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最終更新日: 2023年5月29日
大学中退その後の就職方法と進路12選、おすすめ13職種を紹介
大学中退をすると就職できないと言われることもあり、中退後の人生に不安を感じる人が多いです。
しかし、2023年現在、多くの企業で若者が不足していることから、経歴より将来性を期待して採用する企業が増えています。
そのため、大学中退者の就職活動の現状を把握し、一つ一つ対策すれば、大学中退者も正社員就職できます。
この記事では、企業の採用担当者数百名と情報交換してきた経験を元に、大学中退者が簡単に就職できない6つの理由と、大学中退者が正社員就職する方法を解説します。
また、大学中退をしたその後に選べる進路12選と大学中退者におすすめの職種13選、実際に大学中退後に就職した人の体験談も紹介するので、参考にしてください。
大学中退者に人気の就職エージェント
ジェイック就職カレッジ
サービス内容 | 大学中退者向けの就職支援を行っており、大学中退者を採用したい企業の求人紹介や履歴書、面接対策をしてもらえます。 |
---|---|
紹介求人 | 営業、広告・メディア、メーカー、商社、IT通信系、経理、事務等 |
対象地域 | 全国 |
特徴 | ・就職支援実績は23,000人以上 ・就職成功率は81.1%(大学中退者に限ると90.7%) ・入社後定着率は91.3% ・厚生労働省から有料職業事業者に認定 |
目次
- 大学中退者の就職率は33.9%
- 大学中退者が簡単に就職できない6つの理由
- 大学中退者が正社員就職する方法
- 大学中退者が就職するための求人の選び方
- 大学中退後に就職した先輩の体験談30件
- 大学中退をした女性は就職で不利になる?
- 大学中退と高卒では、どちらが就職に有利?
- 大学中退者の「大学中退率」と「大学中退理由」
- 大学中退した学年別の割合
- 大学中退者のその後の現実
- 大学中退その後に選べる進路12選
- 大学中退者が就職している職種
- 大学中退者におすすめの職種13選
- 大学中退者が就職した時の給料額
- 10代の大学中退者は就職で不利になる?
- 有名大学を中退したら、就職で有利になる?
- 大学中退者は離職率の高い業界を避けるべき?
- 大学中退者は就職する際に中退の証明書が必要?
- 大学を退学するための手続き方法
- 大学中退は人生終了?クズ?大学中退してよかったと思っている人の特徴
- まとめ
1. 大学中退者の就職率は33.9%
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、2012年に20~29歳であった大学中退者(大学院中退者含む)692名の、正社員就職までの期間と割合は以下のようになっています。
正社員就業までの期間 | 割合(%) |
---|---|
離学前 | 0.9 |
離学から3か月以内 | 10.4 |
3年以内 | 11.8 |
3年超 | 2.7 |
正社員時期不明 | 8.1 |
正社員移行なし | 45.7 |
就業形態不明 | 6.5 |
未就業 | 13.9 |
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 21)」2015年」
表の中で黄色で示した、全ての期間の正社員就職した人の割合を合計すると、大学中退者の正社員就職率は33.9%となります。
同じ年齢の大卒の正社員就職率は69.1%ですので、大卒と比べると半分程度しか正社員就職できていません。
この結果には、就職活動をしていない人も含まれるので、就職活動をした人だけでデータを取ればもう少し就職率は上がるはずです。
しかし、大学中退者の45.7%が非正規雇用、13.9%が未就業ですので、6割ほどの大学中退者は正社員になれていない現実があります。
上記の調査の、高卒の就職率を見てみると62.4%です。
大学中退者は33.9%でしたので、大学中退者は高卒の人よりも就職率が低いことがわかります。
2. 大学中退者が簡単に就職できない6つの理由
「中退後の就職活動での困難・不利益」について、調査した結果が以下の図ですので見てみましょう。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 104)」2015年5月
大学中退者が就職活動で最も困難に感じていたのは、学歴が原因で求人に応募できなかったり、選択できる職業や企業規模が限定されてしまうことです。
また、面接で大学中退理由を聞かれて、適切な返答ができずに困難を感じている人が多いこともわかります。
ここからは、上記のアンケート結果を踏まえて、大学中退者が簡単に就職できない6つの理由を見ていきましょう。
2-1. 最終学歴が高卒なので、応募できる求人が限定される
【ゆうさんの体験談】
やはり中退なので4年制卒業と履歴書にかけないことから大卒以上の求人をだしている受けたい企業に応募できなかったことが厳しかったです。やはり面接官の見るべきところは学歴がありました。
「大学中退後に就職した先輩の体験談30件」より
最終学歴とは「最も高い水準の教育機関を卒業した経歴」を指すので、大学中退者の最終学歴は「高卒」です。
応募条件が「大卒以上」の求人には基本的に応募できなくなるので、大卒に比べると応募できる求人数が少なくなります。
また、新卒採用の求人に応募することも難しいです。
新卒採用とは、卒業見込みの学生を対象とした採用のことで、毎年多くの企業が、4月入社を目標に大量の新卒採用求人を出します。
新卒採用求人では、正社員の就業経験がないことを前提として、将来性に期待して採用するので、正社員経験のない人には魅力的な求人です。
国の方針で、卒業から3年以内は新卒扱いにすると決まったので、高校卒業から3年経っていない大学中退者は高卒として新卒枠に応募できますが、大卒向けの新卒求人には基本的に応募できません。
また、高校卒業予定の新卒は、学校で企業に推薦してもらうことが多いので、大学中退者が高卒の新卒枠に応募できるようになっても、活用できる求人は少ないでしょう。
2-2. 大学中退理由を面接で必ず聞かれる
【あかねさんの体験談】
やはり大学をなぜやめなければならなかったのかというのを凄く指摘されたりして、面接で重い雰囲気になったりして採用は難しいのかなと感じたことでした。
「大学中退後に就職した先輩の体験談30件」より
大学中退者にマイナスのイメージを持つ面接官は多いので、面接では大学中退理由についてほぼ100%質問されます。
しかし、本人も大学中退したことを後悔していたり、できればしたくなかったなど、マイナスの印象を持っていることが多いため、面接でプラスの印象を与える回答ができず採用に至らないケースが多いです。
また、事前に回答内容を考えていても、面接官が大学中退理由を重視している場合、深堀りして質問することがよくあるため、そこで言葉に詰まってしまう人もいます。
2-3. 中途採用求人に応募するので、即戦力が求められる
【男性/21 歳/大学中退者の体験談】
新卒であれば未経験で当たり前だが、中途採用しかないので、経験有無の壁が大きい。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 183)」2015年5月
大学中退者は、基本的に新卒採用の求人に応募できないので、中途採用の求人に応募します。
しかし、中途採用求人の多くは、欠員補充を目的としているので募集人数は少ないことが多いです。
また、人材育成にかかる時間とコストの削減や、自社にない新しい知識の獲得を目的に、即戦力の経験やスキルを求める企業が多いです。
ほとんどの大学中退者はアピールできる経験やスキルを持っておらず、企業が求める人材とマッチしくいため、なかなか採用に至りません。
同じ求人に応募しているライバルが経験者であることも多く、経歴に差がある状態で就職活動しないといけないことも、大学中退者の就職を難しくしています。
2-4. 仕事を継続する力がないと思われる
【ゆりなさんの体験談】
学歴が無い事で内定を頂く事が難しかったし面接官の方に「大学卒業していないでお仕事は真面目に出来るの?」ときつい言葉を頂いたので就職活動は困難だと思いました。
「大学中退後に就職した先輩の体験談30件」より
大学中退にはさまざまな事情があることは、企業の採用担当者も分かっていますが、
「大学を途中で辞めたように、仕事も辛い状況になるとすぐに辞めてしまうのではないか」
と、仕事を継続する力がないことを不安視されます。
企業は採用活動や人材育成にたくさんの時間と費用をかけているので、企業に貢献する前に辞められると、その人に費やした時間と費用が無駄になってしまいます。
そのような事態を避けるために、大学中退者のような早期離職の可能性が高い人材の採用に慎重になる企業が多いです。
2-5. 中退後に空白期間ができてしまう
【リッツさんの体験談】
大学を中退してから就職活動を始めるまでに期間が空いてしまったので、劣等感はもちろん、面接試験で「大学を中退していた期間は何をしていたのですか?何かを目指して勉強していたのですか?」という面接官の常套句に、自信を持って答えられないことが多々あり、就職活動を始めて最初の頃は、なかなか内定をもらえませんでした。
「大学中退後に就職した先輩の体験談30件」より
大学中退者は、就職先を決めずに大学中退をする人がほとんどですので、大学中退後にニートやフリーターをしている人がたくさんいます。
そのようなニートやフリーター期間は、空白期間と呼ばれ、就職活動では「計画性がない」「仕事への意欲がないのでは」「採用に至らない理由があるのでは」などと思われ、印象がよくありません。
面接では、「その期間何をしていたのか」「なぜ正社員就職しなかったのか」といったことを聞かれます。
実際のところ、深く考えていなかったり、何度か就職活動をしたものの、就職が決まらなかったといった人が多いですが、面接でそのまま伝えると悪い印象を与えてしまい、採用につながりにくくなります。
2-6. 就職活動について相談できる人が少ない
【女性/21 歳/大学中退者の体験談】
就職活動の仕方が分からなかった。相談出来る相手がいなかった。知識不足。自信が持てず、面接を受ける勇気が出なかった。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 179)」2015年5月
大学在学中の就職活動では、大学で就職活動の講義が行われたり、面接対策や履歴書対策、個別の進路相談など、様々なサポートが受けられます。
また、周囲の友人も就職活動をしているので、悩みや情報を共有することができます。
一方で大学を中退すると、大学のサポートが受けられず、周囲に就職活動をしている人も少ないため、就職活動の情報が不足しがちです。
このような就職活動情報が不足してしまうと、対策が充分にできていないために長所をうまく伝えられず、なかなか採用にいたりません。
3. 大学中退者が正社員就職する方法
3-1. 大学中退者に強い就職エージェントで就職支援を受ける
大学中退者は、基本的に一人で就職活動を行うので、情報不足で万全な対策ができなかったり、大学中退者を歓迎していない求人に応募して不採用が続き、挫折してしまうケースが多いです。
そのような事態を避け、早くスムーズに内定を得るためには、大学中退者の就職率が高い就職エージェントで就職支援を受けることが大切です。
大学中退者の就職率が高い就職エージェントでは、「大学中退」「未経験」に理解がある企業の求人を紹介してくれるので、自分で中途採用求人を探すより圧倒的に内定を得やすくなります。
他にも、就職活動に慣れていない大学中退者に役立つ、
- 履歴書添削や模擬面接などの就職活動サポート
- カウンセリングで応募者の希望条件の明確化、不安解消
などをすべて無料で受けられます。
ここからは、大学中退者の就職率が高い就職エージェントの中でも、利用者の満足度が高いエージェントを人気順に3つ紹介します。
現在はどの就職エージェントもオンラインでサービスを提供していて、気軽に利用できるので、いくつか利用して相性の良いエージェントを見つけましょう。
- ジェイック就職カレッジ
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ジェイック就職カレッジは、就職成功率81.1%(大学中退者に限ると90.7%)、就職先定着率91.5%の実績を出している、大学中退者やフリーターの就職に特化した就職エージェントです。
ジェイック就職カレッジの特徴は、就職エージェントの中で唯一、大学中退者に特化した就職講座が用意されているところです。- 大学中退者向けの履歴書、面接対策
- 大学中退者が就職活動でつまづきやすいポイントの解説
- ビジネスマナー対策
紹介される求人は、ブラック企業を排除した正社員求人のみなので、正社員として安定して働きたい人はぜひ利用してください。
今現在、全てのサービスをオンラインで利用することができます。
取り扱い求人の勤務地:全国に対応
- ハタラクティブ
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ハタラクティブは、業界トップクラスの2,300件以上の未経験者向け求人を保有し、就職率80.4%の実績を出している、未経験者向けの就職エージェントです。
カウンセリングが丁寧なので、まだ希望職種を絞れていない人の相談や、希望条件に合った求人紹介に定評があります。
ハタラクティブは、他の就職エージェントに比べて、大手企業への就職に強いという特徴もあります。
正社員登用を前提とした求人がメインではありますが、派遣社員や契約社員の求人も扱っているため、正社員希望の人は事前にその旨を伝えておくとよいでしょう。
取り扱い求人の勤務地:東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・愛知・福岡が中心
- 就職Shop
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就職Shopは、業界大手のリクルートが運営する、未経験者向けの就職エージェントです。
100%取材訪問した企業の求人だけを取り扱っているので、「経営者の考え方」「職場の雰囲気」「仕事のやりがい」「具体的な仕事内容」など、求人を見ているだけではわからない情報を教えてもらえます。
そのため、企業ごとの志望動機に説得力が増して内定を得やすかったり、入社後のミスマッチが起こりにくいです。
紹介される求人は、すべて書類選考不要なので、就職活動の時間と負担を大幅に減らすことができます。
取り扱い求人の勤務地:東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫が中心
その他の就職エージェントや求人サイトを以下の記事で紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
3-2. 転職エージェントと就職エージェントを使い分ける
エージェントには、就職エージェントの他に、「リクルートエージェント」や「doda
」などの転職エージェントがあります。
転職エージェントの主な対象者は、正社員などの経験者ですので、経験者向けの求人を豊富にそろえ、在籍するキャリアアドバイザーからは、経験者の転職活動の相談に適切なアドバイスをしてもらえます。
ですので、大学中退後に正社員などの経験がある人は、転職エージェントの利用もおすすめです。
一方で、経験者向けの求人に比べると未経験者向けの求人は少なく、利用者に大学中退で未経験という人が少ないため、このような人向けに適切なアドバイスができるキャリアアドバイザーは少ない傾向にあります。
上で紹介した就職エージェントでしたら、未経験者向けの求人を多く扱い、キャリアアドバイザーも大学中退者の事情に詳しい人が多いので、正社員などの経験がない大学中退者には、就職エージェントがおすすめです。
また、就職エージェントは、就職後早期退職した第二新卒者も主な対象者としているので、経験の浅い若者向けの求人も多くそろえています。
就職してから3年以内に退職して転職活動を行う場合も、就職エージェントが活用できます。
3-3. たくさんの求人を見たい人はハローワークも利用する
就職エージェントの利用だけで就職が決まる人も多いですが、さらにたくさんの求人が見たい人はハローワークも利用してみましょう。
ハローワークは、地元の中小企業や、さらに規模の小さい零細企業の求人が豊富なので、地元で働きたい人におすすめです。
一部のハローワークでは、わかものハローワークなどの名称で、34歳以下の若者を対象にした就職支援を行っていて、
- 正社員経験がない、または少ない人のアピール方法
- 模擬面接や履歴書添削
- 資格取得や技術を身につけられる職業訓練の紹介
- 常駐の相談員との就職活動の相談
など、就職エージェントほど時間は割いてもらえないものの、通常より手厚い就職サポートが受けられるものもあります。
ただし、ハローワークは地元の小さな企業の求人が見つかりやすい反面、基本的にどのような企業でも無料で求人を掲載することができるので、ブラック企業には注意する必要があります。
また、ハローワークは、全世代の就職活動サポートを行っているため、「大学中退者の就職活動対策」というよりは一般的な就職活動情報を教えてもらえると思っておきましょう。
ハローワークについては、以下の記事でより詳しく解説しているので、こちらもチェックしてみてください。
3-4. 面接で中退理由をポジティブに伝える【回答例文あり】
大学中退者が就職活動で面接に参加すると、ほぼ必ず「大学中退理由」を聞かれます。
答えにくい質問ですが、大学中退理由を聞いてくれる=回答によっては採用されるチャンスがあるということなので、納得してもらえる回答を準備しておきましょう。
大学中退理由を伝えるときは、ネガティブな大学中退理由でも、できるだけポジティブに伝えることが大切です。
例えば、
「家庭の事情で学費を払うことが難しくなったので中退しました。」
と伝えてもやむを得ない事情と思ってはもらえますが、
「家庭の事情で学費を払うことが難しくなったので中退しました。予定より少し早く社会に出ることになりましたが、元々営業の仕事に関心があったので、早くから営業経験を積めるチャンスだと前向きに捉えています。」
と志望動機を交えて伝えるとより前向きな印象を持ってもらえます。
面接官も、「どうして営業に関心があったのですか?」と志望動機に話を振りやすく、面接で重要な会話のキャッチボールがしやすいです。
ネガティブな中退理由の場合は、「大学中退したことで自分の人生について考えることができた」のように、最終的に前向きな話に繋げるようにしましょう。
これ以降では、「大学がつまらなかった」「勉強についていけなかった」「病気をしてしまった」など、ポジティブに伝えることが難しい大学中退理由の回答例文を紹介します。
また、大学中退予定ではあるものの、退学届を出す前に就職活動を行っている人の回答例文も紹介しているので、参考にしてみてください。
【大学がつまらなかったので中退した場合の回答例文】
「受験で第一志望の大学に落ちてしまい、とりあえず大学は卒業しておこうという安易な考えですべりどめの大学に進学してしまったため大学に通う意味が見出せませんでした。奨学金を借りていたこともあり、このまま何となく大学に通うくらいなら、以前から関心の高かった接客業で働きたいと思い中退を決めました。今思い返すと、高校生の頃から何のために大学に行くのかを考えて進学すべきだったと反省しています。しかし、中退という結果にはなってしまいましたが、大学に進学したからこそ自分の将来について真剣に考えることができました。今は早く働いて接客のスキルを高めたいという気持ちでいっぱいです。」
大学がつまらなかったという中退理由を面接でそのまま伝えると、「仕事もつまらないと言って、すぐに辞めてしまうのではないか」と思われてしまうので、プラスの印象を与えられるように伝え方を工夫する必要があります。
自らに反省すべき点があれば、以下のように正直に伝えると、中退した理由を他人や環境のせいにする他責思考の人ではないと印象付けられて、面接官の信頼を得られます。
「大学を偏差値で選んでしまったため、どのようなことが学べるかを調べていませんでした。事前にしっかり調べておくべきだったと、反省しています。」
そして、仕事は同じ理由で辞めてしまうことがないと伝えるために、選んだ仕事や職業について、関心が高かったり、よく調べて選んだということを伝えましょう。
また、大学に入学したこと、大学在籍中のこと、大学中退したことから、学んだり、成長したことがないかを振り返ってみましょう。
学んだことや成長したことを、仕事でどのように活かすことができるのかを伝えると、一見するとネガティブな経験からも学んで活かすことができる人だと思ってもらえ、「仕事で活躍してくれるのでは」と期待してもらえるはずです。
【勉強についていけなかったので中退した場合の回答例文】
「中退した大学は、高校時代の私の学力より高いレベルでしたが、精一杯勉強し合格できました。入学後は、サークルやアルバイトなど充実した学生生活を送っていましたが、授業内容は難しくいくつか単位を落としてしまい、留年して親に迷惑をかけたくなかったので中退しました。テスト前は勉強も頑張っていたのですが、元々高いレベルの大学に進学したのだから、周りの友人より毎日もっと勉強しておくべきだったと反省しています。大学中退をしているので、仕事まですぐに辞めるようなことは絶対にしたくないと思っています。ですので、自分の「したいこと」だけでなく、「できること」や適性をよく考え、さまざまな企業や職業の中から、御社で△△職として働くことを希望させていただきました。大学中退の経験をしたからこそ、入社後は人一倍努力し、必要不可欠な人材になりたいと考えています。」
勉強についていけなかった場合は、努力不足とみなされることが多いため、「仕事にもついていけないのでは」と懸念される可能性があります。
そのような懸念を抱かせないためにも、まずは、勉強についていけるように努力したことや、辞めるまでの経緯について詳しく話して、やれるだけの努力はしたことを伝えておきましょう。
その上で、自らに反省すべき点があったのなら、反省を述べて、それらの反省点を今後の仕事でどのように活かすのかを前向きに伝えると、面接官にプラスのイメージを与えることができます。
【病気をしてしまったので中退した場合の回答例文】
「大学在学中に~の病気を患ってしまい、頑張って大学に通おうとしたものの、通学するのも難しくなり退学することにしました。退学後は一時的に入院をしたのですが、退院してからは順調に回復して、今現在はお医者様から働くことに問題のないレベルにあるといわれています。病気で大学中退することに悔しい思いもありましたが、病気を経験したときにたくさんの人に支えられたことで、私も人の役に立てる人材になりたいという思いが強くなりました。仕事では、社内外のスタッフやお客様に喜んでもらえるよう、どのような業務でも常にベストを尽くします。」
病気が理由の場合、やむを得ない理由ですので、面接官は納得してくれるケースが多いです。
しかし、雇ったとしても病気が理由で仕事ができない可能性があるので、業務に支障があるのか、どのくらい影響があるのかなどは気にされます。
業務に支障がなければ、その旨を伝えて、業務に影響があるのであれば、どのような影響があるのか事前に伝えておくことをおすすめします。
【大学中退予定の場合の回答例文】
「○○の分野に興味があり大学に入学したのですが、授業内容が広く浅く○○について学ぶことが多く興味を持ち続けることが難しく感じました。事前に授業内容をよく調べなかった私の責任なのですが、奨学金を借りて金銭的な負担が大きかったこともあり、4年間我慢して大学に通うよりも、退学をして早く△△職として働き、実践的なスキルを身につけたほうがよいと思い就職活動をはじめました。ただ、親からは、大学を辞めるなら就職先を決めてからにしなさいと言われ、私もそのほうがよいと思いましたので、退学届を出す前に就職活動をしています。調査不足で大学中退することになったので、仕事については事前にしっかり調べ、御社の業務内容や研修内容に魅力を感じ応募させていただきました。もし御社から内定をいただけましたら、すぐに大学に退学届を提出して、御社に入社したいと考えております。」
大学中退予定の人が企業に応募した場合、企業がもっとも懸念するのは「内定を出したとしても、中退をしない(入社しない)のではないか?」ということです。
中退をすることは心理的な負担が大きいので、実際に中退をするタイミングでやはり大学に通い続けようと判断する人もいるからです。
しかし、企業は、内定を出した後に入社しない人が出ると、再度採用活動を行う費用負担が発生したり、必要とする人員を確保できなかった場合は、そのまま少ない人数で仕事を行わなければならないので、そのようなリスクのある人を採用することに躊躇します。
大学中退予定で就職活動を行う場合は、
- 中退しなければならない説得力のある理由がある
- 就職が決まったら中退を必ずする、ということを伝える
ことが重要になります。
以下の記事では、大学中退理由の解答例文を20例紹介して、それぞれの解答例文について「なぜそのように回答するのか」解説しているので参考にしてみてください。
また、以下の記事には、採用面接で大学中退理由について聞かれた11人の方の、実際の質問と答えた内容を掲載しているので、参考にしてみてください。
面接での基本動作やマナー、当日の持ち物については、以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。
3-5. 空白期間について就業意欲が伝わるように説明する【回答例文あり】
大学中退後に何もしていない空白期間がある人は、空白期間について質問される可能性が高いので、就業意欲が伝わる回答内容を準備しておきましょう。
空白期間に何もしていなかった人は、
「中退後の計画を立てていなかったためになんとなく過ごしていましたが、就職して親を安心させたいという思いが強くなりました。人生の計画を立てる重要さを身をもって学んだので、就職では将来のキャリアまで考え、○○のスキルが向上する御社を選びました。」
というように、正直に伝えた上で反省をどう活かしていくかや、入社後の目標などに繋げて前向きに締めくくりましょう。
また、就職活動をしていて空白期間ができた人は、ただ受からなかったと伝えるのではなく、
「大学中退を経験したからこそ、時間はかかっても自分の望むキャリアを築ける企業に就職したいと思い、〇か月就職活動をしていました。」
というように、目標を立てて就職活動していることを伝えましょう。
資格取得やボランティア、アルバイトなどをしていた人は、事実だけ伝えるのではなく、以下のようにその経験を仕事でどう活かすのか、なぜすぐに就職しなかったのかを加えて話すことがおすすめです。
「大学中退をした時点で就職活動を始めることも考えたのですが、自分の方向性が明確でないままでは、よい結果につながらないと思いました。そこで、空白期間というよりも自己研鑽の期間だと捉えて、〇〇の資格取得や〇〇のボランティア活動などに取り組んできました。そこで得た知識や経験は、御社で○○職として働く上でも役立つと思います。」
大学中退をしたので正社員就職した企業もすぐに辞めるようなことはしたくないと思っていました。そこで、自分の興味や適性を知ろうと思い、さまざまなアルバイトをしていました。アルバイトでは御社の商品を扱う機会があり、詳しく調べる中でこのような商品を広める仕事がしたいと思いました。空白期間はできたものの、その期間に御社を知ることができ、アルバイトを通じて仕事で活かせるコミュニケーションスキルも身についたので、私に取って意味のある期間だったと思います。
3-6. 大学中退者の就職活動に有利な時期を知る
大学中退者が応募することの多い中途採用求人は、時期を問わずよい人材がいれば採用する「通年採用」をしている企業がほとんどです。
また、就職活動では、ブランク期間が短いほど内定を得られる可能性が高いので、正社員を考えたら時期を問わずすぐに行動に移すことが大切です。
その上で、大学中退者にとって有利な就職活動時期があることも知っておきましょう。
大学中退者に最もおすすめの就職活動時期は、求人数が最も多い1~3月です。
1月から3月に出ている求人は新卒採用と同じタイミングなので、未経験歓迎の求人が多く、職歴の無い大学中退者も応募しやすいのが特徴です。
また、退職者が増える夏のボーナス支給後の9月10月も中途採用の求人数が多くなるのでねらい目です。
このような求人数が増える時期は、採用人数が増える上、応募できる求人の選択肢が広がるので、選択肢が狭くなりがちな大学中退者にとって有利な時期と言えます。
大学中退者におすすめの就職活動時期については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
3-7. 就職活動しながら資格取得に励む
大学中退者の就職活動が厳しい理由の一つに、「職歴や資格が無く即戦力にならないこと」があります。
若いうちは資格なし・職歴なしでも、将来性を期待して採用する企業はたくさんあるので、必ずしも資格を取る必要はないですが、資格があれば、職種や待遇など希望に近い求人に採用される可能性が高くなります。
ただし、希望職種と関係の無い資格ではあまり意味がありません。
以下のように、希望職種において需要のある資格を取得しましょう
- 事務職の中でも給料が高めの経理なら「日商簿記検定2級」
- 不動産業界なら「宅地建物取引士」
- ITエンジニアなら「ITパスポート」「基本情報技術者」
- 介護士なら「介護職員初任者研修」
- ドラッグストアで販売職をするなら「登録販売者」
また、大学中退者が資格取得をすることは、スキルのアピールができるだけでなく、以下のようなメリットもあります
- 中退から就職までの期間について「資格取得をしていた」と説明できる
- 希望職種への意欲が伝わる
- 資格取得するまでの努力がアピール材料になる
注意点として、時間をかけて勉強しても合格できない場合、空白期間ができて就職活動で不利になります。
資格を取得しても必ず採用される保証はないので、まずは資格なしで就職活動を始めて、内定が出ない場合に、就職活動をしながら資格取得を検討してみてください。
以下の記事では、大学中退者の就職に役立つ資格を詳しく解説しているので、よければ参考にしてみてください。
3-8. 業界・職種研究を行う
就職エージェントなどを利用して求人を紹介してもらう場合でも、業界・職種について自分で研究しておきましょう。
社会には、どのような業界や職種があり、どのような仕事をしたいのかを、ある程度自分で把握しておかないと、他人に言われた業界や職種に就職するしかなくなり、後悔する可能性があるからです。
「業界分類表」でも示しているように、業界は大きく分けると11あり、さらに細かく分類すると80以上の業界が存在します。
ですので、まずはどんな業界があり、
- 「どんな商品・サービスを」
- 「どのような方法で」
- 「誰に対して」
提供しているのか、業界についての本で調べてみましょう。
インターネットで調べるのもよいですが、幅広い業界について知らないうちは情報の偏りを避けるために、業界の全体像がわかる本で調査し、その後インターネットで調査するのがおすすめです。
一通り業界を調査すれば、社会の仕組みやそれぞれの業種の役割を理解できるので、自分のやりたいことがどの業界でできるのか見えてくるはずです。
しかし、業界がたくさんあると、逆に迷ってしまうという人もいるかもしれません。
そこで、人材サービス事業を行う株式会社ディスコが、2021年3月卒業予定の大学3年生を対象に志望業界について調査しているので、その結果も見てみましょう。(上記した業界分類表とは表記が違います)
志望業界ランキングベスト10
- 1位:情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト 19%
- 2位:情報・インターネットサービス 17.5%
- 3位:水産・食品 16.5%
- 4位:銀行 14.1%
- 5位:医薬品・医療関連・化粧品 13.8%
- 6位:素材・化学 13.3%
- 6位:建設・住宅・不動産 13.3%
- 8位:電子・電気 13.1%
- 9位:マスコミ 11.7%
- 10位:調査・コンサルタント 11.6%
※出典:株式会社ディスコ「3月1日時点の就職活動調査(p. 2)」2020年3月
1位2位共にIT関連業界がランクインしています。これから10年以上伸び続けていくと言われる業界ですので、学生にも人気があります。
また、銀行や医薬品など平均給与が高い業界も人気が高く、食品・素材など、商品への需要が安定していて、長期的に安定して働き続けられる業界も人気があります。
これらの情報と、自分のやりたいこと、できることなども参考にして、業界を絞り込んでいきましょう
それでは次に、どんな職種があり、どのような仕事内容かを調べてみましょう。
職種は、実際に行う仕事内容なので、自分が望む働き方ができるかを業界より慎重に見極めることが大切です。
職種については、この記事の中の、
で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
3-9. 履歴書に大学中退まで記載する
大学中退者が履歴書を作成する場合、多くの人が、履歴書に大学中退歴を書くべきか疑問を持ちます。
また、大学中退者の中には、「大学中退を履歴書に書くと印象が悪くなるから書かないでおこう」と考える人もいます。
確かに、大学中退者の最終学歴は「高卒」なので、中退は書かなくても大丈夫かな?と思うかもしれません。
しかし、履歴書に大学中退を書かずに嘘が発覚すると、学歴詐称と判断され、解雇や懲戒免職、減給の対象になる可能性があります。
また、高校卒業から就職活動までの期間が空白期間となってしまい、余計に悪い印象を持たれかねません。
大学中退にさまざまな事情があることは企業側も分かっているので、大学中退をコンプレックスに感じすぎず、履歴書に明記しておきましょう。
大学中退の経歴は以下のように記入します。
このとき、大学中退理由が前向きな場合や、やむを得ない場合、中退理由も記入した方がマイナスなイメージをカバーできます。
以下に、記入した方がよい大学中退理由の書き方を、留学、経済的理由、病気の順に3つ書いておくので参考にしてください。
留学をした場合は、留学先の国、大学名、滞在期間、取得した資格などを書くと、前向きな印象を持ってもらえます。
病気が完治している場合は、その旨も書いておくと体調面で不利になりません。
一方で、「勉強についていけなかった」「人間関係に悩んだ」など、ネガティブな理由で中退した場合は、履歴書に書かずに、面接で事情を説明したほうが誤解を生まず理解してもらえます。
もし就職が決まったら中退をするというような場合には、以下のように「中途退学予定」あるいは「就職が決まれば中途退学予定」と記載しておくとよいでしょう。

中退する日が決まっていればその日付を書き、決まっていなければ、日付は記入しなくてよいです。
大学中退者の最終学歴については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
大学中退者の最終学歴は高卒?履歴書に大学中退は書かなくてもよい?
大学中退者の履歴書の書き方については、以下の記事で、さまざまなケース別の履歴書の見本や例文を見せながら詳しく解説しています。
実際に履歴書を書くときに、見本として見ながら書けるようになっているので、よければ参考にしてみてください。
3-10. 最低でも6社の採用選考に参加する
大学中退者にはアルバイトをしている人が多く、一定の収入があるため、就職活動で困難を感じるとアルバイトのまま当分過ごそうかと考えてしまう人もいます。
しかし、アルバイト経験は正社員の採用選考で評価されることが少なく、アルバイト経験が長くなればなるほど正社員就職できる可能性は低くなります。
ですので、就職活動をはじめたなら、すぐに諦めずに粘り強く就職活動を続けることが大事です。
大学中退後に就職した人で当社に体験談を送ってくれた30名の方の、採用選考に参加した企業数は平均6社です。
また、大学新卒者が就職活動をする場合は、企業に平均20社以上エントリーしています。
当然ながらもっと多くの企業に応募して内定を得られた人もいるので、最低でも6社の企業の採用選考には参加して、それ以上の数になっても諦めないことが大事です。
4. 大学中退者が就職するための求人の選び方
就職エージェントではその人に合った求人を紹介してくれますが、求人サイトやハローワークでは自分で応募する求人を選択します。
たくさんの求人がありますが、求人の選び方にもポイントがあります。
ここからは、大学中退者が就職するための求人の選び方について解説します。
4-1. 中途採用枠で求人を探す
求人サイトには、卒業予定の学生を主な対象者として新卒採用を行う「新卒求人サイト」と、転職者を主な対象者として中途採用を行う「転職求人サイト」があります。
上記したように、大学中退者は基本的に新卒採用求人に応募できないので、新卒求人サイトはあまり役に立ちません。
一方、転職求人サイトは、転職者向けで、職歴の無い大学中退者は利用できないと思いがちですが、実は未経験歓迎の求人もたくさん掲載されています。
そのような求人には、フリーターや既卒など、正社員経験のない人もたくさん応募していて、採用もされています。
ですので、大学中退者は中途採用の求人に応募した方が、早く就職が決まりやすいです。
4-2. 「未経験歓迎」「学歴不問」「高卒以上」の求人を狙う
大学中退者は職種経験も正社員経験もないので、「未経験歓迎」「未経験可」といった記載がある求人への応募がおすすめです。
中途採用では、職種経験者や正社員経験者を募集している求人も多いですが、そのような求人に応募しても、経験者のライバルに経歴で大きな差を付けられてしまいます。
一方で「未経験者歓迎」としている求人では、「若手を一から育てたい」と考えていることが多く、職種未経験・正社員未経験でも採用される可能性が高いです。
また、大学中退者の最終学歴は「高卒」となるので、学歴条件に「学歴不問」や「高卒以上」の記載があるかもチェックしましょう。
学歴条件を「学歴不問」や「高卒以上」としている求人では、学歴よりも人柄や熱意を重視していることが多く、応募者自身をしっかり見てくれるので、大学中退者も採用されやすいです。
ただし、職種経験者を募集している求人でも、アルバイトの職種経験でOKな場合や、大学中退を「大卒」や「短大卒」として扱ってくれる場合もあります。
条件はクリアしていないがどうしても応募したい企業がある場合は、一度企業に問い合わせてみてください。
4-3. 大学中退者におすすめの求人サイトを利用する
求人サイトにはたくさんの種類がありますが、大学中退者に合った求人サイトを利用することが大切です。
まず大学中退者におすすめしたいのがリクナビNEXTです。
リクナビNEXTは、全国各地40,000件以上、未経験者向けの求人だけで8,000件以上もあるので、学歴で求人数が限られてしまう大学中退者にとてもおすすめです。
スカウト機能も用意されているので、大学中退者はプロフィールとしてアルバイト経験を書いて登録しておけば、企業側からオファーが届きます。
オファーがきた求人は、書類選考なしで面接に進めるので、リクナビNEXTを利用する場合は忘れずに登録しておきましょう。
もう一つのおすすめ求人サイトは、リクルートが運営する地方求人に強い求人サイトの「はたらいく」です。
掲載されている求人の約5割が従業員数50名以下、約6割が「転勤なし」もしくは「同じ都道府県内での転勤」となっており、他の求人サイトでは載っていないような地元の求人と出会うことができます。
また、はたらいくには「せきらら求人」という項目があり、例えば「年末は繁忙期で残業が多く大変だが、耐えてほしい」など、企業の本音が書かれているので、働き方がイメージしやすいと好評です。
応募の際に必要な自分の登録情報を使いまわすことができるので、毎回入力する手間が省けるのも魅力の一つです。
その他の、求人サイトや就職エージェントを以下の記事で紹介しているので、こちらもチェックしてみて下さい。
4-4. 経験より人柄を重視する職種を狙う
中途採用では、これまでの社会人経験をアピールすることが基本ですが、大学中退者は就職経験がないので、経験より人柄を重視する職種を検討してみてください。
たとえば、営業や販売、接客などの職種は、お客様への印象がよいことが第一に求められるので、経験よりも人柄が重視されます。
また、倍率は高いですが、事務は「未経験者可」の求人も多く、社内外の人とのコミュニケーション能力が求められる職種です。
大学中退者にとって、経験より人柄が重視される職種は、採用されやすいだけでなく、学歴関係なく実力や勤務態度で昇進・昇給しやすいというメリットもあります。
職種については、この記事の下でそれぞれの職種について詳しく解説しているので、チェックしてみてください。
4-5. 大企業よりも、中小企業の求人を中心に探す
大学中退者が早く内定を得るためには、大企業よりも、中小企業を中心に求人を探すことが大切です。
2012年の調査を見ても、大学中退者の65.2%は従業員数が1~299人の、比較的規模の小さい企業に就職していることがわかります。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 34)」2015年5月
日本には、約421万もの企業がありますが、そのうちの99.7%が中小企業で、大企業は0.3%しか存在しません。(参考:「最近の中小企業の景況について」)
大企業は規模が大きい分採用人数も多いですが、未経験者は、新卒採用で募集することが多く、大学中退者が応募する中途採用では募集が少ないです。
また、大企業が中途採用で求人を出したとしても、応募者が沢山集まるため、書類選考で学歴や経験を元にふるいにかけられます。
そのため、大学中退者は面接にたどり着けないことが多いです。
中小企業でも、学歴や経歴はもちろん見られますが、大企業よりハードルが低く、それよりも応募者の内面をしっかり見てくれる傾向があります。
大企業は、福利厚生や給与面が充実しているので魅力に感じますが、中小企業にも働きやすい環境が整っている企業がたくさんあります。
企業規模で絞りすぎず、広い視野でよい企業を探しましょう。
中小企業庁が定める、中小企業の定義は以下のようになっています。
- 製造業:資本金3億円以下又は従業者数300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下又は従業者数100人以下
- 小売業:資本金5千万円以下又は従業者数50人以下
- サービス業:資本金5千万円以下又は従業者数100人以下
4-6. 東京、大阪など都心部だけでなく、地方の求人も調べる
東京や大阪などの都心部には企業がたくさんあるので、求人もたくさんあります。
就職することだけを考えるなら、都心部のほうが就職しやすいです。
しかし、地方にも優良企業はたくさんあり、地方への就職を助ける手厚い支援がある都道府県も多いので、都心部だけにこだわらず地方の求人も探してみるとよいでしょう。
地方は、都会に比べて給料は少ない傾向にありますが、通勤時間が短かったり、物価が安かったり、自然豊かで過ごしやすかったりとメリットも多いです。
このような環境で働くことが合っているのに、就職が有利だからという理由だけで都会に就職すると、後悔したり、転職をすることになるかもしれません。
以下の記事で、都会と地方を比べながら、その地域での就職や生活について解説しているので参考にしてください。
4-7. 就職できるならどこでもいいと投げやりにならない
ここまで、大学中退者の求人の選び方について解説しましたが、本当にやりたい仕事に挑戦することが何よりも大切です。
とりあえず採用されることを第一に考えた求人で就職できたとしても、関心の低い仕事では壁に当たった時にすぐに心が折れてしまい長続きしないからです。
自分のやりたいことが分からないという人も多いですが、
- 成果に対して報酬がもらえるとやりがいを感じる
- 人におもてなしをすることにやりがいを感じる
- 仕事内容が大変でも年収が高い仕事がしたい
- 収入が低くても無理のない働き方ができる仕事がしたい
など、自分がどのような仕事を求めているのかを一度整理して、仕事内容、勤務条件、給料、福利厚生などの優先順位を付けて求人を探すと、入社後のミスマッチが起こりにくいです。
もし、自分に合った求人を一人で見つけるのが難しい場合は、この記事の「大学中退者に強い就職エージェントで就職支援を受ける」で紹介した就職エージェントを利用して、プロにアドバイスをもらいましょう。
5. 大学中退後に就職した先輩の体験談30件
実際に大学中退後に就職した人は、どのように就職活動を行ったのでしょうか。
大学中退後に就職した30名の先輩に、10項目の質問に沿って就職活動の体験談を作成してもらいました。
以下は、旅行業界に営業職として採用された「よう」さんと、自動車部品製造業に品質管理として採用された「ゆう」さんの就職活動体験談です。
- 1. ハンドルネーム
- よう
- 2. 就職活動をはじめたのは大学中退後何年目か?
- 大学中退後2年目
- 3. 大学中退後に採用選考に参加した企業数は何社?
- 4社
- 4. 内定をもらった企業の業界
- 旅行業界
- 5. 内定をもらった職種
- 営業
- 6. 一番多かった採用選考手順
- グループ面接含めた面接3回
- 7. 大学中退後の就職活動で心掛けていたことは何か?
- 大学を中退した理由を明確にしておき、「ネガティブな中退」ではなく「ポジティブな中退」として自分の中でしっかりPRできるようにしておくということです。
- 8. 大学中退後の就職活動で困難を感じたことは何か?
- 私の大学中退は自分磨きとやりたいことの実現のためという前向きなものでしたが、やはり「中退」というワードから連想できるように相手にネガティブなイメージをもたれてしまったことが困難に感じました。
- 9. 大学中退後、就職活動以外にしていた事
- バックパックをしながら海外を自分の目で見て感じること、世界各国の人と交流できるように語学力を上げることと資格の取得に重きを置いて過ごしていました。
- 10. これから就職活動をする大学中退者にアドバイスやメッセージをお願いします。
- 大学中退ということを如何にして「ポジティブなもの」「相手にネガティブに感じさせないか」と言うことが最大のキーポイントです。そのために、自分の言葉で意見やPRを明確に伝えられるように準備することが大事です。
- 1. ハンドルネーム
- ゆう
- 2. 就職活動をはじめたのは大学中退後何年目か?
- 大学中退後2年後
- 3. 大学中退後に採用選考に参加した企業数は何社?
- 10社
- 4. 内定をもらった企業の業界
- 自動車部品製造業
- 5. 内定をもらった職種
- 品質管理
- 6. 一番多かった採用選考手順
- 適性検査1回と面接2回
- 7. 大学中退後の就職活動で心掛けていたことは何か?
- なぜ大学を中退したか面接でぜったい聞かれるので、正直になぜやめたかを伝えるようにしました。中退してから学んだことをプラスに取ってもらえるように心掛けています。
- 8. 大学中退後の就職活動で困難を感じたことは何か?
- やはり中退なので4年制卒業と履歴書にかけないことから大卒以上の求人をだしている受けたい企業に応募できなかったことが厳しかったです。やはり面接官の見るべきところは学歴がありました。
- 9. 大学中退後、就職活動以外にしていた事
- 夜中にアルバイトをしていました。いつでも融通がきくので佐川急便での仕分け作業です。就職活動するにもお金は必要なので少しでもとお金を稼いでいました。
- 10. これから就職活動をする大学中退者にアドバイスやメッセージをお願いします。
- 大学中退はたしかにひとつの挫折の感はいなめません。そこは厳しい目で見られることも必ずあります。しかしそれから時間がたてばなんら気にすることはないです。就職してから必ず取り返せます。
ここでは2名の方の体験談をピックアップしましたが、以下の記事では30名の体験談を記載しています。
体験談を知ることで事前に対策できることがたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。
また、求人探し、履歴書作成、面接の場面で、学歴が原因でどのような苦労があったのか、どのように克服したのかについてもアンケートを取りました。
以下にまとめているので、こちらも参考にしてみてください。
6. 大学中退をした女性は就職で不利になる?
大学中退をした女性は就職で男性より不利になるのでしょうか。
男女雇用機会均等法の制定により、どの求人も性別関係なく応募できますが、産休育休や結婚による早期退職を理由に、男性を優遇している企業も残念ながらあります。
ギリギリの人材で運営している企業では、産休育休に伴う人員調整が困難であったり、早期退職による欠員の補充をする力が残っていないためです。
一方で、女性が多く働いている職種では、就職できる可能性がぐっと上がります。
以下の記事で、大学中退女性の就職活動方法やおすすめ職種、選べる進路などについて解説しています。
大学中退女性の今後に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
大学中退女性のその後は幸せになれる?12個の進路と就職活動方法、結婚への影響を解説
7. 大学中退と高卒では、どちらが就職に有利?
大学中退と高卒では、就職率は高卒のほうが高いですが、どちらが就職に有利なのかは、採用担当者によって判断が大きくわかれるので、一概には言うことができません。
大学中退者は学校を途中で辞めているために印象が悪く、採用選考で高卒の人よりも不利になることがあります。
しかし、大学は卒業していなくても、入学できるだけの学力があると評価されることは多く、偏差値の高い大学の中退者は高卒の人よりも就職に有利になるケースが多いです。
国公立や早稲田・慶応といった超難関大学だけでなく、偏差値50以上の大学であれば、採用担当者も大学名を知っているケースが多いので、評価が高くなる可能性があると考えておくとよいでしょう。
ただし、あくまで学力を評価されているので、偏差値が高くない大学を中退している場合は、あまり評価されることはないと考えておいたほうがよいでしょう。
8. 大学中退者の「大学中退率」と「大学中退理由」
ここからは、実際に大学中退をした人の「大学中退率」と「大学中退理由」について見ていきましょう。
2021年4月から2022年3月の1年間の大学中退者数は57,875人で、全学生数に占める中退者の割合は1.95%です。
また、大学に通う4年(6年制の場合は6年)間の大学中退率は7%ですので、大学生が100人いると、卒業するころには7人が大学中退していることになります。(中央公論社 大学の実力2019より)
それでは、これらの大学中退者は、どのような理由で大学中退をしているのでしょうか。
以下の図は、文部科学省が、2021年4月から2022年3月の大学中退者を対象に、大学中退理由について調査を行った結果です。
出典:文部科学省「学生就業状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」2022年3月
- 【大学中退理由1位】転学等 16.3%
-
2021年度の大学中退理由で最も多い転学等には、「思っていた勉強ができない」「新たに学びたい分野ができた」といった理由で、別の大学に編入したり、専門学校に転学をする人が主に挙げられます。
進路変更のために大学中退をした人は、大学中退をした時点で次に進む進路を決めているので、中退後すぐに動き出せている人が多いです。 - 【2位】学生生活不適応、修学意欲低下 15.7%
- 2位の学生生活不適応、修学意欲低下には、「人間関係が上手くいかず大学に行くことが辛くなった」「大学とのミスマッチで通っている意味が見いだせない」などの理由が挙げられます。
- 【3位】就職・起業等 14.3%
- 3位の就職・起業等には、「大学に通うより早く働きたい」「起業して成功したい」といった前向きな理由が多いです。
- 【4位】経済的困窮 13.5%
-
4位は経済的困窮で、「親がリストラされた」「働いて家計を支えないといけない」など、本人以外の外的要因であることがほとんどです。
そのため、就職活動においては面接官に納得してもらいやすい大学中退理由の一つです。 - 【5位】学力不振 7.7%
- 5位の学力不振は、「スポーツ推薦で入学したものの勉強についていけなかった」「単位を落として留年した」など、卒業するために必要な単位取得が見込めなかったケースが主に挙げられます。
ここまで大学中退理由をランキングでお伝えしましたが、実際には以下のように複数の理由が重なっていることが多いです。
- 「人間関係に悩んでいたところに家庭の経済状況の悪化も重なった。」
- 「学業不振で留年しそうだったから進路変更で専門学校に進学した。」
「この理由で大学中退するのは間違っている」というのは無く、「中退後どれだけ後悔しない生活を送れるか」が重要です。
もし大学別の中退率に興味があるようでしたら、以下の記事で紹介しているので、こちらをチェックしてみてください。
9. 大学中退した学年別の割合
大学中退者は、何年生で大学中退をしている人が多いのでしょうか。
大学中退をした学年ごとの割合が公表されているので、ここで紹介します。
【大学中退した時の学年(男性)】
1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生以上 |
---|---|---|---|
12.3% | 28.4% | 26.4% | 32.9% |
【大学中退した時の学年(女性)】
1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生以上 |
---|---|---|---|
27.5% | 37.1% | 17.9% | 17.5% |
【大学中退した時の学年(男女計)】
1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生以上 |
---|---|---|---|
17.0% | 31.0% | 23.8% | 28.1% |
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 66) 」2015年5月
男女で大学中退をする学年に大きな違いがみられます。
女性は1年や2年で大学中退をする人が多く、男性は1年で大学中退をする人は最も少なく、2年以降で大学中退をする人が多いです。
男女合計の結果は、アンケートを行った人に男性が多かったことから、男性の結果に近いものになっています。
10. 大学中退者のその後の現実
大学中退者は、中退をしたその後に何をしていたのでしょうか。
大学中退者に「中退後にしたいと思ったこと」と「中退後に実際にしていたこと」について、国がアンケートを行った結果が以下の図ですので見てみましょう。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 97)」平成27年5月27日
大学中退後は、5割近くの人が「正社員として就職したい」と考えています。
しかし、実際に正社員就職を目指して行動を起こした人は3割ほどしかいません。
本当は正社員になりたかったにも関わらず、
- 中退者が正社員になるための就職活動の仕方がわからない
- 内定をもらえる自信が持てない
- アルバイトとは言っても中退後はフルタイムに近い労働時間で働くため、就職活動の時間を確保するのが難しい
という理由から、就職活動に動きだせない人がたくさんいるからです。
逆に、アルバイトをすることを希望していた人数よりも多くの人が、大学中退後にアルバイトを探したり、アルバイトを継続しています。
アルバイトは気軽に始められますが、フリーターをしている期間が長くなればなるほど正社員就職するのが難しくなるので注意しなければいけません。
就職活動やアルバイト以外で、大学中退後に行っていたことには、
- 資格取得の勉強をした 11.1%
- 何もしなかった 9.6%
- 入学するための準備をした 4.2%
などがあります。
11. 大学中退その後に選べる進路12選
ここからは、大学中退をしたその後に選べる12の進路を紹介します。
- 正社員就職する
- 資格取得する
- 公務員になる
- 専門学校へ入学する
- 別の大学へ編入する
- 別の大学の一般選抜(一般入試)を再受験する
- 留学する
- 起業する
- 契約社員や派遣社員になる
- フリーターになる
- 休息する
- 再入学する
それぞれの進路について詳しく解説した記事も用意しているので、そちらもチェックしてみてください。
11-1. 正社員就職する
当サイトを訪問した方の多くが、正社員を目指して就職活動をはじめています。
正社員は、アルバイトに比べて給料が高く、昇給や賞与、退職金も期待できます。
職種によっては、営業成績によってインセンティブが貰える企業もあり、長く勤務するほど非正規雇用との給与差が大きくなります。
また、基本的に無期雇用なので、同じ企業で定年まで働くことができ、職を失うリスクが少ないことから社会的信頼も厚いです。
このように正社員はメリットが多いため、中退後に「特にやりたいことがない」という大学中退者も、まずは正社員を目指した就職活動をはじめてみることがおすすめです。
中退後、何もしていない空白期間(ブランク)が長くなってしまうほど、就職が難しくなるので、できるだけ早く就職活動を始めることが大切です。
とはいえ、就職活動について相談できる人が少ない大学中退者の就職活動は、思うように進まないこともあるでしょう。
当サイトでは、15年以上の就職支援の中で得たノウハウを公開しているので、参考にしてください。
以下の記事では、大学中退者やフリーター専門のアドバイザーが求人紹介をしてくれる就職エージェントと、大学中退者が応募できる「未経験者歓迎」の求人が多い求人サイトを紹介しているので、活用してみてください。
正社員登用制度の実状
大学中退後に正社員を目指す方法として、アルバイトから正社員を目指す正社員登用制度の利用を検討している人もいるかもしれません。
厚生労働省が行った調査によると、調査に回答した2,000社以上の企業の内、75%がアルバイトや契約社員などの正社員登用制度ありと回答し、44%の企業が過去1年間に正社員登用した実績ありと回答しています。
企業の2社に1社近くは、過去1年間に正社員登用した実績があることになります。
しかし、企業に一人でも正社員登用した人がいると「正社員登用実績あり」となるので、正社員登用実績ありの企業でも、希望者全員が正社員になれているわけではありません。
これらを考慮すると、正社員登用制度を利用して、アルバイトから正社員になれるかどうかは、不確実性がまだ高いといえるでしょう。
正社員登用制度を利用して正社員を目指す場合は、正社員にすれば活躍してくれると思ってもらえるように、アルバイトで高い評価が得られるように努力が必要になります。
ただし、多くの就職エージェントで、利用者の就職率が80%を超えていることを考えると、正社員になるには、はじめから正社員就職を目指して就職活動をしたほうが効率性と確実性が高いでしょう。
※出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和4年2月)の概況(p. 13)」令和4年3月17日
11-2. 資格を取得する
大学中退者には、中退後に資格取得を目指して勉強をはじめる人もいます。
資格取得を目指す人は、宅地建物取引士や簿記、ITパスポートや基本情報技術者など、就職に有利になる資格を選ぶとよいでしょう。
また、税理士や司法書士など、難易度の高い国家資格が必要な仕事では、大学中退も大卒も同じ仕事内容、同等の収入であることが多く、大学中退をコンプレックスに感じにくいというメリットがあります。
ただし、一般企業の採用選考では、仕事に関係しない資格取得をそれほど評価しない傾向があるので、資格取得にかける時間と、資格選びは慎重に行いましょう。
就職後、資格取得の勉強をはじめた人に、勉強のための補助金を出したり、資格取得をした人にお祝い金を出している企業もあるので、大学中退後に資格取得をするか、就職するかを迷っている場合は、就職することがおすすめです。
以下の記事では、大学中退者の就職に役立つ資格について詳しく解説しているので、参考にして下さい。
11-3. 公務員になる
大学中退者も、公務員試験に合格すれば公務員になれます。
公務員試験の受験資格には、年齢条件がありますが、学歴条件を設けていることは少ないので、大学中退者にもチャンスがあります。
高卒程度の試験では、年齢上限が18歳から21歳の場合が多く、大卒程度の試験では、30歳から35歳前後を上限にしていることが多いです。
「高卒程度」「大卒程度」という表記は、試験の難易度や、受験者に要求する能力の目安を表すだけなので、大学中退者はどちらの試験も受験できます。
大学中退者におすすめの職種は、「高卒程度」の試験で、比較的勉強時間が短くても合格できる、警察官や消防官、刑務官や税務職員です。
公務員の仕事は、定年まで働けることや、年功序列制で勤続年数に応じて昇給することから、安定した仕事と言われています。
公務員や公務員試験については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
11-4. 専門学校へ入学する
学びたい専門分野がある人や、専門的なスキルを身に着けて就職に活かしたいという人は、専門学校への進学を検討してみましょう。
専門学校は、就職後すぐに役立つスキルを身に着けることを目的としていて、大学よりも実践的かつ専門的なスキルが身に付きます。
大学中退者は「仕事未経験」「最終学歴が高卒」「継続力がない」という3点で就職活で不利になりがちですが、専門学校を卒業するといずれの点も軽減されます。
専門的なスキルが身に付き、大学中退直後より不利な点が軽減されるので、専門学校で身に着けたスキルが活かせる仕事にはかなり就職しやすくなります。
一方で、専門学校で学んだ分野以外の仕事には、年齢が上がる分、大学中退後より不利になる可能性があります。
また、専門学校は大学よりも授業のスケジュールがハードなので、大学より中退する人が多いです。
しかし、大学中退に専門学校中退まで重なると正社員就職は相当難しくなるので、専門学校を検討する際は、本当に卒業できるのか、本当に就職したい分野なのかをしっかり考えましょう。
以下の記事では、専門学校に取材をして得られた、大学中退後に専門学校に通う人に役立つ情報を紹介しているので参考にしてください。
11-5. 別の大学へ編入する
大学中退をしたものの、まだまだ勉強がしたい人や、大卒の肩書が欲しい人は、別の大学へ編入することも検討してみましょう。
編入とは、これまでに習得した単位を活かして、別の大学に途中学年から入ることを指します。
編入は学部ごとに数名しか募集していないことが多く、学部やその年によって募集要項が異なりますが、2年次または3年次からの編入生を募集していることが多いです。
いずれの場合も、前大学できちんと学んでいた人を募集していて、例えば3年次から編入の編入生募集の場合、
- 前大学で2年次まで修了
- 60単位以上または62単位以上修得済み
のように規定されていることが多いです。
編入試験の内容は学部によって異なりますが、入試のような試験ではなく、「論文」「志望学部の専門科目」「英語」「面接」などから約3.4科目だけであることが多く、入試よりも勉強時間が少なくて済みます。
また、途中年次から始まるので卒業までに時間を要さず、就職時に年齢が上がりすぎないので、採用で不利になりにくいです。
募集人数は少ないですが、いくつでも併願することができるので、気になる大学・学部を調べてみてください。
以下の記事では、大学中退後に別の大学に編入する方法を詳しく解説しているので参考にしてください。
11-6. 別の大学の一般選抜(一般入試)を再受験する
大学中退後に別の大学に入学したい場合、再度、別の大学の一般選抜(2020年までは一般入試)や大学入学共通テスト(2020年までは大学入試センター試験)を再受験することもできます。
再受験するメリットには、以下の2点があります。
- 一から大学生活をやり直せる
- 本当に入りたい大学・学部に再チャレンジできる
第一志望の大学に合格できなかった人や、勉強したい分野が変わった人、大学に馴染めなかった人におすすめの進路です。
一方で以下のようなデメリットも挙げられます。
- 1年次から始まるので卒業までに時間がかかり、就職時に年齢で不利になる可能性がある
- 改めて受験勉強をしないといけない
- これまでの学費に加えて新しい大学の4年間の学費、入学金、教材費等が必要になる
このように、簡単ではない再受験ですが、今の大学生活に満足していない人はチャレンジする価値があります。
再受験に向けた勉強をする方法には、
- 大学に通いながら勉強する
- 大学中退後に勉強する
の二つの選択肢がありますが、すでに大学中退をしていたり、自分を追い込まないと頑張れない人でなければ、大学に通いながら勉強をするのがおすすめです。
大学で取得した単位は次の大学でも単位認定してもらえる可能性がありますし、もし大学の授業と並行して勉強するのが時間や金銭的に難しいようなら、休学届を出して勉強することもできます。
このようにして勉強しておけば、結果的に合格できなかったとしても、今現在の大学に通い続けることができます。
大学に通いながら、別の大学の受験勉強をすることを仮面浪人といいますが、仮面浪人をする際の大学生活や注意事項などについて以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
一方で、既に大学中退している人で、大卒の肩書を得るために再受験を検討している人は、通信大学や放送大学も視野に入れてみましょう。
放送大学や通信大学は、費用や勉強時間、通学時間が抑えられるので、働きながらでも通うことができます。
詳しくは以下の記事で解説しているので、気になる人はチェックしてみてください。
11-7. 留学する
大学中退後には、留学をするという進路を選択することもできます。
留学をする主な方法には、以下の3つがあります。
- 語学留学
- ワーキングホリデー
- 正規留学
ワーキングホリデーを選択すれば、働いて収入を得ながら海外生活を行うことができるので、留学費用を安く抑えることができます。
日本の企業でも外資系企業との取引が増えていることから、英語能力が重視されるようになっており、語学力が高かったり、海外での生活経験があると、就職活動で有利になる可能性があります。
留学に興味がある人は、以下の記事で留学に必要な費用や留学方法について詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
11-8. 起業する
他の進路に比べて難しい選択肢ではありますが、すでに技術力や資金、人脈、志のどれか一つでもあるのなら、起業を考えてみるのもよいでしょう。
日本ではまだ学生起業家や中退後の起業家は少ないですが、海外では次々に中退者起業家が出てきています。
起業は、収入が0や赤字になるリスクもありますが、収入に上限が無いので、成功すれば大卒の会社員より収入を得ることもできます。
一般的には、一度企業に就職して働けば、仕事の仕方や売り上げを上げるための仕組みを知ることができるので、起業後に成功する可能性が高くなるといわれています。
11-9. 契約社員や派遣社員になる
正社員として就職活動を進めてみてもなかなか採用に至らなかったり、興味のある仕事の多くが非正規雇用という場合、契約社員や派遣社員を検討するのも一つの進路です。
契約社員や派遣社員は、正社員より年収が低くなる可能性が高く、雇用も不安定ですが、その分正社員よりも採用されやすいです。
契約社員とは
契約社員は、あらかじめ雇用期間に定めがある「有期労働契約」を企業と直接結ぶ働き方です。
契約満了が近づいた際、双方の同意があればで契約更新できますが、企業の経営状態が悪化したり、職場に合わないと判断されて契約終了になることもあります。
また、契約更新は最長5年までと決められており、正社員登用される場合もあれば、契約終了になる場合もあります。
派遣社員とは
派遣社員は、実際に勤務する企業ではなく、人材派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方で、人材派遣会社が給料支払い・福利厚生提供・社会保険登録を行います。
多くが時給制で、休んだ分給料が減るので収入面が不安定ですが、派遣先企業と合わない場合に、比較的短期間で気軽に職場を変えられるのが魅力です。
1つの派遣先で最長3年までしか勤務できませんが、勤務態度に問題が無ければ、新しい派遣先を派遣会社が探してくれます。
多くはありませんが、派遣先企業の正社員になれる場合もあります。
一般的に、契約社員より派遣社員の方が業務量・残業が少なく、仕事内容も限られているので、気楽に働きやすいと言われています。
しかし、気楽に働きやすい分、正社員登用される可能性は契約社員より派遣社員の方が低いので、正社員登用を望んでいる人は注意が必要です。
転職で正社員を目指す場合も、派遣社員より契約社員の方が職歴として評価される傾向が高いです。
11-10. フリーターになる
ここまで紹介した進路の中から、自分の進路をまだ決められない場合は、フリーターの道を進むこともできます。
フリーターは仕事を始めるのも辞めるのも比較的簡単にできるので、とりあえずフリーターになる大学中退者は多いです。
フリーターは、正社員と違い勤務時間の拘束がなく、自分の都合に合わせて勤務日時を調整することができるので、プライベートを優先できます。
また、責任のある仕事を任されることが少ないので、仕事でのストレスを感じにくいのもフリーターの特徴です。
しかし、年齢が上がるにつれて正社員との収入の差が広がっていくので、フリーターの生涯賃金が5,000万円なのに対し、正社員の生涯賃金は2億2,000万円という結果が出ています。
また、社会的信用が低くクレジットカードやローンの審査が通りにくかったり、終身雇用ではないため突然仕事を失うリスクもあるため、生涯続けるには不安定な働き方です。
大学中退でフリーター歴があっても、20代と若いうちは就職できるので、就職を考えたら早めに行動に移しましょう。
とりあえずフリーターから始めたいという人は、将来事務職に就職希望なら事務のアルバイトをするなど、就職したい職種で役立つアルバイトを選ぶことがおすすめです。
大学中退後に何歳くらいまでフリーターを続けられるのか、どのような理由で正社員を目指して就職活動をはじめるのか、大学中退フリーターからの就職活動方法について知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
大学中退フリーターのその後は?メリット・デメリットと就職方法を解説
11-11. 休息する
大学中退した理由が人間関係や病気などの場合、中退後体調や気持ちが落ち着くまで休息することも大切です。
体調の優れないときに無理をして就職活動を行っても、自信の無さが伝わってしまったり、余計に体調が悪化してしまうこともあります。
実家暮らしの場合は余計に「ニートになってしまって親に申し訳ない...」という気持ちが大きくなりやすいですが、家事を手伝うなどして前向きに過ごすことが大切です。
また、家族には現在の状況や今後の予定を丁寧に説明し安心させてあげると、お互いに居心地良く過ごしやすいです。
ただし、休息期間が長くなりすぎると、社会的にも自分のメンタル的にも就職が困難になってしまうので、1か月や3か月、病状によっては1年など期間を決めておくとよいでしょう。
11-12. 中退した大学に再入学する
一度は退学したものの、少し時間が経つと、同じ大学に再入学したいと考える場合もあるでしょう。
そのような場合、必要な手続きをすれば、再入学できる可能性があります。
ただし、再入学できる期限のある大学がほとんどで、多くの大学で退学後2~4年以内としているので、その期限内に再入学するようにしましょう。
また、大学中退理由によって再入学が認められにくい場合もあります。
病気や怪我が理由でしたら、それらが問題ない状態になっていれば、再入学が認められやすいですが、大学で問題を起こした場合などは、再入学を認めてもらうのは難しくなります。
再入学のための詳しい手続き方法は、以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
12. 大学中退者が就職している職種
大学中退者は、実際にどのような職種に就職していることが多いのでしょうか。
以下の図は、大学中退者が就職した職種を多い順に表しているので、見てみましょう。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究(p. 35)」2015年5月 ※大学中退者には大学院中退者も含まれます。
大学中退者が就職している職種を多いものから見ると、
- 1位:サービス職 27.9%
- 2位:販売職 17.2%
- 3位:専門職・技術職 12.4%
となっていて、これらの職種で全体の6割近くを占めます。
特に、サービス職と販売職は、働ける業界が豊富にあり、募集人数が多いので、多くの大学中退者が就職しています。
大学中退者の就職活動でネックになるのは、
- 大学中退
- 最終学歴が高卒
- 職歴なし
というような経歴。
しかし、これらの職種であれば、経験や学歴に関係なく、人物重視で採用を行う企業を多く見つけられます。
また、専門職・技術職にも、多くの大学中退者が就職しています。
専門職・技術職では、求人の募集要項に知識や技術、資格の条件を設けず、入社してから人材を育てる企業が増えています。
大学中退者が初めから待遇のよい企業に入社できることは少ないですが、専門的な知識やスキルを得られると、そのスキルを活かしてキャリアアップ転職することも可能です。
また、万が一職場の雰囲気が合わない場合にも、同職種への転職がスムーズに進みやすいので、一つの企業に縛られないというメリットもあります。
一方、「輸送・機械運転・建築・採掘」や「運搬・清掃・包装等」の職種には、大学中退者があまり就職していません。
これらの職種は、仕事がキツイというイメージがあり、正社員として働き続けるには不安があることが、大学中退者が就職しない理由の一つです。
13. 大学中退者におすすめの職種13選
ここからは、「給料」「長く働きやすい」「就職しやすい」「専門的なスキルが身につく」の4項目を基準に選んだ、大学中退者におすすめの以下13職種を解説していきます。
- 営業職
- ITエンジニア職
- 公務員
- 事務職
- 生産工程職
- サービス職
- 販売職
- 介護職
- 保育士
- 建設業の職種
- 輸送・機械運転職
- 塾講師
- 看護師
職種ごとに、
- 仕事内容
- 求人募集の傾向
- メリット・デメリット
- 向いている人・向いていない人
- 平均年収
- 強みを持つ就職エージェント・求人サイト
の内容について解説しているので、仕事において重要視する項目に注目しながら、自分に合う職種を検討してみてください。
平均年収の出典:DODA「平均年収ランキング2021」 マイナビ「公務員の給料&年収は平均でどれくらい? 地方公務員・国家公務員の年収の差は?」 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査2023年」 厚生労働省「2019年賃金構造基本統計調査2019年」
13-1. 「営業職」学歴を問わずチャレンジできる
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆営業職の主な職種☆
飲食料品営業員、不動産セールス、保険外交員、自動車販売営業員、MR(製薬会社の営業員)など
営業職は、企業の利益を上げることを目的に、商品やサービスを顧客に紹介する仕事です。
顧客相手が企業の場合はBtoB(Business to Business)、顧客相手が一般消費者の場合はBtoC(Business to Customer)と分類されます。
いずれの場合も、営業が契約を取り付けることで売上が発生するため、企業にとって欠かせない存在です。
営業成績によって報酬を渡すインセンティブ制度を設けている企業が多いので、向上心の高い人やたくさん稼ぐチャンスが欲しい人におすすめの職種です。
また、企業にとって必要不可欠な職種のため求人数が多いことや、特別な資格やスキルが求められないことから、未経験でも採用されやすいです。
営業職として働くと、コミュニケーション能力や市場リサーチ、商談の進め方など、ビジネスの基本を学べたり、社外に人脈を広げることができます。
一方で、ノルマや目標にプレッシャーを感じたり、顧客に高圧的な態度を取られたりと、ストレスを感じることも多いです。
営業の種類や企業よってノルマの多さやインセンティブの額が違うので、自分のストレス耐性や目標にあったものを選択しましょう。
新規開拓型の営業職は、精神的な負担が重いかわりに、歩合制の企業が多いので、自分の実力次第で昇進や高額な給料を目指せます。
ルート営業型の営業職は、インセンティブが低い傾向にあるものの、既存顧客への営業なので精神的なつらさは少なくなります。
営業職というと話し上手な人が求められると思いがちですが、一方的に話す人ではなく、相手の願望を聞き出す「ヒアリング力」と、相手の心を開く「コミュニケーション能力」を備えた人が重宝されます。
- 営業職のメリット
-
- 未経験で資格なしでも正社員就職しやすい
- 成果次第でインセンティブがもらえる
- 学歴関係なく実績で評価してもらえる
- コミュニケーション能力、アピール力、ビジネスマナーが身につく
- 営業職のデメリット
-
- ノルマがきつい場合がある
- 顧客の都合などで休日出勤や残業になることがある
- 成果が出せないと給料も精神面も不安定になる
- クレームを言われることがある
- 営業職に向いている人
-
- 成果が目に見えることにやりがいを感じる人
- 高い収入を得たい人
- 人と話すことが好きな人
- 全力で仕事をしてキャリアを重ねたい人
- 営業職に向いていない人
-
- 成果を回りと比べられたくない人
- 人と話すことが苦手な人
- プライベートな時間がたくさん欲しい人
- 営業職の平均年収
-
- 保険 401万円
- 不動産金融 434万円
- MR 713万円
- 営業職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- JAIC(ジェイック)(営業職の就職支援事業からスタートした就職エージェント。現在は、さまざまな職種の求人を扱うが、今でも営業職の求人に強みを持つ)
13-2.「ITエンジニア職」未経験からでも技術が身に付く
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★★☆(4/5) | 就職しやすい★★☆☆☆(2/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★★(5/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★★☆(4/5)
・就職しやすい ★★☆☆☆(2/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★★(5/5)
☆ITエンジニアの主な職種☆
プログラマー、システムエンジニア(SE)、ネットワークエンジニア、webデザイナーなど
ITエンジニア職は、職種によって仕事内容が異なりますが、主にコンピューターを動かすためのシステムを設計する仕事です。
現在も需要が高いIT業界ですが、今後もますます需要が高まっていくと予想されており、スキルを身に着ければ転職や独立がしやすく、リモートワークなど柔軟な働き方がしやすい業界です。
ITエンジニア職は高度な知識や技術が必要なので、大学中退者は「求人の応募要件を満たせない」と思うことが多いです。
たしかに、経験者向けの求人が多いのは事実ですが、今現在、IT業界の成長が著しく人材不足が深刻なことから、未経験者OKや資格を問わない求人も見つかります。
入社後に知識や技術を身につけさせたり、企業が必要な資格のサポートをしてくれたりするので、応募時に資格や経験がない大学中退者でも目指せる職種です。
また、文系出身だから働くのは難しいと考える人もいますが、ITエンジニアはプログラミング言語を利用してコンピュータに命令を伝える仕事ですので、理系の高度な数学の知識が必要な場面は少ないです。
逆に国語や英語が得意で言語能力が高かったり、顧客の要望を聞くためのコミュニケーション能力が高い人が活躍していたりします。
実際に、文系出身で未経験からITエンジニアになった人にも、理系出身者と遜色なく活躍している人がたくさんいます。
ただし、経験や資格を問わない求人には下請け会社が多く、労働時間が長くなったり、給料が低くなりがちという側面もあります。
また、未経験歓迎としていても、研修制度が整っていない企業もあり、そのような企業では充分なスキルが身につかない可能性があります。
はじめから下請けでない企業に就職するのは難しいかもしれませんが、下請けの中でも研修制度や福利厚生が整っている企業もあるので、企業研究をしっかり行いましょう。
IT業界の仕事内容は多岐に渡るので、企業研究では、その企業で働くことで得られるスキルは何か、そのスキルの需要は高いかまでチェックしましょう。
- ITエンジニア職のメリット
-
- 需要に対して供給が追い付いていないので、未経験でも正社員就職できる
- 勤務時間、服装、勤務場所などの縛りが少なく、自由な働き方ができる企業が多い
- 平均給与が高い
- 転職や独立、副業に困らないスキルが身につく
- 学歴よりスキルの高さで評価される
- ITエンジニア職のデメリット
-
- ITの技術は進化が早いので、日々勉強しないといけない
- スピードが求められる業界なので、納期に追われることが多い
- 一日中パソコンを触るので目が疲れる
- 下請け企業は激務の可能性がある
- 下請け企業の給与は職種平均より低め
- ITエンジニア職に向いている人
-
- ITに関心のある人
- 作業を効率化することが好きな人
- 仕事に困らないスキルを身に着けたい人
- 自分のスタイルで自由に働きたい人
- ITエンジニア職に向いていない人
-
- パソコンに苦手意識がある人
- 人とたくさん関わる仕事がしたい人
- 勉強を続けることを苦痛に感じる人
- 納期に追われることを苦痛に感じる人
- ITエンジニア職の平均年収
-
- テクニカルサポート 411万円
- システムエンジア(SE)・プログラマ 404万円
- webサービスエンジニア 413万円
13-3. 「公務員」受験資格に学歴条件がない職種が多い
給料★★★★★(5/5) | 長く働きやすい★★★★★(5/5) | 就職しやすい★☆☆☆☆(1/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★★★★(5/5)
・長く働きやすい ★★★★★(5/5)
・就職しやすい ★☆☆☆☆(1/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆公務員の主な職種☆
市役所職員、都道府県庁職員、警察官、消防官、税務職員、刑務官、入国警備官など
公務員は、国や地方公共団体などの職員のことで、職種は多岐に渡りますが、いずれも国民の生活をよくしたいという奉仕精神が求められます。
若い頃はさほど給料は高くありませんが、年功序列で確実に給料が上がっていくので、職種全体の平均年収は高いです。
また、福利厚生が充実しているのが特徴で、育児休暇や介護休暇などの長期休暇が取得しやすく、ライフスタイルが変わっても長く働きやすいです。
いずれの公務員も、公務員試験に合格する必要があり、平均1年程度勉強期間が必要と言われています。
公務員試験の受験資格は「年齢制限」だけの職種が多いですが、年齢が高くなるとなれない公務員の種類もあるので、興味がある大学中退者は、早めにチャレンジしましょう。
また、自衛官や海上保安庁で働くことを約束に、学費無料の学校で学びながら、国家公務員として給与がもらえる「大学校」や「学校」もあります。
大学中退者の中には、中退を後悔したり、学歴にコンプレックスを持っている人が多いですが、「大学校」や「学校」に通い卒業できれば、こういった思いを軽減できます。
公務員、大学校、学校については、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 公務員のメリット
-
- 福利厚生が充実している
- リストラや倒産の心配がない
- 年功序列で確実に昇給する
- 経歴ではなく試験結果と人柄で採用されるので、大学中退者にも平等にチャンスがある
- 同じ公務員試験に合格すれば、高卒も大卒も同じ仕事内容を任される
- 公務員のデメリット
-
- 公務員試験は出題範囲が広いので、1年程度は毎日勉強する必要がある
- 合格できないと、勉強期間がブランク期間となり、民間企業への就職に不利になる
- 成果に対する昇給やインセンティブがほとんどない
- 副業が禁止されている
- 20代は給料が低め
- 公務員に向いている人
-
- 安定した生活を送りたい人
- 利益関係なく、国民の暮らしのために働きたい人
- 大学中退のコンプレックスをなくしたい人
- 公務員に向いていない人
-
- 成果に応じた報酬でたくさん稼ぎたい人
- 副業に関心のある人
- 試験勉強に本気で取り組む意思がない人
- 公務員の平均年収(一般行政職の場合)
-
- 地方公務員 約592万円
- 国家公務員 約667万円
13-4. 「事務職」女性の大学中退者に人気
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★★★(5/5) | 就職しやすい★★☆☆☆(2/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★☆(4/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★★★(5/5)
・就職しやすい ★★☆☆☆(2/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★☆(4/5)
☆事務職の主な職種☆
一般事務、医療事務、秘書、受付、経理事務、営業事務など
事務職は、どの世代の女性からも人気No.1の職種です。
他の職種の社員がスムーズに業務を行えるようにサポートする、「縁の下の力持ち」という言葉がぴったりな職種です。
営業職や販売職のように数字を追う必要がないので、他の職種と比べてプレッシャーを感じにくく、長く働きやすい職種です。
その分、平均給与は高いとは言えませんが、比較的残業や休日出勤が少なく、プライベートを充実させながら働きやすいです。
一方で、企業の利益に直結する職種ではないため、コストカットの対象になりやすく、非正規社員を雇用する企業が増えています。
事務職とひとまとめに言っても、以下のようにたくさんの職種があります。
- 一般事務…書類の作成・仕分け、電話・来客対応、郵便物の発送・仕分けなどの業務を行います。未経験でも始めやすい定型仕事です。
- 医療事務…医療機関の事務職で、受付業務や明細書・カルテの作成を行います。専門的なワードを覚える必要がありますが、資格がなくても未経験から始められます。
- 秘書…スケジュール管理、電話・メール対応、コピー、お茶出しなど、上司の業務を円滑に進めるための業務を行います。ビジネスマナーやコミュニケーション能力が求められます。
- 受付…来客対応を主に行います。ビジネスマナーや気配り、笑顔が求められます。資格のない未経験者OKの求人が多いです。
- 経理事務…経費精算や入金管理、予算編成など、企業のお金を管理する業務を行います。簿記資格や経験を求められることが多いです。事務の中では給料が高いことから、男性も多く働いている仕事です。
- 営業事務…書類作成や顧客対応など、営業職のサポート業務を行います。営業はしませんが、営業職や顧客と密接に関わるので、コミュニケーション能力が求められます。
この中でも、一般事務や秘書、受付といった特別なスキルが無くてもできる仕事は、非正規雇用でも応募が集まるため、特に正社員求人が少なくなりがちです。
事務職に正社員就職したい人は、「MOS」「簿記」「秘書検定」などの資格取得をするか、非正規雇用で経験を積むことを検討してみてください。
- 事務職のメリット
-
- パソコンスキルを身に着けられる
- 平均残業時間が少ない
- ノルマがない
- 事務職のデメリット
-
- 競争率が高いため、就職活動が長引きやすい
- 経理事務以外は平均年収が低い
- 成果や努力が評価されにくい
- 事務職に向いている人
-
- パソコンスキルを向上させたい人
- プライベートを大切にしたい人
- ノルマのない仕事がしたい人
- 繰り返しの作業を正確に行える人
- 事務職に向いていない人
-
- 成果を出してたくさん稼ぎたい人
- 目に見える形で評価されたい人
- パソコンに苦手意識がある人
- 繰り返しの作業を苦に感じる人
- 事務職の平均年収
-
- 一般事務 335万円
- 医療事務 285万円
- 秘書/受付 326万円
13-5. 「生産工程職」モノづくりにたずさわれる
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★★☆(4/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★★☆(4/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆生産工程職の主な職種☆
食品製造工、化学製品検査工、金属検査工、機械組立工、自動車組立工など
生産工程職は、製造業界でモノづくりの仕事をする職種です。
具体的には、機械の組立や金属加工、食品やアパレル製造・検査などを工場で行います。
未経験でも簡単に覚えられる仕事から、熟練の技術や知識が必要になる仕事までさまざまで、技術や知識が必要な仕事ほど給料は高くなります。
高い給料を得たい人は、板金技能士やCADなどの専門的な資格を取得したり、知識のいる仕事を一から教えてくれる企業に応募しましょう。
大手企業の求人も多い生産工程職ですが、大手企業は非正規雇用やスキルが身につかない仕事も多いので、中小企業にも目を向けることをおすすします。
いずれの職種も正確さが求められるので、地味な作業でも丁寧に確認したり、物事をじっくり考えられる人に向いています。
男性の比率が高い職場が多いですが、肉体労働のほかに、商品梱包や食品の製造など、体力に自信のない人もできる仕事も豊富なので、女性にもおすすめできる職種です。
- 生産工程職のメリット
-
- 夜勤に入ると給料が高くなる
- 勤続年数に合わせて昇給する企業が多い
- 残業が比較的少ない
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- 生産工程職のデメリット
-
- 速さと正確性が求められる
- 同じ作業の繰り返しが多い
- 生活リズムが不規則になることが多い
- 生産工程職に向いている人
-
- 人との関りが少ない仕事がしたい人
- 同じ作業をすることが苦にならない人
- ものづくりが好きな人
- 生産工程職に向いていない人
-
- 黙々と作業をすることが苦手な人
- 人とたくさん関わる仕事がしたい人
- 成果に応じた報酬が欲しい人
- 生産工程職の平均年収
-
- 機械・金属加工 365万円
- 生産管理 464万円
- 品質管理/品質保証 461万円
- 生産工程職職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- JAIC(ジェイック)
リクナビNEXT
工場求人ナビ(工場求人専門の就職支援サービス。全国の工場の、派遣や正社員求人を豊富にそろえる)
13-6. 「サービス職」大学中退者が1番多く就職している
給料★★☆☆☆(2/5) | 長く働きやすい★★☆☆☆(2/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★☆☆☆(2/5)
・長く働きやすい ★★☆☆☆(2/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆サービス職の主な職種☆
旅館・ホテルスタッフ、飲食店スタッフ、娯楽施設スタッフ、エステティシャン、添乗員など
サービス職は、大学中退者が最も多く就職している職種です。
サービス職は、職種によって大きく仕事内容が異なりますが、顧客に形のないサービスや直接サービスを提供する仕事です。
どのような職種でも、直接顧客と関わるためやりがいを感じやすく、顧客に喜んでほしいというおもてなし精神や気配りが求められます。
また、未経験から始めやすいサービス業ですが、大手企業が多く、未経験者でも安心して働けるよう研修制度が整っていることが多いです。
大手企業は、法にのっとった働きやすい制度が整っているのも魅力です。
一方で、直接顧客と関わるため、クレームを言われたり高圧的な態度を取られることもあり、ストレスを感じやすい職種とも言えます。
また、職種にもよりますが、給料の上がり方が緩やかな企業が多く、年齢が上がったときに給料に不満を感じる人も少なくありません。
提供するサービスの内容だけでなく、ノルマの有無や平均年収、福利厚生、研修制度などを調べておきましょう。
- サービス職のメリット
-
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- お客様から直接感謝してもらえる
- 未経験者歓迎の求人が多い
- 実力主義の企業ではインセンティブがもらえる
- サービス職のデメリット
-
- 土日祝、年末年始、お盆といった世間一般の休日に休みにくい
- 大幅な昇給が見込めない企業が多い
- クレームを言われることがある
- 接客業以外で役立つスキルを身に着ける機会が少ない
- 立ち仕事が多い
- サービス職に向いている人
-
- 人に喜んでもらうことにやりがいを感じる人
- 人と関わることが好きな人
- 学歴ではなく実績で評価されたい人
- サービス職に向いていない人
-
- 人と関わることが苦手な人
- 高い年収を得たい人
- 土日祝、年末年始、お盆に働くことに抵抗がある人
- サービス職の平均年収
-
- フロント業務(宿泊施設・ホテル) 294万円
- ホール・サービススタッフ 292万円
- 旅行手配・ツアーコンダクター 335万円
- サービス職に強い就職エージェント・求人サイト
13-7. 「販売職」大学中退者が2番目に多く就職している
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★☆☆☆(2/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★☆☆☆(2/5)
☆販売職の主な職種☆
家電販売員、携帯ショップ店員、アパレル販売員、スーパー販売員、百貨店販売員など
販売職は、大学中退者が2番目に多く就職している職種です。
来店したお客様に、自社の商品を勧めて販売する仕事なので、人との会話を楽しめる人や、おもてなし精神が強い人に向いています。
サービス職同様、未経験でも大手企業に正社員就職できるチャンスがあり、大手企業では充実した福利厚生を提供している企業が多いので働きやすいです。
また、未経験から始めても、店長クラスになれるチャンスがあり、店長クラスまでは他の職種より昇進しやすいというメリットがあります。
一方で、店長クラス以上の昇進は、エリアマネージャーや本社社員など人数に限りがある役職ばかりなので難しく、大幅な昇給は見込めないために不安を感じる人もいます。
昇給を求めて転職をしようとしても、接客スキル以外に得られるスキルが少ないので、接客業以外の業種への転職が難しいという点も知っておくべきでしょう。
また、直接顧客の喜んでいる姿を見られるのでやりがいを感じやすい反面、直接クレームを言われることもあり対人ストレスが大きいという一面もあります。
企業によって、ノルマの有無や福利厚生の充実度、土日祝の休みやすさなどが異なるので、企業研究をしっかり行いましょう。
- 販売職のメリット
-
- 未経験者歓迎の求人が多い
- 実力主義の企業ではインセンティブがもらえる
- お客様から直接感謝してもらえる
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- 平日に休みやすい
- 販売職のデメリット
-
- 大幅な昇給が見込めない企業が多い
- ノルマがきつい場合がある
- 立ち仕事が多い
- クレームを言われることがある
- 土日祝、年末年始、GWなど世間一般の休日に休みにくい
- 販売職に向いている人
-
- 学歴ではなく実績で評価されたい人
- 実力を目に見える形で評価されたい人
- 人と話すことが好きな人
- 体力に自信がある人
- 販売職に向いていない人
-
- 人と話すことが苦手な人
- 体力に自信がない人
- 売り上げで比べられたくない人
- 他業種でも役立つスキルを身に着けたい人
- 販売職の平均年収
-
- 店長・販売スタッフ 325万円
- 販売職に強い就職エージェント・求人サイト
13-8. 「介護職」超高齢社会の中で需要が高い職種
給料★★☆☆☆(2/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★☆☆☆(2/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆介護職に含まれる職種☆
介護士、ホームヘルパー、介護福祉士、ケアマネージャーなど
介護職は、介護サービスの利用者さんに対して身体介護や生活援助を行うことが主な仕事で、利用者から感謝されることも多いやりがいのある仕事です。
「令和3年版高齢社会白書(全体版)」によると、令和2年10月1日の時点で65歳以上の高齢者の全人口に占める割合は28.8%に及びます。
超高齢社会の中で介護職は求められている職種ですので、今現在求人数が非常に多く、就職もしやすい状況にあります。
介護業界は女性が多く働いていて、例えば介護職なら女性比率は73%、訪問介護員なら88.6%を占めますが、力仕事も多いので男性も活躍できる職種です。(※)
介護職として働く場合、利用者の身体に触れる身体介護に携わるには、3か月ほどで取得できる介護職員初任者研修の資格が必要になります。
無資格でも身体介護以外の仕事に介護助手として働くことができるので、働きだしてから資格を取得することもできます。
介護職は対人の仕事なので、コミュニケーション能力やストレス耐性、体力が必要とされます。
難関の資格であるケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を取得すると、現場の介護の仕事ではなく、ケアプランの提案をする仕事に就くこともできます。
※出典:「介護人材と介護福祉士の在り方について」平成26年
- 介護職のメリット
-
- 求人が多く就職・転職がしやすい
- 感謝されることが多く、やりがいを感じられる
- 資格取得でキャリアアップができる
- 仕事の経験を家族の介護に活かせる
- 介護職のデメリット
-
- 身体的負担が大きい
- 関わる人が多く人間関係に悩むことがある
- 夜勤や土日勤務がある
- 他職種に比べて給料が低い
- 介護職に向いている人
-
- お年寄りとの関わりを楽しめる人
- 細やかな気配りができる人
- やりがいのある仕事がしたい人
- 力仕事や夜勤に抵抗がない人
- 将来性のある仕事をしたい人
- 介護職に向いていない人
-
- コミュニケーションが苦手な人
- 潔癖症な人
- 体力がない人
- 高年収を得たい人
- 土日勤務や夜勤に抵抗がある人
- 介護職の平均年収
-
- 介護職員(医療・福祉施設等) 約363万円
- 介護職に強い就職エージェント・求人サイト
-
- JAIC(ジェイック)
リクナビNEXT
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13-9. 「保育士」子供の成長を感じられる職種
給料★★☆☆☆(2/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★☆☆☆(2/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
保育園で、子供のお世話をしたり、楽しく遊んだり、様々な行事を行ったりして、子供の成長を促すのが、保育士の仕事です。
保育園以外でも、病院やレジャー施設等、子供がたくさん訪れる場所で、保育士資格を取得している人を対象とした求人が出ていることがあります。
保育士は、人材が不足しているので求人がたくさんあり、引っ越しをしてもどこでも保育園はあるので働きやすい職業です。
給料は労働時間に比べて安いといわれていますが、徐々に改善される方向にはあるようです。
保育士になるには、まず保育士資格を取得しなければなりません。
保育士資格を取得するには、
- 専門学校や短大などに通って保育士養成課程を修了する
- 教材などを利用して勉強をして保育士試験に合格する
の二つの方法があります。
平成26年に東京都福祉保健局が、「保育士資格を取得するのにどういった方法をとったのか」アンケートを取った結果を見てみると、
- 短期大学の保育士養成課程 33.8%
- 通信教育などで学んだ後、保育士試験 24.9%
- 専門(専修)学校の保育士養成課程 23.3%
- 大学の保育士養成課程 16.0%
- その他、無回答
となっており、短期大学に通って保育士資格を取得した人が1番多いです。
しかし、学校に行くための時間がなかったり、授業料が払えないといった人が、通信教育などで学んでいることが多く、2番目に多いという結果になっています。
学校に通わなくても、資格が取得できるのでチャレンジしやすい職種といえるでしょう。
ただし、保育士試験の受験資格を満たすには、大学中退をするまでに、大学に2年以上通い62単位以上取得している必要があります。
もしこの受験資格を満たせない場合は、児童福祉施設で保育士補助などとして定められた期間就労することでも受験資格を得ることができます。
受験資格について詳しくは、一般社団法人全国保育士養成協議会の「保育士試験受験資格」を参考にしてください。
保育士試験を受ける場合は、実技試験に、弾き歌いや絵で表現するといったものがあるので、ピアノやギター、アコーディオンのどれかを演奏できなければならず、絵心も求められるので練習が必要になります。
- 保育士のメリット
-
- 自分自身の子育てにも経験を活かせる
- 職場が子育てに理解がある
- 働ける場所がたくさんある
- ライフスタイルに合わせて働き方を変えられる
- 保育士資格は更新がないので一生涯有効な資格
- 保育士のデメリット
-
- 勤務時間が長い
- 休日出勤をする場合がある
- 給料が低め
- 保育士に向いている人
-
- 子供との触れ合いを楽しめる人
- 体力がある人
- コミュニケーション能力がある人
- 観察力がある人
- 柔軟な対応ができる人
- 保育士に向いていない人
-
- 潔癖症な人
- 体力がない人
- 人付き合いが苦手な人
- 決められたことしかできない人
- 保育士の平均年収
-
- 保育士 約391万円
13-10. 「建設業の職種」作ったものが形に残る職種
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★☆(4/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★☆(4/5)
☆建設業の職種に含まれる職種☆
大工、とび、左官、設備、施工管理など

建設業の職種は、自分が作り出した建築物やインフラが形に残る、やりがいを感じることができる仕事です。
建設業では、大工や土木、設備工(電気、水道、空調他)といった、様々な建設作業員の求人が常に募集されています。
肉体労働のため体力は必要ですが、学歴や資格を問わない求人が多いので、大学中退者などの未経験者でも就職しやすい職業です。
未経験からはじめても、経験を積んだり資格を取得すれば、職人や技術者、現場監督などにステップアップしていくことができます。
現場の力仕事に自信がない人は、施工管理の仕事がおすすめです。
施工管理は、工事現場の工程・予算・安全の管理、役所への手続きや書類作成など、工事に関わるすべてのことを管理します。
施工管理は未経験から働きはじめることができ、国家資格の施工管理技士を取得することでキャリアアップをすることもできます。
施工管理の給料は一般的な水準に比べても高めなので、給料にこだわりたい人にもよい職種です
建設業の仕事にはキツイというイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、建設業の職種で働く人の人材不足と高齢化が進んでいることから、若者に魅力を感じてもらえるように、業界全体でICT(情報通信技術)やドローンを活用するなどして働き方改革を進めているので、以前に比べて働きやすい環境になってきています。
- 建設業の職種のメリット
-
- 社会貢献度が高い
- 自分の作ったものが形に残る
- 大勢の仲間と一つのものを作り上げる達成感がある
- 資格や技術を身につけることでキャリアアップできる
- 公共事業があるので需要がなくなりにくい
- 建設業の職種のデメリット
-
- 仕事量が多い
- 責任が重い
- 景気に影響されやすい
- 建設業の職種に向いている人
-
- 体力がある人
- コミュニケーション能力がある人
- チームワークを大事にできる人
- ストレス耐性がある人
- 建設業の職種に向いていない人
-
- 体力がない人
- 大雑把な人
- 危機管理ができない人
- 建設業の職種の平均年収
-
- 大工、とび、左官、設備 344万円
- 施工管理(建設/土木) 451万円
- 施工管理(内装/インテリア) 434万円
- 建設業の職種に強い就職エージェント・求人サイト
13-11. 「輸送・機械運転職」入社後に運転免許が取れる
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★★(5/5) | 専門的なスキルが身につく★★★☆☆(3/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★★(5/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★☆☆(3/5)
☆輸送・機械運転職に含まれる職種☆
配達ドライバー、タクシードライバー、トラック運転手、フォークリフト運転作業員、電車運転士、航空貨物業務スタッフなど
輸送・機械運転職は、物流業界で活躍している職種です。
鉄道や船舶・航空機関係は、求人数が少なかったり、資格が必要だったりするので、大学中退者からは就職が難しい職種ですが、自動車運転関係の職種であれば、普通自動車運転免許を持っていれば、学歴や年齢、経験に関わらず、ほとんどの求人に応募できるのでおすすめです。
自動車運転職を未経験からはじめても、入社後に、フォークリフトやクレーン車、二種、大型車などの資格を会社負担で取得して、昇給やステップアップする人も多いです。
トラックドライバーは、一般的に車種が大きくなればなるほど給料が高くなる傾向にあるので、大型免許を取得することで高年収を得ることもできます。
また最近では、割合はまだ少ないですが、運転職として活躍する女性も増えています。
国も女性ドライバーを増やそうと「トラガール促進プロジェクト」を立ち上げ、情報発信や女性を採用する企業の支援を行っていることから、これからますます女性が活躍するケースが増えてくるでしょう。
以前にトラックドライバーの労働環境が問題視されたことから、今現在、働き方改革が業界全体で実施されており、日に日に働きやすい環境が整ってきています。
2024年には時間外労働の上限規制も始まることから、さらなる労働環境の改善が期待できます。
大学中退者の就職者は少ない職種ですが、インターネット通販の利用者が増えていることから物流業界への需要は非常に高く、配達ドライバーやタクシードライバー、トラック運転手などは、人手不足の状況なので求人が多く就職しやすい職種です。
- 輸送・機械運転職のメリット
-
- いろいろな所に行くことができる
- 運転がうまくなる
- 需要が高い
- 人間関係に悩まされない
- 輸送・機械運転職のデメリット
-
- 肉体的な負担が大きい
- 労働時間が不規則
- 長時間労働の可能性がある
- 事故のリスクがある
- 輸送・機械運転職に向いている人
-
- 体力がある人
- 運転が好きな人
- 責任感が強い人
- 輸送・機械運転職に向いていない人
-
- 体力がない人
- 単調な仕事ができない人
- 一人で過ごすのが苦手な人
- 輸送・機械運転職の平均年収
-
- 営業用大型貨物自動車運転者 約477万円
- 営業用貨物自動車運転者(大型車を除く) 約438万円
- タクシー運転者 約361万円
13-12. 「塾講師」自身の学力や知識を活かせる
給料★★★☆☆(3/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★☆(4/5)
・給料 ★★★☆☆(3/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★☆(4/5)
塾講師は、生徒の学習指導や授業の準備、テストの採点などを行う職種です。
生徒の成長を実感できたり、自身の学力や知識を活かせたり、生徒の成績が向上すると感謝される、やりがいのある職種です。
塾講師になるには、学歴要件として大卒以上や短大卒以上を求められると思われがちですが、入試に合格していれば採用されるケースも多く、求人情報に「大学中退可」と記載している求人も多数あります。
学力が求められる仕事ですので、偏差値の高い大学に合格しているほうが採用で有利になりますが、教員免許を求められることはほとんどありません。
人手不足の職種でもあるので、未経験者を募集している塾も多く、未経験から入社しても導入研修や模擬授業を行うことで、講義をスムーズに行えるように仕組みを作っている塾が増えています。
学習塾の形式には、多数の生徒を相手に講義を行う集団指導と、生徒に個別に講師が付き指導を行う個別指導の二つの形式があります。
一般的には、集団指導を行う塾のほうが学力が高い人が通うケースが多く、指導の要求水準が高いため、給料は高い傾向にあります。
個別指導を行う塾は、集団指導の塾に比べると給料が低めになっていますが、今現在は個別指導を求める生徒や保護者が増えているため、個別指導塾が増えてきています。
塾の求人では、塾講師だけでなく、塾長を求める求人も多いので、塾の運営や講師のマネジメントなどに興味がある人は、塾長を目指してみるのもよいでしょう。
- 塾講師のメリット
-
- プレゼンテーション能力や教える力が身につく
- 生徒が志望校に合格した時の喜びが大きい
- 自身の学力や知識を活かせる
- 塾講師のデメリット
-
- 残業が多い
- 土日祝日に休めない
- 塾講師に向いている人
-
- 学力がある人
- 人に教えるのが好きな人
- 面倒見が良い人
- 子供と関わるのが好きな人
- 根気強い人
- 塾講師に向いていない人
-
- 人前で話すのが苦手な人
- 感情的になりやすい人
- コミュニケーション能力が低い人
- 土日出勤や時間外労働をしたくない人
- 塾講師の平均年収
-
- 個人教師、塾・予備校講師 約394万円
- 塾講師に強い就職エージェント・求人サイト
13-13. 「看護師」患者さんに感謝される職種
給料★★★★☆(4/5) | 長く働きやすい★★★☆☆(3/5) | 就職しやすい★★★★☆(4/5) | 専門的なスキルが身につく★★★★★(5/5)
・給料 ★★★★☆(4/5)
・長く働きやすい ★★★☆☆(3/5)
・就職しやすい ★★★★☆(4/5)
・専門的なスキルが身につく ★★★★★(5/5)
女性が「手に職をつける」といった場合に、就職・転職がしやすく、給料も高い看護師をイメージする人が多いです。
看護師の仕事は、医師の指示を受けて、病気や怪我をした患者の診療補助をすることです。
時には、患者とその家族に寄り添って心のケアをしたり、入院患者の食事や入浴、排泄といった療養生活の介助をすることもあります。
医療の知識と技術の他にも、医師や患者、家族と上手にコミュニケーションを行う能力が必要になります。
看護師が働く場所には、
- 病院
- 診療所
- 介護施設
- 訪問看護ステーション
- 企業の医務室
などのように、医療機関以外にも活躍の場がたくさんあります。
看護師として働くためには、国家資格の「看護師国家試験」に合格して、看護師免許を取得する必要があります。
高等学校の普通科を卒業した人の場合は、下のいずれかの看護学校に通って受験資格を得た後、「看護師国家試験」に合格して免許を取得するのが一般的です。
- 看護大学(4年)
- 看護短期大学(3年)
- 看護専門学校(3年)
看護大学(4年)に通った場合でも、大学3年時で受験資格を得られるので、最短3年で看護師として働くことができます。
看護師の平均年収は約508万円ですが、深夜勤務や休日勤務といった給与以外の手当が厚いので、働き方によってはもっと高額な年収も望めます。
看護師は地域を問わず需要があり、高齢化社会にともなって求人が増えています。
また、派遣やパート、夜勤のみの求人も多いので、「常勤」にこだわらない人は、家庭と仕事の両立やプライベートを優先した「非常勤」として働くこともできます。
- 看護師のメリット
-
- 給料が良い
- 就職・転職しやすい
- 患者さんから感謝される
- 子育て制度が充実している職場が多い
- 看護師のデメリット
-
- 残業や夜勤が多い
- 責任が重い
- 看護師に向いている人
-
- コミュニケーション能力が高い人
- 人の役に立ちたいという思いがある人
- 体力がある人
- 機転が利く人
- 責任感や向上心がある人
- 看護師に向いていない人
-
- 不規則な時間に働きたくない人
- 体力がない人
- 人間関係をうまく構築できない人
- プレッシャーに弱い人
- 手先が不器用な人
- 看護師の平均年収
-
- 看護師 約508万円
税理士や公認会計士、社会保険労務士や行政書士など、士業の仕事も大学中退者におすすめできます。
士業の資格は難関ですが、取得できれば資格を活かして就職活動ができるので、大学中退の学歴がハンデになることがほとんどなくなります。
また、士業の資格を持っている人だけができる独占業務もあることから、就職後は安定して働き続けられる仕事が多いです。
士業の仕事については、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にしてみてください。
14. 大学中退者が就職した時の給料額
大学中退者が就職すると、どのくらい給料が貰えるのでしょうか。
「大学中退後に、はじめて正社員就職した初年度の年収」について、アンケートを行ったので結果を見ていきましょう。
1位は251~300万円で、大学新卒の初年度平均年収と同等程度であることが分かりました。
1位と僅差の2位151~200万円は、高卒の初年度平均年収と同等程度なので、大学中退者は高卒か大卒いずれかと同じ程度の年収を得ることができるようです。
しかし、初年度の平均年収は大卒、高卒、大学中退者ともに大差はありませんが、残念ながら年齢が上がっていくほどに大卒との差が開いていく傾向があります。
厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、大学や大学院を卒業した場合、全年代の平均月収は男性で39万円、女性で28万円とされています。
一方で高卒の場合、男性で28万円、女性で20万円が平均月収とされていて、男女ともに10万円前後の差があります。
また、月収だけではなく賞与にも差が開くことから、大学・大学院卒の場合、男性の生涯賃金は2億5440万円、女性が1億9,750万円が平均なのに対し、高卒では男性が1億9240万円、女性1億2550万円が平均となっています。(労働政策研究研修機構「ユースフル労働統計 2014」)
生涯年収においては、大卒と高卒で男女ともに5,000万円前後の差があります。
このような解説を聞くと、就職意欲が薄くなるかもしれませんが、正社員就職の機会を逃してフリーターを続けてしまうと生涯年収はさらに低くなってしまいます。
また、これは全ての職種の平均です。
どのような学歴でも、経験を積んでキャリアアップ転職をしたり、インセンティブが入る職種を選ぶなど、努力次第で平均以上の年収を得ることが可能です。
大学中退者が大卒や短大卒扱いになることも
大学中退者は、企業から高卒として扱われることが多いですが、「大学での在籍期間」や「人物評価」によって、大卒として扱われたり、短大卒として扱われることがあります。(※)
求人応募の段階で、「大卒以上」の求人に応募できることは少ないですが、中には応募を許可してくれる企業もあるので、就職したい企業があるのでしたら、事前に問い合わせてみるのもよいでしょう。
入社後に、大卒や短大卒扱いにしてもらえれば、高卒者よりも昇格や給与面で優遇してもらえる可能性があります。
※出典:リクルートエージェント「人事担当者に聞く「大学中退者の扱い」は?」
15. 10代の大学中退者は就職で不利になる?
大学中退をして10代で就職活動を行う場合、年齢がネックになって就職が難しくなるのではと心配する人も多いです。
年齢が若いことによる影響は、よい面も悪い面もありますが、大学中退者の就職においては有利になることがほとんどです。
まず、よい面からお伝えすると、平成19年に雇用対策法が改正されてから、求人の応募条件で、年齢制限を行えないので、年齢が原因で応募できる求人が減ることはありません。
また、10代であろうと20代であろうと、企業から見た大学中退者は、最終学歴が高卒で、仕事未経験であることに変わりはありません。
むしろ、年齢は若ければ若いほど今後の成長に期待してもらえたり、職場にフレッシュな風を入れてくれるのではと前向きに捉えてもらえることが多いです。
一方で、落ち着いた人を採用したいと考える企業では、10代の人は仕事に対する意識の違いから頼りなく見られたり、職場の雰囲気に合わないと思われることがあります。
このような印象を解消するためには、履歴書や面接で強みである若さやフレッシュさだけをアピールするのではなく、協調性や成長意欲などもアピールして、今後に期待できると思ってもらうことが大切です。
注意したいのは、正社員を目指した就職活動がしたくないからと、フリーターになってアルバイトを続けてしまうことです。
フリーターの経験は、就職活動で評価されることが少ないため、フリーターを続ければ続けるほど、評価される仕事経験を積めないまま年齢が高くなり、就職するのが難しくなるので、正社員を目指すなら、なるべく早く就職活動に動き出すことが大事です。
16. 有名大学を中退したら、就職で有利になる?
東大や京大、慶応や早稲田など、偏差値の高い有名大学を中退した人には、起業して大成功した人もいますが、就職する場合は、有利になるのでしょうか?
有名大学を中退したとしても、最終学歴は高卒ですので、「高卒以上」「学歴不問」の求人にしか基本的に応募できません。
しかし、「高卒以上」「学歴不問」の求人においては、中退した大学の偏差値が高いほど、評価が高くなることがあります。
大学中退していると、継続力がない印象を持たれやすいですが、偏差値の高い大学を中退していると、少なくとも入学するまでは勉強を継続していたことが分かるからです。
また、学力があることの証明にもなり、論理的思考能力が高く、仕事でも成果を出してくれるのではないかと評価してくれる企業も多いです。
注意したいのは、「中退しているとはいえ有名大学に通っていたのだから、大学名だけで採用されるだろう」と、就職活動対策を怠ってしまうことです。
どれだけ偏差値の高い有名大学でも、中退すれば学位はありません。
中退というネガティブな印象よりも、有名大学に入学できたというポジティブな印象を強く持ってもらえるように、中退という事実を受け入れた上で、前向きに中退理由を話せるようにしておきましょう。
17. 大学中退者は離職率の高い業界を避けるべき?
皆さんが実際に仕事を行う可能性のある企業には、離職率の高い業界に分類される企業もあります。
ここからは、大学中退者は離職率の高い業界を避けるべきなのかを、産業別の入職率・離職率や平均年収と照らし合わせながら解説していきます。
働きやすい企業の特徴も解説するので、離職率の高い業界に関心のある人や、企業選びのポイントを知りたい人は参考にしてください。
17-1. 産業別の入職率・離職率
以下の図は、厚生労働省が調査した「令和2年の産業別入職率と離職率」を、離職率が高い順に並べ変えたものですので見ていきましょう。
※産業別入職(離職)率とは、特定の産業の全労働者に対する、新たに就業(離職)した労働者の割合。
出典:厚生労働省「産業別の入職と離職(図3-1)」令和2年(2020年)
離職率の高い業界の上位4位は以下の通りで、いずれも、サービスの対象が法人ではなく個人の消費者という共通点があります。
- 1位:宿泊業・飲食サービス業 26.9%
- 2位:他に分類されないサービス業(廃産物処理・自動車整備・職業紹介・労働者派遣業・宗教など) 19.3%
- 3位:生活関連サービス業(洗濯・理容・美容・浴場業・娯楽業) 18.4%
- 4位:教育・学習支援 15.6%
個人の消費者を対象とした業界の離職率が高い理由としては、
- 世間一般の休日(土日祝、年末年始、お盆)に働かないといけない
- クレーム対応をしないといけない
- 勤務時間が不規則な場合がある
といったことが挙げられます。
一方でメリットもあり、
- 未経験でも始めやすい
- シフト制で柔軟に働ける
- 華やかな職場が多い
といったことから、入職率が高いのも特徴です。
17-2. 離職率は平均年収に関係している
業界の離職率は、その業界の平均年収が大きく関係しています。
国税庁による「令和元年分民間給与実態統計調査結果」で、業界ごとの平均年収を見てみましょう。
- すべての業界の平均年収
- ・約436万円
- 離職率の低い業界の平均年収
-
・金融業・保険業 約627万円
・複合サービス事業 約411万円
・情報通信業 約598万円
・製造業 約513万円
- 離職率の高い業界の平均年収
-
・宿泊・飲食サービス業 約259万円
・サービス業 約359万円
・不動産業・物品賃貸業 約423万円
・卸売業・小売業 約375万円
となっていて、離職率の低い業界は平均年収が高めで、離職率の高い業界は平均年収が低めであることが分かります。
どのような仕事にも大変なことはありますが、仕事が辛いと感じたときに、給与が低かったり、昇給が見込めないとモチベーションが保ちにくいからです。
また、給与が低いと、転職しても大幅に給与が下がることがないので、転職に抵抗がなくなってしまうことも、離職率の高さに繋がっていると言えます。
そのため、仕事を選ぶときは、どの程度給料を重視するのかをしっかり考えた上で決めると、早期離職しにくいと言えます。
17-3. 離職率が高い業界の企業=ブラック企業ではない
ここまで業界別の離職率について解説してきましたが、離職率の高い業界の企業=ブラック企業ではありません。
ブラック企業の特徴として、
- 残業が多い
- 休日が少ない
- 職場の雰囲気が悪い
- ノルマがきつい
などが挙げられますが、宿泊業やサービス業、小売業など離職率が高いとされる業界でも、働きやすい環境が整った企業はたくさんあります。
逆に、金融業・保険業、情報通信業などの離職率が低いとされる業界でも、残業が多く、ノルマがきつい企業もあります。
業界ごとの離職率の高さが、企業選びの一つの目安となるのは事実ですが、それだけを見て関心のある仕事を諦める必要はありません。
ただし、上記で解説したように、離職率の高い業界の平均年収が低いことは事実なので、高収入を目指している人は、平均年収の高い業界を選ぶのも一つの手です。
17-4. 働きやすい企業の特徴
離職率が企業選びの目安にしかならないのであれば、どうすれば働きやすい環境の求人を見つけられるのでしょうか。
ここからは、働きやすい企業の特徴を4つ解説します。
- 残業時間が明確
- 求人に平均残業時間が記載されていたり、面接で「月に20時間ほど残業してもらう可能性がありますが大丈夫ですか」と質問をしてくるなど、明確な残業時間を示している企業は、入社後のギャップを減らす努力をしています。
実際の残業時間は、事前に提示されていた残業時間と同じ程度のことが多いです。 - 年間休日数が120日前後
- 企業全体の平均年間休日数は120日と言われています。
土日祝、お盆、年末年始を休むと120日前後となるので、ある程度プライベートな時間を作るためには必要な休日数です。 - 昇給・賞与実績が記載されている
- 求人に昇給・賞与の実績が記載されている企業では、入社後も記載内容に近い待遇を受けられることが多いです。
- 基本給が高い
- 成果に対して支払われるインセンティブや賞与は、企業や個人の利益によって変動するので、あまり安定していません。
対して基本給は決められた額が必ず支払われるので、基本給が高い企業は生活が安定します。
離職率が高いとされる業界でも、これらに当てはまる企業では、働きやすい可能性が高いです。
それなりに従業員数がいる企業は、企業の口コミサイトに従業員のリアルな口コミが書かれているので、職場環境の参考にしてみてください。
18. 大学中退者は就職する際に中退の証明書が必要?
大学中退後に就職した100人の方に、就職する際に学歴の証明書を求められたかアンケートを取った結果が以下ですので、見てみましょう。
大学中退者は、最終学歴が高卒になるので、高等学校の卒業証明書を求められるケースと、大学中退の証明書を求められるケース、めったにはありませんが、両方を求められるケースがあります。
また、就職時に学歴の証明書を求められないケースも多いことがアンケート結果からわかります。
大学中退の証明書を求められた場合は、退学証明書を提出するのが一般的です。
まだ退学手続きが完了していない場合は、成績証明書や在学証明書を提出することができます。
これらの証明書は、学校で受け取ることもできますし、郵送で送ってもらえる場合も多いです。
証明書の見本や証明書の詳しい発行方法については、以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
大学中退者は就職時に退学証明書が必要?中退を証明する書類4種類と発行方法
19. 大学を退学するための手続き方法
大学中退をした人には、なんとなく大学に行かなくなり、そのまま中退をしたという人もいます。
しかし、退学の手続きをしないと、その間は大学に在籍していることになるので、学費の支払いが必要になります。
子供は大学に行っていないにも関わらず、親が無駄にお金を払い続けているケースもあります。
また、学費の支払いが行われないと、家に
一般的な退学手続きの手順は以下のようになっています。
- 退学届には親のサインや印鑑が必須。親の同意を得る
- 退学届をもらう
- 退学届に必要事項を記入する
- 指導教員や教授と面談を行い、承認印をもらう
- 学生証と一緒に退学届を提出する
大学を退学するための手続きについては以下の記事で詳しく解説しているので、記事を参考にしながら退学手続きを行っておきましょう。
また、大学中退関連のその他の手続きである、
- 奨学金をストップさせる手続き
- 休学の手続き
などについては、以下の記事で解説しているので、こちらも見ておくと役に立つはずです。
20. 大学中退は人生終了?クズ?大学中退してよかったと思っている人の特徴
インターネットで調べると「大学中退は人生終了」「大学中退はクズ」などマイナスなことを書かれているので、落ち込む大学中退者が多いです。
しかし、大学中退者の人生がそこで終わることはなく、もちろんクズなんてこともありません。
実際、「大学中退をしてよかった」と思っている人はたくさんいます。
それでは、どのような人が大学中退をしてよかったと思っているのでしょうか。
大学中退をしてよかったと今現在思っている30人の方に、以下の質問項目について体験談を作成してもらいました。
- ハンドルネーム
- 大学の中退理由は?
- 大学中退をした当初、中退したことをどのように思っていましたか。
- 大学中退をしてよかったと思うに至った理由を教えてください。
- 大学中退をしようと思っている人に、どのようにすれば「大学中退してよかった」と思えるようになるのかアドバイスをお願いします。
以下の記事にまとめて掲載しているので、こちらも参考にしてください。
体験談からわかった大学中退をしてよかったと思っている人の特徴には、以下のようなものがあります。
- 大学中退をする前に本当に大学中退が必要かよく検討した
- 大学中退後どのような進路に進むのかよく検討した
- 進んだ道で努力をして今の状況に納得できている
この中でも大事なのが、過去の大学中退の事実は変えられないとしても、現状が納得いく状態になっていれば過去のとらえ方が変化するということです。
一時的に後悔したり、悩んだりしたとしても、努力して今現在の状況に納得できるようになれば、大学中退を肯定できるようになります。
21. まとめ
考え方の多様化が広がっている現代は、以前に比べて大学中退へのマイナスイメージが減ってきています。
就職活動を成功させるには、自分に自信を持って面接に臨むことが大切です。
まずは大学中退を振り返り、「あの時は中退するしかなかった」「中退という失敗をしたから成長できた」など、自分の中で大学中退を受け入れることから始めましょう。
また、就職エージェントやハローワークなど様々なサービスを利用して、一人で悩まずに効率よく就職活動を行いましょう。
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岸 憲太郎
・株式会社ウェイズファクトリー代表取締役
・関西大学総合情報学部卒業
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