人
- 人とたくさん関わる仕事がしたい人
- 成果に応じた報酬が欲しい人
- 生産工程職の平均年収
-
- 機械・金属加工 365万円
- 生産管理 464万円
- 品質管理/品質保証 461万円
- 生産工程職職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- JAIC(ジェイック)
リクナビNEXT
工場求人ナビ(工場求人専門の就職支援サービス。全国の工場の、派遣や正社員求人を豊富にそろえる)
11-6. 「サービス職」大学中退者が1番多く就職している
給料★★☆☆☆(2/5) | 長く働きやすい★★☆☆☆(2/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★☆☆☆(2/5)
・長く働きやすい ★★☆☆☆(2/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆サービス職の主な職種☆
旅館・ホテルスタッフ、飲食店スタッフ、娯楽施設スタッフ、エステティシャン、介護職員、添乗員など
サービス職は、大学中退者が最も多く就職している職種です。
サービス職は、職種によって大きく仕事内容が異なりますが、顧客に形のないサービスや直接サービスを提供する仕事です。
どのような職種でも、直接顧客と関わるためやりがいを感じやすく、顧客に喜んでほしいというおもてなし精神や気配りが求められます。
また、未経験から始めやすいサービス業ですが、大手企業が多く、未経験者でも安心して働けるよう研修制度が整っていることが多いです。
大手企業は、法にのっとった働きやすい制度が整っているのも魅力です。
一方で、直接顧客と関わるため、クレームを言われたり高圧的な態度を取られることもあり、ストレスを感じやすい職種とも言えます。
また、職種にもよりますが、給料の上がり方が緩やかな企業が多く、年齢が上がったときに給料に不満を感じる人も少なくありません。
提供するサービスの内容だけでなく、ノルマの有無や平均年収、福利厚生、研修制度などを調べておきましょう。
- サービス職のメリット
-
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- お客様から直接感謝してもらえる
- 未経験者歓迎の求人が多い
- 実力主義の企業ではインセンティブがもらえる
- サービス職のデメリット
-
- 土日祝、年末年始、お盆といった世間一般の休日に休みにくい
- 大幅な昇給が見込めない企業が多い
- クレームを言われることがある
- 接客業以外で役立つスキルを身に着ける機会が少ない
- 立ち仕事が多い
- サービス職に向いている人
-
- 人に喜んでもらうことにやりがいを感じる人
- 人と関わることが好きな人
- 学歴ではなく実績で評価されたい人
- サービス職に向いていない人
-
- 人と関わることが苦手な人
- 高い年収を得たい人
- 土日祝、年末年始、お盆に働くことに抵抗がある人
- サービス職の平均年収
-
- フロント業務(宿泊施設・ホテル) 294万円
- ホール・サービススタッフ 292万円
- 旅行手配・ツアーコンダクター 335万円
- サービス職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- JAIC(ジェイック)
リクナビNEXT
介護畑(介護職専門の就職支援サービス。介護の資格を無料で取得できる)
11-7. 「販売職」大学中退者が2番目に多く就職している
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆販売職の主な職種☆
家電販売員、携帯ショップ店員、アパレル販売員、スーパー販売員、百貨店販売員など
販売職は、大学中退者が2番目に多く就職している職種です。
来店したお客様に、自社の商品を勧めて販売する仕事なので、人との会話を楽しめる人や、おもてなし精神が強い人に向いています。
サービス職同様、未経験でも大手企業に正社員就職できるチャンスがあり、大手企業では充実した福利厚生を提供している企業が多いので働きやすいです。
また、未経験から始めても、店長クラスになれるチャンスがあり、店長クラスまでは他の職種より昇進しやすいというメリットがあります。
一方で、店長クラス以上の昇進は、エリアマネージャーや本社社員など人数に限りがある役職ばかりなので難しく、大幅な昇給は見込めないために不安を感じる人もいます。
昇給を求めて転職をしようとしても、接客スキル以外に得られるスキルが少ないので、接客業以外の業種への転職が難しいという点も知っておくべきでしょう。
また、直接顧客の喜んでいる姿を見られるのでやりがいを感じやすい反面、直接クレームを言われることもあり対人ストレスが大きいという一面もあります。
企業によって、ノルマの有無や福利厚生の充実度、土日祝の休みやすさなどが異なるので、企業研究をしっかり行いましょう。
- 販売職のメリット
-
- 未経験者歓迎の求人が多い
- 実力主義の企業ではインセンティブがもらえる
- お客様から直接感謝してもらえる
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- 平日に休みやすい
- 販売職のデメリット
-
- 大幅な昇給が見込めない企業が多い
- ノルマがきつい場合がある
- 立ち仕事が多い
- クレームを言われることがある
- 土日祝、年末年始、GWなど世間一般の休日に休みにくい
- 販売職に向いている人
-
- 学歴ではなく実績で評価されたい人
- 実力を目に見える形で評価されたい人
- 人と話すことが好きな人
- 体力に自信がある人
- 販売職に向いていない人
-
- 人と話すことが苦手な人
- 体力に自信がない人
- 売り上げで比べられたくない人
- 他業種でも役立つスキルを身に着けたい人
- 販売職の平均年収
-
- 店長・販売スタッフ 325万円
- 販売職に強い就職エージェント・求人サイト
税理士や公認会計士、社会保険労務士や行政書士など、士業の仕事も大学中退者におすすめできます。
士業の資格は難関ですが、取得できれば資格を活かして就職活動ができるので、大学中退の学歴がハンデになることがほとんどなくなります。
また、士業の資格を持っている人だけができる独占業務もあることから、就職後は安定して働き続けられる仕事が多いです。
士業の仕事については、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にしてみてください。
12. 大学中退者が就職した時の給料額
ここまで大学中退者の就職活動について解説しましたが、就職するとどのくらい給料が貰えるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで、「大学中退後に、はじめて正社員就職した初年度の年収」について、アンケートを行ったので結果を見ていきましょう。
1位は251~300万円で、大学新卒の初年度平均年収と同等程度であることが分かりました。
1位と僅差の2位151~200万円は、高卒の初年度平均年収と同等程度なので、大学中退者は高卒か大卒いずれかと同じ程度の年収を得ることができるようです。
しかし、初年度の平均年収は大卒、高卒、大学中退者ともに大差はありませんが、残念ながら年齢が上がっていくほどに大卒との差が開いていく傾向があります。
厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、大学や大学院を卒業した場合、全年代の平均月収は男性で39万円、女性で28万円とされています。
一方で高卒の場合、男性で28万円、女性で20万円が平均月収とされていて、男女ともに10万円前後の差があります。
また、月収だけではなく賞与にも差が開くことから、大学・大学院卒の場合、男性の生涯賃金は2億5440万円、女性が1億9,750万円が平均なのに対し、高卒では男性が1億9240万円、女性1億2550万円が平均となっています。(労働政策研究研修機構「ユースフル労働統計 2014」)
生涯年収においては、大卒と高卒で男女ともに5000万円前後の差があります。
このような解説を聞くと、就職意欲が薄くなるかもしれませんが、正社員就職の機会を逃してフリーターを続けてしまうと生涯年収はさらに低くなってしまいます。
また、これは全ての職種の平均です。
どのような学歴でも、経験を積んでキャリアアップ転職をしたり、インセンティブが入る職種を選ぶなど、努力次第で平均以上の年収を得ることが可能です。
大学中退者が大卒や短大卒扱いになることも
大学中退者は、企業から高卒として扱われることが多いですが、「大学での在籍期間」や「人物評価」によって、大卒として扱われたり、短大卒として扱われることがあります。(※)
求人応募の段階で、「大卒以上」の求人に応募できることは少ないですが、中には応募を許可してくれる企業もあるので、就職したい企業があるのでしたら、事前に問い合わせてみるのもよいでしょう。
入社後に、大卒や短大卒扱いにしてもらえれば、高卒者よりも昇格や給与面で優遇してもらえる可能性があります。
※出典:リクルートエージェント「人事担当者に聞く「大学中退者の扱い」は?」
13. 大学中退者は離職率の高い業界を避けるべき?
皆さんが実際に仕事を行う可能性のある企業には、離職率の高い業界に分類される企業もあります。
ここからは、大学中退者は離職率の高い業界を避けるべきなのかを、産業別の入職率・離職率や平均年収と照らし合わせながら解説していきます。
働きやすい企業の特徴も解説するので、離職率の高い業界に関心のある人や、企業選びのポイントを知りたい人は参考にしてください。
13-1. 産業別の入職率・離職率
以下の図は、厚生労働省が調査した「令和2年の産業別入職率と離職率」を、離職率が高い順に並べ変えたものですので見ていきましょう。
※産業別入職(離職)率とは、特定の産業の全労働者に対する、新たに就業(離職)した労働者の割合。
出典:厚生労働省「産業別の入職と離職(図3-1)」令和2年(2020年)
離職率の高い業界の上位4位は以下の通りで、いずれも、サービスの対象が法人ではなく個人の消費者という共通点があります。
- 1位:宿泊業・飲食サービス業 26.9%
- 2位:他に分類されないサービス業(廃産物処理・自動車整備・職業紹介・労働者派遣業・宗教など) 19.3%
- 3位:生活関連サービス業(洗濯・理容・美容・浴場業・娯楽業) 18.4%
- 4位:教育・学習支援 15.6%
個人の消費者を対象とした業界の離職率が高い理由としては、
- 世間一般の休日(土日祝、年末年始、お盆)に働かないといけない
- クレーム対応をしないといけない
- 勤務時間が不規則な場合がある
といったことが挙げられます。
一方でメリットもあり、
- 未経験でも始めやすい
- シフト制で柔軟に働ける
- 華やかな職場が多い
といったことから、入職率が高いのも特徴です。
13-2. 離職率は平均年収に関係している
業界の離職率は、その業界の平均年収が大きく関係しています。
国税庁による「令和元年分民間給与実態統計調査結果」で、業界ごとの平均年収を見てみましょう。
- すべての業界の平均年収
- ・約436万円
- 離職率の低い業界の平均年収
-
・金融業・保険業 約627万円
・複合サービス事業 約411万円
・情報通信業 約598万円
・製造業 約513万円
- 離職率の高い業界の平均年収
-
・宿泊・飲食サービス業 約259万円
・サービス業 約359万円
・不動産業・物品賃貸業 約423万円
・卸売業・小売業 約375万円
となっていて、離職率の低い業界は平均年収が高めで、離職率の高い業界は平均年収が低めであることが分かります。
どのような仕事にも大変なことはありますが、仕事が辛いと感じたときに、給与が低かったり、昇給が見込めないとモチベーションが保ちにくいからです。
また、給与が低いと、転職しても大幅に給与が下がることがないので、転職に抵抗がなくなってしまうことも、離職率の高さに繋がっていると言えます。
そのため、仕事を選ぶときは、どの程度給料を重視するのかをしっかり考えた上で決めると、早期離職しにくいと言えます。
13-3. 離職率が高い業界の企業=ブラック企業ではない
ここまで業界別の離職率について解説してきましたが、離職率の高い業界の企業=ブラック企業ではありません。
ブラック企業の特徴として、
- 残業が多い
- 休日が少ない
- 職場の雰囲気が悪い
- ノルマがきつい
などが挙げられますが、宿泊業やサービス業、小売業など離職率が高いとされる業界でも、働きやすい環境が整った企業はたくさんあります。
逆に、金融業・保険業、情報通信業などの離職率が低いとされる業界でも、残業が多く、ノルマがきつい企業もあります。
業界ごとの離職率の高さが、企業選びの一つの目安となるのは事実ですが、それだけを見て関心のある仕事を諦める必要はありません。
ただし、上記で解説したように、離職率の高い業界の平均年収が低いことは事実なので、高収入を目指している人は、平均年収の高い業界を選ぶのも一つの手です。
13-4. 働きやすい企業の特徴
離職率が企業選びの目安にしかならないのであれば、どうすれば働きやすい環境の求人を見つけられるのでしょうか。
ここからは、働きやすい企業の特徴を4つ解説します。
- 残業時間が明確
- 求人に平均残業時間が記載されていたり、面接で「月に20時間ほど残業してもらう可能性がありますが大丈夫ですか」と質問をしてくるなど、明確な残業時間を示している企業は、入社後のギャップを減らす努力をしています。
実際の残業時間は、事前に提示されていた残業時間と同じ程度のことが多いです。 - 年間休日数が120日前後
- 企業全体の平均年間休日数は120日と言われています。
土日祝、お盆、年末年始を休むと120日前後となるので、ある程度プライベートな時間を作るためには必要な休日数です。 - 昇給・賞与実績が記載されている
- 求人に昇給・賞与の実績が記載されている企業では、入社後も記載内容に近い待遇を受けられることが多いです。
- 基本給が高い
- 成果に対して支払われるインセンティブや賞与は、企業や個人の利益によって変動するので、あまり安定していません。
対して基本給は決められた額が必ず支払われるので、基本給が高い企業は生活が安定します。
離職率が高いとされる業界でも、これらに当てはまる企業では、働きやすい可能性が高いです。
それなりに従業員数がいる企業は、企業の口コミサイトに従業員のリアルな口コミが書かれているので、職場環境の参考にしてみてください。
14. 大学中退者は就職する際に中退の証明書が必要?
大学中退後に就職した100人の方に、就職する際に学歴の証明書を求められたかアンケートを取った結果が以下ですので、見てみましょう。
大学中退者は、最終学歴が高卒になるので、高等学校の卒業証明書を求められるケースと、大学中退の証明書を求められるケース、めったにはありませんが、両方を求められるケースがあります。
また、就職時に学歴の証明書を求められないケースも多いことがアンケート結果からわかります。
大学中退の証明書を求められた場合は、退学証明書を提出するのが一般的です。
まだ退学手続きが完了していない場合は、成績証明書や在学証明書を提出することができます。
これらの証明書は、学校で受け取ることもできますし、郵送で送ってもらえる場合も多いです。
証明書の見本や証明書の詳しい発行方法については、以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
大学中退者は就職時に退学証明書が必要?中退を証明する書類4種類と発行方法
15. まとめ
考え方の多様化が広がっている現代は、以前に比べて大学中退へのマイナスイメージが減ってきています。
就職活動を成功させるには、自分に自信を持って面接に臨むことが大切です。
まずは大学中退を振り返り、「あの時は中退するしかなかった」「中退という失敗をしたから成長できた」など、自分の中で大学中退を受け入れることから始めましょう。
また、就職エージェントやハローワークなど様々なサービスを利用して、一人で悩まずに効率よく就職活動を行いましょう。
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リクナビNEXTは、大学中退者の利用者が多い人気求人サイトです。 様々な職種や地域の求人に加え、他では得られない大企業の求人も充実しています。 |
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というような質問に、就職支援15年以上の経験を元にお答えします。
また、必要な方には、大学中退者が応募できる未経験歓迎の正社員求人を紹介することもできます。
ご相談したい方は、以下の記事の下にあるフォームよりお申し込みください。
岸 憲太郎
株式会社ウェイズファクトリー代表取締役。
15年以上の就職支援経験を通じて、多くの採用担当者や求職者と情報交換をしてきました。
それらの経験を社会に還元していくために、情報発信を行っています。
詳しいプロフィールは、こちらをチェックしてみてください。
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- 「就職支援会社のジェイックで、大学中退者の就職支援責任者をされている小久保友寛さんに取材しました。」
- 「公認会計士・税理士として大活躍中の、小松秀一朗さんに取材しました。」
- 「手に職をつけられる仕事の紹介」
- 「大阪航空専門学校に取材してきました」
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