大学中退をした女性が上手に就職活動をする方法
女性が大学中退後に就職活動をする際には、
- 女性に人気の職種には、どういったものがあるのか?
- 大学中退をした女性が、利用できる求人サイトはあるのか?
- 女性が働きやすい職場とは、どういった職場か?
など、女性ならではの悩みや疑問を持っていることが多いです。
そういった悩みなどが解決できずに、立ち止まってしまう人もいるので、ここで、就職活動での女性の悩みや疑問に答えていき、女性の就職活動方法について解説していこうと思います。
女性が仕事で活躍できる環境が広がってきているので、皆さんもぜひ就職を実現してください。
女性がたくさん働いている、業界と職種をチェック!
女性の就職活動方法について見ていく前に、女性がどういった業界や職種で働いているのかを見ていきましょう。
平成27年に実施された「労働力調査」で、女性がどういった業界で働いているのか結果が発表されているので、まずはこちらを見て下さい。
出典:総務省統計局「労働力調査年報」平成27年
調査結果によると、女性がもっともたくさん働いている業界は「医療・福祉業界」となっています。
高齢者が増える中で、医療や介護分野での人材が求められているために、女性がこういった分野で活躍するケースが増えています。
2番目に多い「卸売、小売業」は、以前から女性が活躍している業界です。
小売り業界では販売職として働く人が多いので、7割近くの人はパートやアルバイトなどの非正規雇用者として働いています。
次に、女性が働いている職種についても見ていきましょう。
出典:総務省統計局「労働力調査年報」平成27年
女性が働いている職種でもっとも多いのは、事務職です。
おそらく、この記事を見ている人にも事務職を希望している人がたくさんいると思いますが、非常に人気が高い職種でもあるので、採用されるための競争倍率は高くなっています。
2番目に多いサービス職には、様々な職種が含まれているのですが、ネイリストやリフレクソロジスト、ブライダルコーディーネーターなど、おしゃれだったり、癒し系だったりと、女性に向いている職種も多く含まれています。
では、これらの仕事の内、女性に人気のある職種についてもう少し詳しく見ていきましょう。
仕事探しの参考にしてみてください。
※平均年収は、DODA「平均年収ランキング2017(職種別)」を参考にしています。
「事務職」女性人気NO1の職種
☆事務職に含まれる職種☆
一般事務、営業事務、医療事務、学校事務、秘書など
女性に人気NO1の職種が事務職です。
一般事務や営業事務の場合、資格や経験がなくても企業の求人に応募できることが多いので、女性が就職活動をしようと思った時に最初に考える人が多いです。
事務職の魅力は、定型の仕事が多いので仕事を覚えやすく、未経験者からでも挑戦しやすいことです。
また、残業が少なくほぼ定時に退社できるので、私生活との両立がしやすくなります。
このような理由から、事務職を希望する女性は非常に多いので、求人数が多くても競争倍率は高くなりがちです。
また、事務職を派遣社員に任せる企業が増えているので、正社員として就職するには努力が必要になる場合もあります。
事務職を選択肢の一つとして考えるのはよいのですが、他の職種も同時に検討してみるとよいでしょう。
事務職のメリット
- ・電話や来客対応の基本マナーが身につく
- ・座って仕事ができる
- ・ノルマや営業がない
- 事務職の平均年収 女性
-
- 一般事務職 約309万円
- 営業事務職 約315万円
- 医療事務職 約275万円
「サービス職」おしゃれな仕事が多い職種
☆サービス職に含まれる職種☆
ネイリスト、エステティシャン、ブライダルコーディネーター、ツアーコンダクター、介護職など
求人数、就職希望者数が非常に多い仕事です。
サービス職は、給料が比較的低い傾向にありますが、人におもてなしを提供して、その反応を直接感じることができるので、とてもやりがいのある職種です。
利用者に満足してもらうことが一番大切なので、相手に好印象を与えられる正しい所作が自然と身に着きます。
サービス職のメリット
- ・やりがいを感じる
- ・好きなことを仕事にできる
- ・人間関係が広がる
- サービス職の平均年収 女性
-
- エステティシャン 約278万円
- ブライダルコーディネーター 約306万円
- 旅行手配・ツアーコンダクター 約299万円
「営業職」頑張りが報われる職種
☆営業職に含まれる職種☆
法人営業、個人営業、生命保険セールスレディ、MR(製薬会社の営業)、建築物件セールスなど
営業職は、20代、30代といった若い女性に人気の仕事です。
求人応募の条件があまり厳しくないので、正社員未経験者や資格を持っていない人でも応募可能な求人が多いです。
現場に出て他人と対面する仕事なので、人柄はもちろんですが前向きさとメンタルの強さが求められます。
頑張れば頑張っただけ報われる仕事でもあるので、上昇志向のある女性は目指してみるとよいでしょう。
営業職のメリット
- ・歩合制の仕事が多いので、高収入を得ることが可能
- ・仕事の成果を直接感じられる
- ・対人関係のスキルが身につく
- 営業職の平均年収 女性
-
- 医薬品メーカー 約530万円
- 保険 約338万円
- 建設・不動産 約368万円
「販売職」好きな商品に関われる職種
☆販売職に含まれる職種☆
百貨店・量販店・スーパーの販売員、化粧品販売員など
販売職は、アピール力・コミュニケーション能力が求められる仕事です。
利用者に直接商品を販売する仕事なので、どのくらい商品をアピールできるか、相手に購入意欲を持たせるかが勝負です。
利用者からの質問に詳細な受け答えができるように、商品について詳しく知っておくことと、利用者の信頼を得ることが必要になります。
販売職のメリット
- ・コミュニケーション能力が高くなる
- ・女性が活躍できる場が多い
- ・流行に敏感になる
- 販売職の平均年収 女性
-
- 店長・販売スタッフ 約292万円
「専門・技術職」一生ものの技術が身につく職種
☆専門・技術職に含まれる職種☆
看護師、歯科衛生士、システム設計者、製造技術職、建築設計士、自動車整備士など
専門・技術職は、専門知識や専門技術が活かせる仕事です。
専門職や技術職に含まれる職種には、男性の仕事というイメージが強いものも多かったのですが、最近では、そういった職種でも女性が活躍するようになってきています。
専門職や技術職は、専門性を身に着けるために資格を取得したり勉強や経験を積む必要があり、学校に通ったり講座を受けたりと、他の職種よりも事前投資や時間が必要です。
しかし、一度取得したり身についた知識や技術は一生ものです。
結婚や出産で退職した場合でも、子育てが落ち着いて、いざ仕事に復帰しようとする時に、元の職場に復帰しやすかったり、再就職に有利だったりとかなり役立ちます。
専門・技術職のメリット
- ・自分の好きな仕事に就ける
- ・職場復帰・再就職しやすい
- ・将来、独立することが可能
- 専門職の平均年収 女性
-
- 看護師 約404万円
- 歯科衛生士・歯科技工士 約315万円
- 設計(建設・土木) 約375万円
「公務員」安定度抜群の職種
☆公務員に含まれる職種☆
市町村役場の行政窓口、警察官など
公務員は、国や都道府県、市区町村を支える仕事を行っています。
民間企業のように利益を求めるのではなく、国民が生活しやすくなるように働くので、そういった部分にやりがいを感じている人が多いようです。
大きく分けると、国家公務員と地方公務員があり、それぞれの公務員採用試験に合格して採用されると、公務員として働くことができます。
公務員のメリット
- ・学歴を問わず、公務員採用試験が受験できる(年齢制限あり)
- ・倒産やノルマがなく、定年まで働ける
- ・手当や福利厚生が充実していて、利用もしやすい
- 地方公務員の平均年収の例(※1)
-
- 全地方自治体の平均年収 約590万円
※1 地方公務員の平均年収例は、男女合わせた金額です。
東洋経済ONLINE「最新!『公務員年収ランキング』トップ500」2017年4月26日より
女性向けの求人はたくさんある?
ここまで、女性がたくさん働いている業界や職種を紹介してきましたが、ここで紹介した職種に限らず、女性が応募できる求人情報はたくさんあるのでしょうか。
また、応募できたとして、採用されるのでしょうか。
求人情報は、男女雇用機会均等法が施工されてから、男女別に求人を出すことができなくなっているので、性別以外の条件を満たしていれば、全ての求人に女性が応募することができます。
ですので、女性だからということで、求人数が少なくて悩むことは、ないはずです。
また、今現在、人材不足が広がっていることや、様々な職種で女性のアイデアが求められるようになってきたことから、女性を積極的に採用する企業が増えてきています。
下の図を見てもらえれば分かるのですが、以前まで女性の就職率は男性よりも低い状況でしたが、平成25年(2013年)から女性の就職状況がよくなり、今では女性の就職率の方が男性よりも高くなっています。
出典:文部科学省「就職内定状況等調査」
このように、女性の就職活動環境は以前に比べて非常によくなっています。
女性が求人情報を探す場合には、
といった求人情報サイトを使うと、求人数が豊富で女性向けの求人を探しやすいです。
女性が求人を探す際に考えるべきこと
大学中退女性も正社員を目指すべき?
女性が就職しやすい環境が広がっているとはいえ、今でも女性は、正社員ではなく、アルバイトや派遣社員などの非正規社員として働いているイメージを持っている人は多いかもしれません。
実際に、今現在の女性の就業状況を統計データから見ても、そのような傾向が見られます。
総務省「労働力調査」の、平成27年雇用形態別、女性の雇用者数では、
- 正規の職員・従業員 1,043万人
- 非正規の職員・従業員 1,345万人
- パート・アルバイト 1,053万人
- 労働者派遣事業所の派遣社員 76万人
- 契約社員・嘱託 176万人
- その他 41万人
出典:総務省統計局「労働力調査年報」平成27年
となっています。
このように、正社員などの正規社員よりも非正規社員の方が多く、中でもパートやアルバイトをしている人が多いことが分かります。
しかし、この結果には、夫が正社員として働いて、お小遣い程度にパートに出ている主婦なども含まれているので、安易にアルバイトやパートでいいと思ってはいけません。
もう一つ重要なデータがあるのですが、こちらは大学や専門学校などを中退後に「したいと思ったこと」と「実際にしていたこと」を表した図です。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」平成27年5月27日
一番左の棒グラフを見ると、中退後には「正社員として働きたい」と考えていた人が最も多いことが分かります。
しかし、実際に行動へ移した時には、「正社員として就職するための準備をした」人も多いのですが、「アルバイトを探した」人や、以前からしていた「アルバイトを継続」した人もたくさんいることが分かります。
このデータは、男女計のアンケート結果なので、女性だけに限ると『アルバイトをしたい』と考えていた人の割合はもう少し高くなるはずです。
はじめから希望をしているのがアルバイトであれば、アルバイトをするのはよいと思います。
しかし、現実は、大学中退をした女性の中にも「正社員として就職したい」と考えていても、なんとなくアルバイトに甘んじている人は多いです。
アルバイトをなんとなくはじめてしまうと、時給が低いことから、生活費を賄うためにフルタイムに近い状態で働かなければなることが多いです。
そうすると、後々正社員を目指した就職活動をしようと思っても、アルバイトが忙しくて難しくなるようなケースもあります。
正社員であれば、給料やボーナス、社会保険なども、アルバイトに比べると良いので、もし中退をした段階で正社員を希望しているのであれば、まずは正社員を目指した就職活動を行ってみるとよいでしょう。
企業の規模にはこだわるべき?
求人情報を探し始めると、大企業に目が引かれてしまいます。
給与や福利厚生といった点では、中小企業に比べるとやはりよいことが多いからです。
しかし、大企業の求人には、応募者がたくさん集まっているので、競争倍率が高くなりがちです。
以下のグラフは、企業の規模別に、大学新卒者向けの求人がどれくらいあるのかを、求人倍率(求職者1人に求人が何社あるのか)で表しています。
出典:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」2017年
青い線は比較的規模の小さな企業で、2018年卒業者の求人倍率は6.45倍となっており、1人の求職者に6.45社の求人があることが分かります。
一方、緑の線が従業員5,000人以上の大規模企業なのですが、2018年卒業者の求人倍率は0.39倍となっており、1人の求職者に0.39社の求人しかないことが分かります。
このように、企業の規模が大きくなればなるほど、求人数は少なくなり、採用されるのは難しいのが現実です。
中小企業を中心に就職活動をしよう
ここまで見てきたように、大企業に採用されるのは難しいです。
大企業にチャレンジしてみるのはよいのですが、大企業だけにこだわると、いつまで経っても採用されないという事態になる場合もあります。
私が、大学中退をした方にアドバイスをする際には、男女関わらず中小企業を中心に就職活動をすることをおすすめしています。
中小企業にも、よい企業はたくさんあるので、そういった優良中小企業を探して就職活動をした方が、採用される可能性が高いですし、採用後の満足度も高くなるはずです。
もし、就職後にどうしても大企業で働きたいと思ったら、経験や技術を身に付けていれば、未経験から大企業を目指す場合に比べて採用されやすいです。
総合職と一般職のどちらを選ぶ?
「総合職」「一般職」といった職業分類をご存知の方もいるかもしれません。
「総合職」とは、様々な部署や職種を経験することを前提に採用される人たちのことです。
総合職として採用されると、部署の配置転換や転勤があったり、残業もたくさんあることが多いです。
しかし、将来幹部候補や管理職になることができる可能性があるなど、社内でキャリアップしていくことができます。
一方、「一般職」は、一般事務や受付、接客など補助的な業務を行い、転勤がなく、残業が少ないです。
あくまで補助的、定型的な仕事を任せるために採用されるので、キャリアップしていくことは難しいです。
以前までは、結婚をすると、退職する女性がほとんどだったため、重要な仕事を任すことができないと考えられて、女性を一般職として採用する企業が多かったです。
今では、男女雇用機会均等法が施工されて、男性は総合職、女性は一般職という区別はできなくなり、女性でも総合職として働いている人が増えています。
しかし、責任が重い仕事を任せられたり、転勤や配置転換も基本的に断ることができないなど、負担が大きくなるので、就職する際には、一般職と総合職、どちらを選ぶかはよく考える必要があります。
女性が働きやすい職場は、どんな職場?
勤めている女性に、「今の職場に満足しているか」についてアンケートを取った結果を見てみると、満足している人が多いことが分かります。
このように、半数以上の女性が、現在の職場を働きやすいと感じているようです。
しかし、半数近くの女性は不満に思っているのも現実です。
就職後に不満を持った半数側に入ってしまわないように、働きやすいと感じている人が、職場のどういった点に働きやすさを感じているのか、以下のグラフでチェックしてみましょう。
以下のグラフは、女性に「現在の職場が働きやすいと感じた理由」についてアンケートを取った結果です。
このように、女性が働きやすい職場だと感じる点は、「職場の雰囲気」が最も多いようです。
このアンケートだけに限らず、職場の満足度に、職場の雰囲気や人間関係が大きく影響するという結果が出ることは多いです。
また、女性は、結婚・出産・妊娠によって働くことが困難になる時があります。
そういった時に、勤務時間に融通が利いたり、休暇がとりやすいなど、サポート体制があると、働きやすいと感じるようです。
就職する前に、こういった良い職場を求人情報から見つけるのは難しいかもしれません。
しかし、インターネットや人脈を使って、情報収集をすることで女性が働きやすい職場なのか分かることがあります。
また、面接での社員の印象から、職場の雰囲気を知ることができる場合もあります。
少し調べたり、チェックすることで、よい企業に就職できる可能性を高めることができるので、内定をもらうことだけに集中するのではなく、企業について調べることも忘れずに行っておきたいです。
大学中退女性の就職活動方法
いつから就職活動をはじめるべき?
大学中退をしてからは、少しのんびりしたいと思う人もいるかもしれませんが、就職活動はなるべく早く始めるほうが内定がもらいやすいです。
大学中退後に、何もしていない期間ができてしまうと、その期間は空白期間になってしまうからです。
空白期間ができてから就職活動をはじめた場合、面接で必ず「空白期間には何をしていたのですか?」と質問をされるので、理由を上手く説明できないと評価が悪くなってしまう可能性があります。
空白期間を埋めるために、資格取得をするなど別の努力が必要になってくる場合もあります。
また、企業は、年齢が若い人ほど、これからの成長に期待をして採用してくれるので、早く就職活動をはじめた方が採用されやすい傾向にあります。
就職活動をしようと思ったら、すぐに取り組みはじめるとよいでしょう。
大学中退者の履歴書、面接対策
大学中退をされた方は、就職活動で履歴書作成や面接対策をする際に、注意しなければならないことや、工夫をすれば評価が高くなることがあります。
そのことについては、以下のページで詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
大学中退をした女性向けの求人サイト
大学中退をした人には、新卒者向けの求人サイトをチェックする人もいます。
しかし、新卒者向けの求人サイトは、大学を卒業している人がたくさん利用しているので、大学中退をした人が採用されるのが難しいことが多いです。
そういったことから、大学中退をした人は、転職求人情報サイトを利用していることが多いです。
転職求人サイトとはいっても、正社員としての仕事経験がない人もたくさん利用しており、大学中退者やフリーターなども利用して内定をもらっているので、気軽に利用してみるとよいです。
転職求人情報サイトの中で、まず利用したいのは「リクナビNEXT」です。
リクナビNEXTは、転職サイトの中でも最大手の求人情報サイトなので、求人数が多く、女性が働きやすい職場もたくさん紹介されています。
大学中退後に、はじめて就職活動をする人は、まずリクナビNEXTを利用してみるとよいでしょう。
もう一つ、おすすめの転職求人サイトが「女の転職@type」です。
転職サイト名に「女」とついているように、女性を主な対象とした転職求人サイトなので、全ての求人が女性向けに用意されています。
女性が活躍している職場がたくさん紹介されているので、こちらも一緒に利用してみてください。
また、どうしても就職活動に不安があるということでしたら、キャリアアドバイザーからアドバイスがもらえるサービスを利用するとよいでしょう。
「女子カレッジ」というサービスでは、履歴書の書き方を教えてくれたり、面接対策も行ってくれるので、就職活動に不安がある人に役立つはずです。
また、女性向けの優良企業の紹介もしてくれるので、便利に利用できます。
ここまで紹介した、3つのサービスを上手に利用すれば、よい企業から、内定がもらえるはずです。
大学中退をした女性が上手に就職活動をする方法まとめ
女性だからということで、就職活動が不利になるようなことは少なくなってきています。
しっかり準備をして、自信を持って就職活動に挑めば、きっと良い結果が得られるはずです!