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最終更新日: 2022年5月13日
大学中退者の就職が難しい理由は?対策とおすすめ7職種、求人サイトも紹介
文部科学省が2020年4月から2021年3月に大学中退した人を対象に行った調査によると、1年間の大学中退者数は5万7,913人で、大学中退率は1.95%でした。(※1)
おおよそ「100人中2人」が大学を中退していますが、大学中退すると就職が難しいと言われることもあり、不安に思う大学中退者が少なくありません。
しかし、多くの企業で若者が不足していることから、経歴より将来性を期待して採用する企業が増えています。
そのため、大学中退者の就職活動の現状を把握し、一つ一つ対策すれば、大学中退者も正社員就職できます。
この記事では、企業の採用担当者数百名と情報交換してきた経験を元に、大学中退者の就職活動が難しい理由と、大学中退者が就職活動を成功させる方法について詳しく解説します。
また、大学中退者が就職したときに貰える給料の相場や、おすすめ職種7選、大学中退者におすすめの求人サイトも紹介するので、就職を考えている大学中退者は参考にしてください。
※1 出典:文部科学省「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」2021年3月
目次
1. 大学中退者の就職率は33.9%。就職が難しい理由4つ
大学中退者の就職活動は難しいと言われますが、大学中退者と大卒ではどのくらい就職率が違うのでしょうか。
以下は、2012年に独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った「大学等中退者の就労と意識に関する研究」の調査結果です。
これによると、20~29歳の大学・大学院中退者の正社員就職までの期間は、
- 離学前:0.9%
- 離学から3か月以内:10.4%
- 3年以内:11.8%
- 3年超:2.7%
- 正社員時期不明:8.1%
- 正社員移行なし・未就業など:66.1%
となっており、すべての期間の正社員就職率を合わせると、大学中退者の正社員就職率は33.9%となります。
同じ年齢の大卒の正社員就職率は69.1%ですので、大卒と比べると半分程度しか正社員就職できていません。
この結果は、就職活動をしていない人も含まれるので、就職活動をした人だけでデータを取ればもう少し就職率は上がるはずですが、大学中退者の66.1%が非正規雇用または未就業という現実があります。
しかし、なぜ大学中退をするとここまで正社員就職率が低くなるのでしょうか。
ここからは大学中退をすると就職が難しくなる4つの理由を見ていきましょう。
1-1. 仕事を継続する力がないと思われる
大学中退にはさまざまな事情があることは、企業の採用担当者も分かっていますが、
「大学を途中で辞めたように、仕事も辛い状況になるとすぐに辞めてしまうのではないか」
と、仕事を継続する力がないことを不安視されます。
企業は採用活動や人材育成にたくさんの時間と費用をかけているので、企業に貢献する前に辞められると、その人に費やした時間と費用が無駄になってしまいます。
そのような事態を避けるために、大学中退者のような早期離職の可能性が高い人材の採用に慎重になる企業が多いです。
1-2. 最終学歴が高卒のため、応募できる求人が限定される
大学中退者の最終学歴は「高卒」になるので、応募条件が「大卒以上」の求人には基本的に応募できません。
しかし、実際にどのくらいの求人が応募条件を「大卒以上」としているのでしょうか。
人材会社dodaが約15,000件の中途採用求人を調査した結果によると、44%の求人が「大卒以上」の人材を求めていることが分かりました。(※)
特に、大企業の総合職など、論理的思考や頭の回転の速さが求められる職種で、「大卒以上」を求める傾向にあります。
大学を卒業している=一定の思考力があると判断されるためです。
そのため、大学中退者は大卒と比べると職種や企業規模など、応募できる求人の幅が狭くなります。
※出典:doda「学歴は中途採用で求められる?−学歴と転職の関係−」
1-3. 中途採用での応募になるため、募集人数が少なく、即戦力も求められる
大学中退者は、基本的に新卒採用の求人に応募できないので、中途採用の求人に応募します。
新卒採用では大量の募集が出ることも多いですが、中途採用は基本的に欠員補充を目的としているので募集人数は少ないことが多いです。
また、新卒採用では、人材育成を視野に入れ、初めから仕事ができる即戦力を求めないので、大学名を除くと全員が同じ土俵で就職活動ができます。
一方、中途採用では、人材育成にかかる時間とコストの削減や、自社にない新しい知識の獲得を目的に、即戦力の経験やスキルを求める企業が多いです。
しかし、ほとんどの大学中退者はアピールできる経験やスキルを持っておらず、企業が求める人材とマッチしくいため、なかなか採用に至りません。
同じ求人に応募しているライバルが経験者であることも多く、経歴に差がある状態で就職活動しないといけないことも、大学中退者の就職を難しくしています。
1-4. 就職活動について相談できる人が少ない
大学在学中の就職活動では、大学で就職活動の講義が行われたり、面接対策や履歴書対策、個別の進路相談など、様々なサポートが受けられます。
また、周囲の友人も就職活動をしているので、悩みや情報を共有することができます。
一方で大学を中退すると、大学のサポートが受けられず、周囲に就職活動をしている人も少ないため、就職活動の情報が不足しがちです。
就職活動では、
- どれだけ自己分析や企業研究ができるか
- 就職活動マナーができているか
- 求人の探し方を知っているか
といったことが結果を左右しますが、一人で調べるには限界があります。
このような就職活動情報が不足してしまうと、対策が充分にできていないために長所を上手く伝えられず、なかなか採用にいたりません。
2. 大学中退者が正社員就職するための就職活動方法
ここまで、大学中退者の就職活動が難しい理由について解説しました。
大学中退者の就職活動の厳しい現状を知って、この記事を読む前より不安が大きくなったかもしれませんが、現状を知ることは就職活動を成功させる第一歩です。
ここからは、大学中退者が正社員になるための就職活動方法を解説していきます。
2-1. 大学中退者に強い就職エージェントで就職支援を受ける
大学中退者は、基本的に一人で就職活動を行うので、情報不足で万全な対策ができなかったり、大学中退者を歓迎していない求人に応募して不採用が続き、挫折してしまうケースが多いです。
そのような事態を避け、早くスムーズに内定を得るためには、大学中退者の就職率が高い就職エージェントで就職支援を受けることが大切です。
大学中退者の就職率が高い就職エージェントでは、「大学中退」「未経験」に理解がある企業の求人を紹介してくれるので、自分で中途採用求人を探すより圧倒的に内定を得やすくなります。
他にも、就職活動に慣れていない大学中退者に役立つ、
- 履歴書添削や模擬面接などの就職活動サポート
- カウンセリングで応募者の希望条件の明確化、不安解消
などをすべて無料で受けられる上、退会時の違約金や面倒な手続きも一切必要ありません。
ここからは、大学中退者の就職率が高い就職エージェントの中でも、利用者の満足度が高いエージェントを人気順に3つ紹介します。
現在はどの就職エージェントもオンラインでサービスを提供していて、気軽に利用できるので、いくつか利用して相性の良いエージェントを見つけましょう。
- ジェイック
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ジェイックは、就職成功率81.1%、就職先定着率91.5%の実績を出している、大学中退者やフリーターの就職に特化した就職エージェントです。
ジェイックの特徴は、就職エージェントの中で唯一、大学中退者に特化した就職講座が用意されているところです。- 大学中退者向けの履歴書、面接対策
- 大学中退者が就職活動でつまづきやすいポイントの解説
- ビジネスマナー対策
紹介される求人は、ブラック企業を排除した正社員求人のみなので、正社員として安定して働きたいという人はぜひ利用してください。
取り扱い求人の勤務地:全国に対応
>>ジェイック(JAIC)公式サイトへ - ハタラクティブ
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ハタラクティブは、業界トップクラスの2,300件以上の未経験者向け求人を保有し、就職率80.4%の実績を出している、未経験者向けの就職エージェントです。
カウンセリングが丁寧なので、まだ希望職種を絞れていない人の相談や、希望条件に合った求人紹介に定評があります。
また、ハタラクティブでは、履歴書や面接対策はもちろんのこと、きちんとした機材で証明写真を撮ってくれるので、就職活動の手間が少し軽減します。
正社員登用を前提とした求人がメインではありますが、派遣社員や契約社員の求人も扱っているため、正社員希望の人は事前にその旨を伝えておくとよいでしょう。
取り扱い求人の勤務地:東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・愛知・福岡が中心
>>ハタラクティブ公式サイトへ - 就職Shop
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就職Shopは、業界大手のリクルートが運営する、未経験者向けの就職エージェントです。
100%取材訪問した企業の求人だけを取り扱っているので、「経営者の考え方」「職場の雰囲気」「仕事のやりがい」「具体的な仕事内容」など、求人を見ているだけではわからない情報を教えてもらえます。
そのため、企業ごとの志望動機に説得力が増して内定を得やすかったり、入社後のミスマッチが起こりにくいです。
紹介される求人は、すべて書類選考不要なので、就職活動の時間と負担を大幅に減らすことができます。
取り扱い求人の勤務地:東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫が中心
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2-2. たくさんの求人を見たい人はハローワークも利用する
上で紹介した就職エージェントだけで就職が決まる人も多いですが、さらにたくさんの求人が見たい人はハローワークも利用してみましょう。
ハローワークは、地元の中小企業や、さらに規模の小さい零細企業の求人が豊富なので、地元で働きたい人におすすめです。
一部のハローワークでは、わかものハローワークなどの名称で、34歳以下の若者を対象にした就職支援を行っていて、
- 正社員経験がない、または少ない人のアピール方法
- 模擬面接や履歴書添削
- 資格取得や技術を身につけられる職業訓練の紹介
- 常駐の相談員との就職活動の相談
など、就職エージェントほど時間は割いてもらえないものの、通常より手厚い就職サポートが受けられるものもあります。
ただし、ハローワークは地元の小さな企業の求人が見つかりやすい反面、基本的にどのような企業でも掲載することができるので、ブラック企業には注意する必要があります。
また、ハローワークは、全世代の就職活動サポートを行っているため、「大学中退者の就職活動対策」というよりは一般的な就職活動情報を教えてもらえると思っておきましょう。
ハローワークについては、以下の記事でより詳しく解説しているので、こちらもチェックしてみてください。
2-3. 大学中退者の就職活動に有利な時期を知る
大学中退者が応募することの多い中途採用求人は、時期を問わずよい人材がいれば採用する「通年採用」をしている企業がほとんどです。
また、就職活動では、ブランク期間が短いほど内定を得られる可能性が高いので、正社員を考えたら時期を問わずすぐに行動に移すことが大切です。
その上で、大学中退者にとって有利な就職活動時期があることも知っておきましょう。
大学中退者に最もおすすめの就職活動時期は、求人数が最も多い1~3月です。
1月から3月に出ている求人は新卒採用と同じタイミングなので、未経験歓迎の求人が多く、職歴の無い大学中退者も応募しやすいのが特徴です。
また、退職者が増える夏のボーナス支給後の9月10月も中途採用の求人数が多くなるのでねらい目です。
このような求人数が増える時期は、採用人数が増える上、応募できる求人の選択肢が広がるので、選択肢が狭くなりがちな大学中退者にとって有利な時期と言えます。
2-4. 就職活動しながら資格取得に励む
大学中退者の就職活動が厳しい理由の一つに、「職歴や資格が無く即戦力にならないこと」があります。
若いうちは資格なし・職歴なしでも、将来性を期待して採用する企業はたくさんあるので、必ずしも資格を取る必要はありませんが、資格があれば、職種や待遇など希望に近い求人に採用される可能性が高くなります。
ただし、希望職種と関係の無い資格ではあまり意味がありません。
例えば、事務職の中でも給料が高めの経理なら「日商簿記検定2級」、不動産業界なら「宅地建物取引士」というように、希望職種において需要のある資格を取得しましょう
また、大学中退者が資格取得をすることは、スキルのアピールができるだけでなく、以下のようなメリットもあります
- 中退から就職までの期間について「資格取得をしていた」と説明できる
- 希望職種への意欲が伝わる
- 資格取得するまでの努力がアピール材料になる
注意点として、時間をかけて勉強しても合格できない場合、空白期間ができて就職活動で不利になります。
資格を取得しても必ず採用される保証はないので、まずは資格なしで就職活動を始めて、内定が出ない場合に、就職活動をしながら資格取得を検討してみてください。
以下の記事では、大学中退者の就職に役立つ資格を詳しく解説しているので、よければ参考にしてみてください。
2-5. 面接で中退理由をポジティブに話す
大学中退者が就職活動で面接に参加すると、ほぼ必ず「大学中退理由」を聞かれます。
答えにくい質問ですが、大学中退理由を聞いてくれる=回答によっては採用されるチャンスがあるということなので、納得してもらえる回答を準備しておきましょう。
大学中退理由を伝えるときは、ネガティブな大学中退理由でも、できるだけポジティブに伝えることが大切です。
例えば、
「家庭の事情で学費を払うことが難しくなったので中退しました。」
と伝えてもやむを得ない事情と思ってはもらえますが、
「家庭の事情で学費を払うことが難しくなったので中退しました。予定より少し早く社会に出ることになりましたが、元々営業の仕事に関心があったので、早くから営業経験を積めるチャンスだと前向きに捉えています。」
と志望動機を交えて伝えるとより前向きな印象を持ってもらえます。
面接官も、「どうして営業に関心があったのですか?」と志望動機に話を振りやすく、面接で重要な会話のキャッチボールがしやすいです。
ネガティブな中退理由の場合は、「大学中退したことで自分の人生について考えることができた」のように、最終的に前向きな話に繋げるようにしましょう。
以下の記事では、「大学がつまらなかった」「勉強についていけなかった」など、ポジティブに伝えることが難しい大学中退理由の回答例文も載せているので、参考にしてみてください。
また、面接での基本動作やマナー、当日の持ち物については、以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。
2-6. 空白期間について説明できるようにしておく
大学中退者の中には、就職活動を始めるまでニートやフリーターをしていた人もいます。
そのようなニートやフリーター期間は、空白期間とも呼ばれ、就職活動では「計画性がない」「採用に至らない理由があるのでは」など印象のよいものではありません。
そのため、面接では「その期間何をしていたのか」「なぜ正社員就職しなかったのか」といったことを聞かれます。
実際のところ、深く考えていなかったり、就職が決まらなかったといった人が多いですが、面接でそのまま伝えると悪い印象を与えてしまいます。
空白期間に何もしていなかった人は、
「中退後の計画を立てていなかったためになんとなく過ごしていましたが、就職して親を安心させたいという思いが強くなりました。人生の計画を立てる重要さを身をもって学んだので、就職では将来のキャリアまで考え、○○のスキルが向上する御社を選びました。」
というように、正直に伝えた上で反省をどう活かしていくかや、入社後の目標などに繋げて前向きに締めくくりましょう。
また、就職活動をしていて空白期間ができた人は、ただ受からなかったと伝えるのではなく、
「大学中退を経験したからこそ、時間はかかっても自分の望むキャリアを築ける企業に就職したいと思い、〇か月就職活動をしていました。」
というように、目標を立てて就職活動していることを伝えましょう。
資格取得やアルバイトをしていた人は、事実だけ伝えるのではなく、その経験を仕事でどう活かすのか、なぜすぐに就職しなかったのかを加えて話すことがおすすめです。
3. 大学中退者が就職するための求人の選び方
就職エージェントではその人に合った求人を紹介してくれますが、求人サイトやハローワークでは自分で応募する求人を選択します。
たくさんの求人がありますが、求人の選び方にもポイントがあります。
ここからは、大学中退者が就職するための求人の選び方について解説します。
3-1. 中途採用枠で求人を探す
求人サイトには、はじめて就職する卒業予定の学生向けの「新卒求人サイト」と、いわゆる中途採用の「転職求人サイト」があります。
国の方針で卒業から3年以内であれば新卒扱いとする企業が増えてきたので、高校卒業から3年経っていない大学中退者は高卒として新卒枠に応募できます。
しかし、まだ広く浸透しておらず、応募者のほとんどは今年卒業予定の学生ばかりです。
応募条件も「今年卒業予定の新卒のみ応募可能」など企業によって対応が異なるので、効率よく就職活動を進めにくく、応募できる求人でも、新卒ばかりの応募者の中で不利なことも多いです。
一方転職求人サイトは転職者向けで、職歴の無い大学中退者は対象外だと思う人が多いですが、実は未経験歓迎の求人もたくさんあります。
中途採用求人には、フリーターや既卒、経験者など、さまざまな経歴や年齢の人が応募するため、大学中退の経歴があっても特別浮くようなことがありません。
そのため、大学中退者は中途採用枠に応募した方が、早く就職が決まりやすいです。
3-2. 「未経験歓迎」「学歴不問」「高卒以上」の求人を狙う
大学中退者は職種経験も正社員経験もないので、「未経験歓迎」「未経験可」といった記載がある求人への応募がおすすめです。
中途採用では、職種経験者や正社員経験者を募集している求人も多いですが、そのような求人に応募しても、経験者のライバルに経歴で大きな差を付けられてしまいます。
一方で「未経験者歓迎」としている求人では、「若手を一から育てたい」と考えていることが多く、職種未経験・正社員未経験でも採用される可能性が高いです。
また、大学中退者の最終学歴は「高卒」となるので、学歴条件に「学歴不問」や「高卒以上」の記載があるかもチェックしましょう。
学歴条件を「学歴不問」や「高卒以上」としている求人では、学歴よりも人柄や熱意を重視していることが多く、応募者自身をしっかり見てくれるので、大学中退者も採用されやすいです。
ただし、職種経験者を募集している求人でも、アルバイトの職種経験でOKな場合や、大学中退を「大卒」や「短大卒」として扱ってくれる場合もあります。
条件はクリアしていないがどうしても応募したい企業がある場合は、一度企業に問い合わせてみてください。
3-3. 大学中退者におすすめの求人サイトを利用する
求人サイトにはたくさんの種類がありますが、大学中退者に合った求人サイトを利用することが大切です。
まず大学中退者におすすめしたいのがリクナビNEXTです。
リクナビNEXTは、全国各地40,000件以上、未経験者向けの求人だけで8,000件以上もあるので、学歴で求人数が限られてしまう大学中退者にとてもおすすめです。
スカウト機能も用意されているので、大学中退者はプロフィールとしてアルバイト経験を書いて登録しておけば、企業側からオファーが届きます。
オファーがきた求人は、書類選考なしで面接に進めるので、リクナビNEXTを利用する場合は忘れずに登録しておきましょう。
もう一つのおすすめ求人サイトは、リクルートが運営する地方求人に強い求人サイトの「はたらいく」です。
掲載されている求人の約5割が従業員数50名以下、約6割が「転勤なし」もしくは「同じ都道府県内での転勤」となっており、他の求人サイトでは載っていないような地元の求人と出会うことができます。
また、はたらいくには「せきらら求人」という項目があり、例えば「年末は繁忙期で残業が多く大変だが、耐えてほしい」など、企業の本音が書かれているので、働き方がイメージしやすいと好評です。
応募の際に必要な自分の登録情報を使いまわすことができるので、毎回入力する手間が省けるのも魅力の一つです。
3-4. 経験より人柄を重視する職種を狙う
中途採用では、これまでの社会人経験をアピールすることが基本ですが、大学中退者は就職経験がないので、経験より人柄を重視する職種を検討してみてください。
たとえば、営業や販売、接客などの職種は、お客様への印象がよいことが第一に求められるので、経験よりも人柄が重視されます。
また、倍率は高いですが、事務は「未経験者可」の求人も多く、社内外の人とのコミュニケーション能力が求められる職種です。
大学中退者にとって、経験より人柄が重視される職種は、採用されやすいだけでなく、学歴関係なく実力や勤務態度で昇進・昇給しやすいというメリットもあります。
職種については、この記事の下でそれぞれの職種について詳しく解説しているので、チェックしてみてください。
3-5. 中小企業を中心に幅広く探す
大学中退者が早く内定を得るためには、中小企業を中心に広い視野で求人を探すことが大切です。
日本には、約421万もの企業がありますが、そのうちの99.7%が中小企業で、大企業は0.3%しか存在しません。(参考:「最近の中小企業の景況について」)
大企業は規模が大きい分採用人数も多いですが、未経験者は、新卒採用で募集することが多く、大学中退者が応募する中途採用では募集が少ないです。
また、大企業が中途採用で求人を出したとしても、応募者が沢山集まるため、書類選考で学歴や経験を元にふるいにかけられます。
そのため、大学中退者は面接にたどり着けないことが多いです。
中小企業でも、学歴や経歴はもちろん見られますが、大企業よりハードルが低く、それよりも応募者の内面をしっかり見てくれる傾向があります。
大企業は、福利厚生や給与面が充実しているので魅力に感じますが、中小企業にも働きやすい環境が整っている企業がたくさんあります。
企業規模で絞りすぎず、広い視野でよい企業を探しましょう。
3-6. ベンチャー企業への就職は、あまりおすすめできない
ベンチャー企業に明確な定義はないものの、新規事業で成長性を追求する、創業からそれほど時間が経っていない企業を、指すことが多いです。
最先端の魅力的な事業を行う企業が多く、社長との距離が近いため、自らの企画が採用されやすかったり、スピード感のある仕事ができるので、そのような働き方に魅力を感じる人もいるでしょう。
実際に、ベンチャー企業で働くと、企業の成長を実感できることが多く、実力主義の給与制度の中で成果を出せば早い段階で高い給料を得られるなど、やりがいも感じられます。
しかし、ベンチャー企業は、今現在会社を作っている企業でもあるので、キャリアステップを踏まえた教育制度や評価制度が十分に整備されていないことが多いです。
これから社会人としての基礎的な知識や技能を身につけていく大学中退者が就職すると、必要な教育を受けられないまま現場での仕事がはじまり、手探りで仕事をしていくことになる可能性があります。
ベンチャー企業は人手不足の企業が多いので、一人一人が成果を出すことが強く求められるので、十分な教育を受けられないまま成果を求められるプレッシャーに押しつぶされる可能性もあります。
また、ベンチャー企業は経営的なリスクもあるのが常ですので、入社数年でリストラにあったり、企業が倒産する可能性もあります。
ベンチャー企業の中にも教育制度が整い、安定した経営をしている企業もあるので、必ずしも避ける必要はないでしょう。
しかし、はじめて就職するのであれば、創業からある程度年月が経って、社内制度が整った企業に入社したほうが、これからのキャリアを考えてもよいでしょう。
3-7. 就職できるならどこでもいいと投げやりにならない
ここまで、大学中退者の求人の選び方について解説しましたが、本当にやりたい仕事に挑戦することが何よりも大切です。
とりあえず採用されることを第一に考えた求人で就職できたとしても、関心の低い仕事では壁に当たった時にすぐに心が折れてしまい長続きしないからです。
自分のやりたいことが分からないという人も多いですが、
- 成果に対して報酬がもらえるとやりがいを感じる
- 人におもてなしをすることにやりがいを感じる
- 仕事内容が大変でも年収が高い仕事がしたい
- 収入が低くても無理のない働き方ができる仕事がしたい
など、自分がどのような仕事を求めているのかを一度整理して、仕事内容、勤務条件、給料、福利厚生などの優先順位を付けて求人を探すと、入社後のミスマッチが起こりにくいです。
どうしても、一人で自分に合った求人を見つけるのが難しい場合は、見出し2-1で紹介した就職エージェントを利用して、プロにアドバイスをもらうとよいでしょう。
4. 大学中退後に就職した先輩の体験談30件
実際に大学中退後に就職した人は、どのように就職活動を行ったのでしょうか。
大学中退後に就職した30名の先輩に、10項目の質問に沿って就職活動の体験談を作成してもらいました。
以下は、旅行業界に営業職として採用された「よう」さんの就職活動体験談です。
- 1. ハンドルネーム
- よう
- 2. 就職活動をはじめたのは大学中退後何年目か?
- 大学中退後2年目
- 3. 大学中退後に採用選考に参加した企業数は何社?
- 4社
- 4. 内定をもらった企業の業界
- 旅行業界
- 5. 内定をもらった職種
- 営業
- 6. 一番多かった採用選考手順
- グループ面接含めた面接3回
- 7. 大学中退後の就職活動で心掛けていたことは何か?
- 大学を中退した理由を明確にしておき、「ネガティブな中退」ではなく「ポジティブな中退」として自分の中でしっかりPRできるようにしておくということです。
- 8. 大学中退後の就職活動で困難を感じたことは何か?
- 私の大学中退は自分磨きとやりたいことの実現のためという前向きなものでしたが、やはり「中退」というワードから連想できるように相手にネガティブなイメージをもたれてしまったことが困難に感じました。
- 9. 大学中退後、就職活動以外にしていた事
- バックパックをしながら海外を自分の目で見て感じること、世界各国の人と交流できるように語学力を上げることと資格の取得に重きを置いて過ごしていました。
- 10. これから就職活動をする大学中退者にアドバイスやメッセージをお願いします。
- 大学中退ということを如何にして「ポジティブなもの」「相手にネガティブに感じさせないか」と言うことが最大のキーポイントです。そのために、自分の言葉で意見やPRを明確に伝えられるように準備することが大事です。
ここでは1名の方の体験談をピックアップしましたが、以下の記事では30名の体験談を記載しています。
体験談を知ることで事前に対策できることがたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。
5. 大学中退者が就職すると給料はどのくらい?
ここまで大学中退者の就職活動について解説しましたが、就職するとどのくらい給料が貰えるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで、「大学中退後に、はじめて正社員就職した初年度の年収」について、アンケートを行ったので結果を見ていきましょう。
1位は251~300万円で、大学新卒の初年度平均年収と同等程度であることが分かりました。
1位と僅差の2位151~200万円は、高卒の初年度平均年収と同等程度なので、大学中退者は高卒か大卒いずれかと同じ程度の年収を得ることができるようです。
しかし、初年度の平均年収は大卒、高卒、大学中退者ともに大差はありませんが、残念ながら年齢が上がっていくほどに大卒との差が開いていく傾向があります。
厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、大学や大学院を卒業した場合、全年代の平均月収は男性で39万円、女性で28万円とされています。
一方で高卒の場合、男性で28万円、女性で20万円が平均月収とされていて、男女ともに10万円前後の差があります。
また、月収だけではなく賞与にも差が開くことから、大学・大学院卒の場合、男性の生涯賃金は2億5440万円、女性が1億9,750万円が平均なのに対し、高卒では男性が1億9240万円、女性1億2550万円が平均となっています。(労働政策研究研修機構「ユースフル労働統計 2014」)
生涯年収においては、大卒と高卒で男女ともに5000万円前後の差があります。
このような解説を聞くと、就職意欲が薄くなるかもしれませんが、正社員就職の機会を逃してフリーターを続けてしまうと生涯年収はさらに低くなってしまいます。
また、これは全ての職種の平均です。
どのような学歴でも、経験を積んでキャリアアップ転職をしたり、インセンティブが入る職種を選ぶなど、努力次第で平均以上の年収を得ることが可能です。
6. 大学中退者が就職している職種
ここまで大学中退者の就職活動や収入について解説しましたが、実際にどのような職種に就職していることが多いのでしょうか。
以下の図は、大学中退者が就職した職種を多い順に表しているので、見てみましょう。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」2015年5月 ※大学中退者には大学院中退者も含まれます。
大学中退者が就職している職種を多いものから見ると、
- 1位 サービス職 27.9%
- 2位 販売職 17.2%
- 3位 専門職・技術職 12.4%
となっていて、これらの職種で全体の6割近くを占めます。
特に、サービス職と販売職は、働ける業界が豊富にあり、募集人数が多いので、多くの大学中退者が就職しています。
大学中退者の就職活動でネックになるのは、
- 大学中退
- 最終学歴が高卒
- 職歴なし
というような経歴。
しかし、これらの職種であれば、経験や学歴に関係なく、人物重視で採用を行う企業を多く見つけられます。
また、専門職・技術職にも、多くの大学中退者が就職しています。
専門職・技術職では、求人の募集要項に知識や技術、資格の条件を設けず、入社してから人材を育てる企業が増えています。
大学中退者が初めから待遇のよい企業に入社できることは少ないですが、専門的な知識やスキルを得られると、そのスキルを活かしてキャリアアップ転職することも可能です。
また、万が一職場の雰囲気が合わない場合にも、同職種への転職がスムーズに進みやすいので、一つの企業に縛られないというメリットもあります。
一方、「輸送・機械運転・建築・採掘」や「運搬・清掃・包装等」の職種には、大学中退者があまり就職していません。
これらの職種は、仕事がキツイというイメージがあり、正社員として働き続けるには不安があることが、大学中退者が就職しない理由の一つです。
7. 大学中退者におすすめの職種7選
大学中退すると、最終学歴が高卒になるので、大卒より選択肢が少なくなることをお伝えしましたが、大学中退者はどのような職種が選べるのでしょうか。
ここからは、大学中退者が選べる職種の中から、おすすめの7職種について
- 仕事内容
- 求人募集の傾向
- メリット・デメリット
- 向いている人・向いていない人
- 平均年収
- 強みを持つ求人サイト
を詳しく解説していきます。
紹介するのは、以下の7職種です。
- 営業職
- ITエンジニア職
- 公務員
- 事務職
- サービス職
- 販売職
- 生産工程職
平均年収の出典:DODA「平均年収ランキング2021」 マイナビ「公務員の給料&年収は平均でどれくらい? 地方公務員・国家公務員の年収の差は?」
「営業職」学歴を問わずチャレンジできる
☆営業職の主な職種☆
飲食料品営業員、不動産セールス、保険外交員、自動車販売営業員、MR(製薬会社の営業員)など
営業職は、未経験から就職する人が多い職種ですが、企業によってノルマの多さやインセンティブの額が違うので、自分にあった営業方法や就職先を選択しましょう。
新規開拓型の営業職は、精神的な負担が重いかわりに、歩合制の企業が多いので、自分の実力次第で昇進や高額な給料を目指せます。
ルート営業型の営業職は、成果が実感しづらいものの、精神的なつらさは少なくなります。
いずれにしても、「営業職で学んだことは、他の職業でも活かせる」と言われ、どのような職種に転職しても役に立つスキルが身に付きます。
ほとんどの企業にある営業職ですが、インターネット関連や電子部品・半導体といった、今後の成長が見込める業界を選ぶことが、好待遇に繋がります。
- 営業職のメリット
-
- 未経験で資格なしでも正社員就職しやすい
- 成果次第でインセンティブがもらえるので、高収入を目指せる
- 学歴関係なく実績で評価してもらえる
- コミュニケーション能力、アピール力、判断力が身につく
- 営業職のデメリット
-
- ノルマがきつい場合がある
- 顧客の都合などで休日出勤や残業になることがある
- 成果が出せないと給料も精神面も不安定になる
- クレームを言われることがある
- 営業職に向いている人
-
- 成果が目に見えることにやりがいを感じる人
- 高い収入を得たい人
- 人と話すことが好きな人
- 全力で仕事をしてキャリアを重ねたい人
- 営業職に向いていない人
-
- 成果を回りと比べられたくない人
- 人と話すことが苦手な人
- プライベートな時間がたくさん欲しい人
- 営業職の平均年収
-
- 保険 401万円
- 不動産金融 434万円
- MR 713万円
- 営業職に強い求人サイト・就職エージェント
「ITエンジニア職」未経験からでも技術が身に付く
☆ITエンジニアの主な職種☆
プログラマ、システムエンジニア(SE)、webデザイナーなど
ITエンジニア職は、専門の知識や技術を活かして、情報処理や通信関連の仕事をする職種です。
ITエンジニア職は高度な知識や技術が必要なので、大学中退者は「求人の応募要件を満たせない」と思うことが多いです。
しかし、今現在、IT業界の成長が著しく人材不足が深刻なことから、ITエンジニア職への需要が高く、未経験者OKや資格を問わない求人が多く見つかります。
入社後に知識や技術を身につけさせたり、企業が必要な資格のサポートをしてくれたりするので、応募時に資格や経験がない大学中退者でも目指せる職種です。
- ITエンジニア職のメリット
-
- 需要に対して供給が追い付いていないので、未経験でも正社員就職できる
- 勤務時間、服装、勤務場所などの縛りが少なく、自由な働き方ができる企業が多い
- 平均給与が高い
- 転職や独立、副業に困らないスキルが身につく
- 学歴よりスキルの高さで評価される
- ITエンジニア職のデメリット
-
- ITの技術は進化が早いので、日々勉強しないといけない
- スピードが求められる業界なので、納期に追われることが多い
- 一日中パソコンを触るので目が疲れる
- ITエンジニア職に向いている人
-
- ITに関心のある人
- 仕事に困らないスキルを身に着けたい人
- 高い給料を得たい人
- 自分のスタイルで自由に働きたい人
- ITエンジニア職に向いていない人
-
- パソコンに苦手意識がある人
- 人とたくさん関わる仕事がしたい人
- 勉強を続けることを苦痛に感じる人
- 納期に追われることを苦痛に感じる人
- ITエンジニア職の平均年収
-
- テクニカルサポート 411万円
- システムエンジア(SE)・プログラマ 404万円
- webサービスエンジニア 413万円
- ITエンジニアに強い求人サイト・就職エージェント
「公務員」受験資格に学歴条件がない職種が多い
☆公務員の主な職種☆
市役所職員、都道府県庁職員、警察官、消防官、税務職員、刑務官、入国警備官など
公務員は、国や地方公共団体などの職員のことで、公務員試験に合格すると働くことができます。
公務員試験の受験資格は「年齢制限」だけの職種が多いですが、年齢が高くなるとなれない公務員の種類もあるので、興味がある大学中退者は、早めにチャレンジしましょう。
また、自衛官や海上保安庁で働くことを約束に、学費無料の学校で学びながら、国家公務員として給与がもらえる「大学校」や「学校」もあります。
大学中退者の中には、中退を後悔したり、学歴にコンプレックスを持っている人が多いですが、「大学校」や「学校」に通い卒業できれば、こういった思いを軽減できます。
公務員、大学校、学校については、「大学中退後は、公務員にも就職できる!」で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 公務員のメリット
-
- 福利厚生が充実している
- リストラや倒産の心配がない
- 年功序列で確実に昇給する
- 経歴ではなく試験結果と人柄で採用されるので、大学中退者にも平等にチャンスがある
- 同じ公務員試験に合格すれば、高卒も大卒も同じ仕事内容を任される
- 公務員のデメリット
-
- 公務員試験は出題範囲が広いので、1年程度は毎日勉強する必要がある
- 合格できないと、勉強期間がブランク期間となり、民間企業への就職に不利になる
- 成果に対する昇給やインセンティブがほとんどない
- 副業が禁止されている
- 20代は給料が低め
- 公務員に向いている人
-
- 安定した生活を送りたい人
- 利益関係なく、国民の暮らしのために働きたい人
- 大学中退のコンプレックスをなくしたい人
- 公務員に向いていない人
-
- 成果に応じた報酬でたくさん稼ぎたい人
- 副業に関心のある人
- 試験勉強に本気で取り組む意思がない人
- 公務員の平均年収(一般行政職の場合)
-
- 地方公務員 約592万円
- 国家公務員 約667万円
「事務職」女性の大学中退者に人気
☆事務職の主な職種☆
一般事務、医療事務、秘書、受付、経理事務、営業事務など
事務職は、どの世代の女性からも人気No.1の職種です。
ひとまとめに事務職といっても、さまざまな種類があるので、代表的なものをそれぞれ見ていきましょう。
- 一般事務…書類の作成・仕分け、電話・来客対応、郵便物の発送・仕分けなどの業務を行います。未経験でも始めやすい定型仕事なので、競争率が高くなりがちです。
- 医療事務…医療機関の事務職で、受付業務や明細書・カルテの作成を行います。専門的なワードを覚える必要がありますが、資格がなくても未経験から始められます。
- 秘書…スケジュール管理、電話・メール対応、コピー、お茶出しなど、上司の業務を円滑に進めるための業務を行います。ビジネスマナーやコミュニケーション能力が求められます。
- 受付…来客対応を主に行います。ビジネスマナーや気配り、笑顔が求められます。資格のない未経験者OKの求人が多いです。
- 経理事務…経費精算や入金管理、予算編成など、企業のお金を管理する業務を行います。簿記資格や経験を求められることが多いです。事務の中では給料が高いことから、男性も多く働いている仕事です。
- 営業事務…書類作成や顧客対応など、営業職のサポート業務を行います。営業はしませんが、営業職や顧客と密接に関わるので、コミュニケーション能力が求められます。
いずれの事務職も、直接利益を出すのではなく、縁の下の力持ちのような職種なので、コストカットの対象になりやすい職種です。
非正規社員を雇用する企業も多いため、正社員事務職の競争倍率は高く、経験者や資格を持っている人が採用されやすくなっています。
事務職に正社員就職したい人は、他の職種でも応用が利く「MOS」「簿記」「秘書検定」などの資格取得をするか、非正規雇用で経験を積むことも検討してみてください。
- 事務職のメリット
-
- パソコンスキルを身に着けられる
- 平均残業時間が少ない
- ノルマがない
- 事務職のデメリット
-
- 競争率が高いため、就職活動が長引きやすい
- 経理事務以外は平均年収が低い
- 成果や努力が評価されにくい
- 事務職に向いている人
-
- パソコンスキルを向上させたい人
- プライベートを大切にしたい人
- ノルマのない仕事がしたい人
- 事務職に向いていない人
-
- 成果を出してたくさん稼ぎたい人
- 目に見える形で評価されたい人
- パソコンに苦手意識がある人
- 事務職の平均年収
-
- 一般事務 335万円
- 医療事務 285万円
- 秘書/受付 326万円
- 事務職に強い求人サイト・就職エージェント
「サービス職」大学中退者が1番多く就職している
☆サービス職の主な職種☆
ホテルスタッフ、飲食店スタッフ、娯楽施設スタッフ、エステティシャン、介護職員、添乗員など
サービス職は、大学中退者が最も多く就職している職種です。
飲食や衛生、医療・福祉、娯楽など、生活に関するあらゆるものにサービス業があるので、幅広い業種から就職先を選べます。
サービス職は、利用者にサービスを提供する仕事なので、細やかな気配りや対応力が必要です。
おしゃれな仕事が多いので就職希望者が多いですが、離職者も多い職種です。
早期離職しないためには、提供するサービスの内容だけでなく、ノルマの有無や平均年収、福利厚生などを調べておくことが大切です。
- サービス職のメリット
-
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- お客様から直接感謝してもらえる
- 未経験者歓迎の求人が多い
- 実力主義の企業ではインセンティブがもらえる
- サービス職のデメリット
-
- 土日祝、年末年始、お盆といった世間一般の休日に休みにくい
- 大幅な昇給が見込めない企業が多い
- クレームを言われることがある
- 接客業以外で役立つスキルを身に着ける機会が少ない
- 立ち仕事が多い
- サービス職に向いている人
-
- 人に喜んでもらうことにやりがいを感じる人
- 人と関わることが好きな人
- 学歴ではなく実績で評価されたい人
- サービス職に向いていない人
-
- 人と関わることが苦手な人
- 高い年収を得たい人
- 土日祝、年末年始、お盆に働くことに抵抗がある人
- サービス職の平均年収
-
- フロント業務(宿泊施設・ホテル) 294万円
- ホール・サービススタッフ 292万円
- 旅行手配・ツアーコンダクター 335万円
- サービス職に強い求人サイト・就職エージェント
「販売職」大学中退者が2番目に多く就職している
☆販売職の主な職種☆
家電販売員、携帯ショップ店員、アパレル販売員、スーパー販売員、百貨店販売員など
販売職は、大学中退者が2番目に多く就職している職種です。
来店したお客様に、自社の商品を勧めて販売する仕事なので、接客業に抵抗のない人や、人との会話を楽しめる人に向いています。
サービス職同様、販売する商品や企業によって、ノルマの有無や福利厚生の充実度、土日祝の休みやすさなどが異なるので、企業研究をしっかり行いましょう。
未経験者からはじめても、販売だけでなく、
- 自分の売り場を管理する
- 商品の企画に参加する
- 自分の勧める商品が店頭に並ぶ
といったチャンスもあります。
- 販売職のメリット
-
- 未経験者歓迎の求人が多い
- 実力主義の企業ではインセンティブがもらえる
- お客様から直接感謝してもらえる
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- 販売職のデメリット
-
- 大幅な昇給が見込めない企業が多い
- ノルマがきつい場合がある
- 立ち仕事が多い
- クレームを言われることがある
- 販売職に向いている人
-
- 学歴ではなく実績で評価されたい人
- 実力を目に見える形で評価されたい人
- 人と話すことが好きな人
- 販売職に向いていない人
-
- 人と話すことが苦手な人
- 体力に自信がない人
- 売り上げで比べられたくない人
- 販売職の平均年収
-
- 店長・販売スタッフ 325万円
- 販売職に強い求人サイト・就職エージェント
「生産工程職」モノづくりにたずさわれる
☆生産工程職の主な職種☆
食品製造工、化学製品検査工、金属検査工、機械組立工、自動車組立工など
生産工程職は、製造業界でモノづくりの仕事をする職種です。
オートメーション化された工場が多く、マニュアルに従って、製品の製造・加工・組立・検査など、一連の作業を行います。
肉体労働のほかに、商品梱包や食品の製造など、体力に自信のない人もできる仕事も豊富です。
正社員の場合は、入社後に資格を取得したり、手に職をつけたりと、将来、現場の責任者や技術者として活躍できます。
中小企業から大手企業や外資系のグループ会社まで、幅広い業種や職種の求人募集が数多くあります。
- 生産工程職のメリット
-
- 夜勤に入ると給料が高くなる
- 勤続年数に合わせて昇給する企業が多い
- 残業が比較的少ない
- 採用時も昇格時も学歴が重視されない
- 生産工程職のデメリット
-
- 速さと正確性が求められる
- 同じ作業の繰り返しが多い
- 生活リズムが不規則になることが多い
- 生産工程職に向いている人
-
- 人との関りが少ない仕事がしたい人
- 同じ作業をすることが苦にならない人
- ものづくりが好きな人
- 生産工程職に向いていない人
-
- 黙々と作業をすることが苦手な人
- 人とたくさん関わる仕事がしたい人
- 成果に応じた報酬が欲しい人
- 生産工程職の平均年収
-
- 機械・金属加工 365万円
- 生産管理 464万円
- 品質管理/品質保証 461万円
- 生産工程職職に強い求人・就職エージェント
8. 大学中退者は離職率の高い職種を避けるべき?
ここまで大学中退者におすすめの職種を解説しましたが、中には離職率の高い職種もあります。
ここからは、大学中退者は離職率の高い職種を避けるべきなのかを、産業別の入職率・離職率や平均年収と照らし合わせながら解説していきます。
働きやすい企業の特徴も解説するので、離職率の高い職種に関心のある人や、企業選びのポイントを知りたい人は参考にしてください。
8-1. 産業別の入職率・離職率
以下の図は、厚生労働省が調査した「令和2年の産業別入職率と離職率」を、離職率が高い順に並べ変えたものですので見ていきましょう。
※産業別入職(離職)率とは、特定の産業の全労働者に対する、新たに就業(離職)した労働者の割合。
出典:厚生労働省「産業別の入職と離職」
離職率の高さの上位4位は以下の通りで、いずれも、サービスの対象が法人ではなく個人の消費者という共通点があります。
- 1位. 宿泊業・飲食サービス業 26.9%
- 2位. 他に分類されないサービス業(廃産物処理・自動車整備・職業紹介・労働者派遣業・宗教など) 19.3%
- 3位. 生活関連サービス業(洗濯・理容・美容・浴場業・娯楽業) 18.4%
- 4位. 教育・学習支援 15.6%
個人の消費者を対象とした業種の離職率が高い理由としては、
- 世間一般の休日(土日祝、年末年始、お盆)に働かないといけない
- クレーム対応をしないといけない
- 勤務時間が不規則な場合がある
といったことが挙げられます。
一方でメリットもあり、
- 未経験でも始めやすい
- シフト制で柔軟に働ける
- 華やかな職場が多い
といったことから、入職率が高いのも特徴です。
8-2. 離職率は平均年収に関係している
業種の離職率は、その業種の平均年収が大きく関係しています。
国税庁による「令和元年分民間給与実態統計調査結果」で、業種ごとの平均年収を見てみましょう。
- すべての業種の平均年収
- ・約436万円
- 離職率の低い業種の平均年収
-
・金融業・保険業 約627万円
・複合サービス事業 約411万円
・情報通信業 約598万円
・製造業 約513万円
- 離職率の高い職種の平均年収
-
・宿泊・飲食サービス業 約259万円
・サービス業 約359万円
・不動産業・物品賃貸業 約423万円
・卸売業・小売業 約375万円
となっていて、離職率の低い職種は平均年収が高めで、離職率の高い職種は平均年収が低めであることが分かります。
どのような仕事にも大変なことはありますが、仕事が辛いと感じたときに、給与が低かったり、昇給が見込めないとモチベーションが保ちにくいからです。
また、給与が低いと、転職しても大幅に給与が下がることがないので、転職に抵抗がなくなってしまうことも、離職率の高さに繋がっていると言えます。
そのため、仕事を選ぶときは、どの程度給料を重視するのかをしっかり考えた上で決めると、早期離職しにくいと言えます。
8-3. 離職率が高い業種=ブラック企業ではない
ここまで業種別の離職率について解説してきましたが、離職率の高い業種=ブラック企業ではありません。
ブラック企業の特徴として、
- 残業が多い
- 休日が少ない
- 職場の雰囲気が悪い
- ノルマがきつい
などが挙げられますが、宿泊業やサービス業、小売業など離職率が高いとされる業種でも、働きやすい環境が整った企業はたくさんあります。
逆に、金融業・保険業、情報通信業などの離職率が低いとされる業種でも、残業が多く、ノルマがきつい企業もあります。
業種ごとの離職率の高さが、企業選びの一つの目安となるのは事実ですが、それだけを見て関心のある仕事を諦める必要はありません。
ただし、上記で解説したように、離職率の高い業種の平均年収が低いことは事実なので、高収入を目指している人は、平均年収の高い業種を選ぶのも一つの手です。
8-4. 働きやすい企業の特徴
離職率が企業選びの目安にしかならないのであれば、どうすれば働きやすい環境の求人を見つけられるのでしょうか。
ここからは、働きやすい企業の特徴を4つ解説します。
- 残業時間が明確
- 求人に平均残業時間が記載されていたり、面接で「月に20時間ほど残業してもらう可能性がありますが大丈夫ですか」と質問をしてくるなど、明確な残業時間を示している企業は、入社後のギャップを減らす努力をしています。
実際の残業時間は、事前に提示されていた残業時間と同じ程度のことが多いです。 - 年間休日数が120日前後
- 企業全体の平均年間休日数は120日と言われています。
土日祝、お盆、年末年始を休むと120日前後となるので、ある程度プライベートな時間を作るためには必要な休日数です。 - 昇給・賞与実績が記載されている
- 求人に昇給・賞与の実績が記載されている企業では、入社後も記載内容に近い待遇を受けられることが多いです。
- 基本給が高い
- 成果に対して支払われるインセンティブや賞与は、企業や個人の利益によって変動するので、あまり安定していません。
対して基本給は決められた額が必ず支払われるので、基本給が高い企業は生活が安定します。
離職率が高いとされる業種でも、これらに当てはまる企業では、働きやすい可能性が高いです。
それなりに従業員数がいる企業は、企業の口コミサイトに従業員のリアルな口コミが書かれているので、職場環境の参考にしてみてください。
9. 大学中退をした女性は就職で不利になる?
ここまで、男女関係なく就職活動方法やおすすめ職種などを紹介してきましたが、大学中退をした女性は就職で男性より不利になるのでしょうか。
男女雇用機会均等法の制定により、どの求人も性別関係なく応募できますが、産休育休や結婚による早期退職を理由に、男性を優遇している企業も残念ながらあります。
ギリギリの人材で運営している企業では、産休育休に伴う人員調整が困難であったり、早期退職による欠員の補充をする力が残っていないためです。
一方で、女性が多く働いている職種では、就職できる可能性がぐっと上がります。
以下の記事で、大学中退女性の就職活動方法やおすすめ職種、選べる9つの進路などについて解説しています。
大学中退女性の今後に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
大学中退女性のその後は幸せになれる?9つの進路と就職活動方法、結婚への影響を解説
10. 10代の大学中退者は就職で不利になる?
大学中退をして10代で就職活動を行う場合、年齢がネックになって就職が難しくなるのではと心配する人も多いです。
しかし、平成19年に雇用対策法が改正されてから、求人の応募条件で、年齢制限を行えないので、年齢が原因で応募できる求人が減ることはありません。
また、年齢は若ければ若いほど今後の成長に期待できるので、ポテンシャル(潜在能力)を買って採用してもらえることも多いです。
10代であれば、高校卒業すぐに就職した人と年齢が離れておらず、高卒の人と同じように扱えるため採用しやすいと判断されることもあります。
しかし、大学中退者が応募する中途採用では、正社員経験者も応募するので、10代の人は仕事に対する意識の違いから頼りなく見られることがあります。
そのようなことから、求人で年齢制限は設けていなくても、「せめて20代以上の人を採用したいな」と考える採用担当者もいます。
このような採用担当者の不安を解消するためには、履歴書や面接で強みである若さやフレッシュさだけをアピールするのではなく、協調性や成長意欲などもアピールして、今後に期待できると思ってもらえれば採用してもらえる可能性が高くなります。
注意したいのは、正社員を目指した就職活動がしたくないからと、フリーターになってアルバイトを続けてしまうことです。
フリーターの経験は、就職活動で評価されることが少ないため、フリーターを続ければ続けるほど、評価される仕事経験を積めないまま年齢が高くなり、就職するのが難しくなるので、正社員を目指すなら、なるべく早く就職活動に動き出すことが大事です。
11. 大学中退者の履歴書作成方法
大学中退をすると、履歴書に何をどこまで書くべきなのか分かりにくい部分があります。
ここからは、採用選考で不利にならない大学中退者の履歴書の書き方を解説します。
11-1. 大学中退について履歴書に書かないと学歴詐称になる
多くの大学中退者が、「そもそも履歴書に大学中退歴は書くべきか」という疑問を持ちます。
また、大学中退者の中には、「大学中退を履歴書に書くと印象が悪くなるから書かないでおこう」と考える人もいます。
しかし、履歴書に大学中退を書かずに嘘が発覚すると、学歴詐称と判断され、解雇や懲戒免職、減給の対象になる可能性があります。
また、高校卒業から就職活動までの期間が空白期間となってしまい、余計に悪い印象を持たれかねません。
大学中退にさまざまな事情があることは企業側も分かっているので、大学中退をコンプレックスに感じすぎず、履歴書に明記しておきましょう。
11-2. 大学中退者の履歴書の書き方
大学中退の経歴は以下のように記入します。
このとき、大学中退理由が前向きな場合や、やむを得ない場合、中退理由も記入した方がマイナスなイメージをカバーできます。
以下に、記入した方がよい大学中退理由の書き方を、留学、経済的理由、病気の順に3つ書いておくので参考にしてください。
留学をした場合は、留学先の国、大学名、滞在期間、取得した資格などを書くと、前向きな印象を持ってもらえます。
病気が完治している場合は、その旨も書いておくと体調面で不利になりません。
一方で、「勉強についていけなかった」「人間関係に悩んだ」など、ネガティブな理由で中退した場合は、履歴書に書かずに、面接で事情を説明したほうが誤解を生まず理解してもらえます。
大学中退者の履歴書の書き方については、以下の記事で履歴書の見本や例文を見せながら詳しく解説しています。
実際に履歴書を書くときに、見本として見ながら書けるようになっているので、よければ読んでみてください。
12. まとめ
考え方の多様化が広がっている現代は、以前に比べて大学中退へのマイナスイメージが減ってきています。
就職活動を成功させるには、自分に自信を持って面接に臨むことが大切です。
まずは大学中退を振り返り、「あの時は中退するしかなかった」「中退という失敗をしたから成長できた」など、自分の中で大学中退を受け入れることから始めましょう。
また、就職エージェントやハローワークなど様々なサービスを利用して、一人で悩まずに効率よく就職活動を行いましょう。
大学中退者に人気の就職サイトランキング
大学中退者が使っている就職サイトを、ランキング形式で紹介しています。
※ランキング調査期間:2021年1月31日~2022年1月31日
![]() ジェイック(JAIC) |
ジェイック(JAIC)は、大学中退者向けの、研修付きの就職エージェントです。 大学中退者のために組まれた特別研修プログラムを受講して、中退というコンプレックスを乗り越えて正社員就職を実現できます。 |
---|---|
![]() リクナビNEXT |
リクナビNEXTは、大学中退者の利用者が多い人気求人サイトです。 様々な職種や地域の求人に加え、他では得られない大企業の求人も充実しています。 |
![]() ハタラクティブ |
ハタラクティブは、フリーターや大学中退者向けの就職エージェントです。 まだ新しい就職エージェントですが、求職者と年齢が近いキャリアアドバイザーが親身になって相談に応じてくれ、未経験から応募できる求人を紹介してくれます。 |
大学中退者におすすめの就職サイトを全て見たい方は、以下からチェックしてみてください。
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大学中退就職ガイドでは、ご意見、ご感想を募集しています
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また、当サイトを紹介していただける方も募集しています。紹介の際には、「大学中退就職ガイドを紹介してください。」で案内しているアドレスを使って紹介していただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。