大学中退女性がその後選べる8つの進路。おすすめの職種や就職活動方法も解説
最終更新日:2021年1月7日
大学中退をした女性の中には、中退後の計画を立てて目標を持って行動できている人もいます。
しかし、実際は大学中退した女性の多くが、
- 「大学を中退したものの何をしたらよいか分からない」
- 「就職する予定が就職活動がうまく行かず、アルバイトを続けている」
- 「就職したい気持ちはあるけど、どんな職種があるのかも就職活動方法も分からない」
など大学中退後の人生に不安を感じています。
そこでこの記事では、
- 大学中退女性にはどのような進路があるのか
- 正社員と非正規雇用では将来結婚できる確率に差があるのか
- 大学中退女性が就職しやすい職種
- 大学中退女性の就職活動方法
など、大学中退女性に役立つ内容を詳しく解説していきます。
1. 大学中退をした女性が選べる進路8選
思い切って大学を中退したものの、中退後どのような進路を選べば良いか分からなくなる女性は多いです。
また、中退後の進路を決めて中退したものの思ったように上手く行かず、他の進路を検討する女性も少なくありません。
そこで、まずはじめに、大学中退をした女性が選べる進路を8つ紹介していきます。
1-1. 正社員として就職する
中退後の進路として、多くの女性が一度は検討するのが正社員就職ではないでしょうか。
「女性は結婚や出産で辞める可能性があるから、無理に正社員を目指さなくてもいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、基本的に無期雇用が約束されている正社員は、仕事を失う可能性が極めて低く、結婚してもしなくても安定した生活を送りやすいです。
また、企業によって差はあるものの、昇給や賞与が期待できたりと、長く勤めるほど年収が上がっていくのも魅力です。
年々、結婚後も共働きが主流になってきている中で、産休育休の取得が認められているのも正社員の強みです。
メリットの多い正社員ですが、責任のある仕事を任せられるので精神的な負担が大きかったり、残業や転勤がある場合も多いので、やりがいを感じられる職種を選ぶことが大切です。
総合職と一般職のどちらを選ぶ?
正社員の仕事には、「総合職」「一般職」といった職業分類があります。
総合職とは、さまざまな部署や職種を経験することを前提に採用され、部署の配置転換や転勤、残業もたくさんあることが多いです。
大変なことも多い総合職ですが、業務を行う上で必要な判断を会社から認められているのでやりがいを感じられること、給与が高めなこと、昇進しやすいことといったメリットも多い働き方です。
一般職は、一般事務や受付、接客などの特定の業務を行い、転勤がなく、残業が少ないことが特徴です。
定型的な仕事を任せるために採用されるので、キャリアアップするのは難しく、給与も総合職と比べるとやや劣りますが、プライベートを大切にしやすい働き方です。
入社後に一般職と総合職を変更することができる企業もありますが、希望通りにならないこともあるので、応募の段階で働き方を決めておくと良いでしょう。
大学中退女性は就職支援サイトを使おう!
大学中退をした女性が就職活動をはじめると、中退した事実を履歴書や面接でどのように伝えるとよいのか悩んだり、求人を探すのに苦労する人が多いです。
そのようなことを避けるためにも、大学中退をした女性は、就職支援サイトを利用するとよいでしょう。
就職支援サイトでは、大学中退をした個別の事情に合わせて履歴書対策、面接対策を行ってくれたり、本人の希望に合った女性が働きやすい企業を紹介してくれます。
以下の記事では、無料で利用できて、大学中退者が内定を得ている就職支援サイトを紹介しているので、ぜひ活用してみください。
1-2.公務員試験を受ける
大学を中退していても、公務員試験に合格できれば公務員になることができます。
公務員試験には様々な種類があり、それぞれ難易度も異なりますが、難易度の低いものでも平均1年程度の勉強期間が必要と言われています。
相当な勉強が必要な公務員試験ですが、公務員には公務員法という法律があり、その法律の「平等の取り扱い」という項目によって、学歴の低さやブランク期間の長さなどで差別をしてはいけないことが定められています。
そのため、学歴やブランク期間が原因で書類審査が通らないということは無く、筆記試験結果と面接で公平に評価してもらえます。
そもそも公務員試験の応募者には、勉強のためにブランク期間ができてしまっている人も多いので、多少のブランク期間があっても特段目立つことはありません。
公務員は、リストラや倒産の心配がないことや、福利厚生が充実していることから、安定した生活が送りやすいです。
また、大学中退者の最終学歴は「高卒」ですが、同じ公務員試験に合格すれば高卒も大卒も同じ仕事内容を任せられるので、就職後学歴コンプレックスを感じにくいです。
以下の記事では、大学中退者が公務員試験を検討するときに役立つ情報を詳しく解説しているので、よければ見てみてください。
1-3. 契約社員や派遣社員として就職する
正社員として就職活動を進めてみてもなかなか採用に至らなかったり、興味のある仕事の多くが非正規雇用という場合、契約社員や派遣社員として働いてみるのも一つの進路です。
契約社員とは
契約社員は、決められた期限で働くことを企業と直接契約する雇用形態で、契約期限がくるたびに、双方の同意の上契約更新をしていきます。
契約更新をしないと言われ仕事を失うリスクもありますが、企業と直接雇用契約を結んでいるので正社員になれる可能性もあります。
派遣社員とは
派遣社員は、派遣会社に登録すると、派遣会社から仕事を案内してもらえる働き方で、給与の支払いや福利厚生も派遣会社のものを利用します。
給与は時給制で、大手企業などで決められた範囲の仕事内容を行います。
残業や休日出勤が基本的にないため、プライベートを充実させることのできる働き方です。
どちらの雇用形態も仕事を失うリスクや昇給賞与が期待できないといったデメリットはありますが、正社員よりも採用されやすいです。
正社員の中途採用では、経験なしの大学中退者より、非正規雇用でも職務経験のある大学中退者の方が好まれるので、数年間職務経験を積むことで別の企業の正社員に転職することも可能です。
1-4. フリーターになる
大学中退後、「就職活動が上手く行かない」「特にやりたいことがない」といった理由でとりあえずアルバイトを始める女性は多いです。
フリーターは勤務時間が長いほど高収入になるので、若い頃は正社員より稼げることも少なくありません。
しかし、正社員は勤務年数が長くなるほど昇給することが多いので、フリーター期間が長くなるほど正社員として働く同年代の人との給与差が大きくなります。
また、フリーター期間が長くなると、未経験で正社員就職は難しくなるので、大学中退後にアルバイトをする場合は、あらかじめ期間を決めておくことをおすすめします。
アルバイトを選ぶ際は、将来事務職希望ならパソコンを使う仕事、営業希望ならコミュニケーション能力が高くなる職種など、就職するときに役立つ職種を選ぶのもポイントです。
アルバイトと就職活動を並行して行う場合は、アルバイトの居心地の良さから就職活動を辞めてしまわないよう注意しましょう。
非正規雇用の女性は結婚率が低い?
正社員の方が安定しているのは分かっているけど、結婚や出産で辞める可能性も高いから非正規雇用でもいいのでは?と思う大学中退女性は多いのではないでしょうか。
しかし、1000人の女性を対象に行った調査で、最初に就いた仕事が正社員だった女性の結婚率が70.9%であるのに対し、非正規雇用の女性の結婚率は26.9%と驚くほど低いことが分かりました。(非正規雇用で働く女性に関する調査2017より)
男性の年収だけで家庭を支えることが難しくなってきた現代、女性にも経済力を求める男性が多いことが大きな要因です。
また、非正規雇用の職場では正社員の男性との出会いが少ないことや、非正規雇用の収入の低さから出会いの場に積極的に行けないことも結婚率の低さに関係しています。
また、男性の中には、「いずれ仕事を辞めるとしても、初めから養ってもらう気でいてほしくない」「仕事の大変さを共有できない」といった辛辣な意見もあるようです。
しかし、ひとまとめに非正規雇用と言っても仕事内容や雇用形態によって男性が受ける印象も身に付くスキルも違うので、非正規雇用で働く場合は転職に活かせるスキルの身に付く仕事がおすすめです。
1-5. 一定期間休息する
大学中退した理由が人間関係や病気などの場合、中退後体調や気持ちが落ち着くまで休息することも大切です。
体調の優れないときに無理をして就職活動を行っても、自信の無さが伝わってしまったり、余計に体調が悪化してしまうこともあります。
休む場合は、「ニートになってしまって親に申し訳ない...」などと悲観的にならずに、楽しく過ごすことが大切です。
気持ちに余裕がある場合は、資格取得に励むのもおすすめです。
大学中退で職歴が無くても、資格があれば就職に役立つことも多いです。
大学中退後の資格取得については以下の記事を参考にしてみて下さい。
また、将来の結婚生活に向けて花嫁修業をするのもおすすめです。
結婚した場合はもちろん、結婚しなくても料理や掃除などは覚えておいて損はありません。
ただし、休息期間が長くなりすぎると、社会的にも自分のメンタル的にも就職が困難になってしまうので、1か月や3か月など期間を決めておくとよいでしょう。
1-6. 別の大学へ編入する
編入とは、中退前の大学で取得した単位を活かして、別の大学に途中学年から入ることを指します。
4年間通わずに大卒の学歴を得ることができるので、就職活動時の年齢が高くなりすぎず年齢で不利になることがありません。
編入の条件は大学や学部によって異なりますが、3年次からの募集が多く、
「大学2年次修了者」
「62単位修得していること」
などとしている大学が多いです。
編入試験は一般入試より試験科目が少なく、志望学部の専門科目や論文などが重点的に出題されます。
前の大学の勉強内容が合わずに中退した人や、他に学びたいことがあった人、大学中退を後悔している人におすすめの進路です。
以下の記事では、編入のメリットや条件、試験内容について詳しく解説しているので、興味のある人は参考にして下さい。
1-7. 専門学校へ進学する
大学中退後、手に職を付けたい人や学びたい専門分野がある人は、専門学校へ進学する選択肢もあります。
大学中退後に専門学校に通うと浮いてしまうのではと心配するかもしれませんが、実は専門学校入学者のうち4分の1は既卒者です。
既卒者の中には、社会人経験のある人や大卒者などさまざまな経歴の人がいて、これまで関わることのできなかった人と交流できる機会にもなります。
専門学校を卒業すると、専門学校で学んだ分野の仕事に格段に就職しやすくなるので、したい仕事が明確な人におすすめの進路です。
また、専門学校を卒業しても大学中退学歴は消えませんが、大学中退学歴のせいで専門学生としての就職活動が不利になることはほとんどありません。
ただし、大学中退後に専門学校に通う場合、専門学校で学んだ分野以外の就職活動では、
「やりたいことがあって中退後に専門学校へ進学したはずなのに、なぜ関係のない分野の仕事に応募しているのだろう。」
「芯がなく、仕事も思っていた内容ではなかったとすぐに辞めてしまうだろう」
などと思われて就職が困難になってしまうので、本当にその分野の仕事がしたいのか専門学校入学前にきちんと向き合うことが大切です。
以下の記事では、大学中退後に専門学校へ進学することのメリットや注意点などを詳しく解説しているので、良ければ参考にして下さい。
1-8. 留学する
大学中退後、語学を身に着けようと留学を検討する人は少なくありません。
留学を大きく分けると、「語学留学」「ワーキングホリデー」「正規留学」の3種類があるのですが、このうち語学留学とワーキングホリデーは語学力がなくても行くことができます。
また、ワーキングホリデーは現地で働くことが許可されているので、渡航前の経費が最小限の100万円程度で済みます。
どの留学も異国の人との交流など貴重な経験ができますが、ある程度の語学力を身に着けただけでは帰国後の就職活動で役に立ちません。
留学に行くなら、TOEICで800点以上を目指すなど、就職活動で強みとなる目標を立てることが大切です。
以下の記事では、大学中退後に利用できる留学制度、費用、渡航の流れなど詳しく解説しているので、興味のある方は参考にして下さい。
2. 大学中退女性も採用されやすい職種3つ
ここまで大学中退女性が選べる進路を紹介しましたが、その中でも一番多くの人が考えるのが就職ではないでしょうか。
しかし、大学中退女性の中には、やりたい仕事が分からないという人も多いです。
そこで、ここからは、大学中退女性におすすめの職種を、
- 大学中退女性も採用されやすい、人柄重視の職種3つ
- 努力次第で大学中退女性も狙える人気の職種3つ
に分けて紹介します。
まずは、大学中退女性も採用されやすい、学歴より人柄を重視される職種を3つ見ていきましょう。
2-1. 「販売職」好きな商品に関われる職種
☆販売職に含まれる職種☆
百貨店・量販店・スーパーの販売員、化粧品販売員など
販売職は、アピール力・コミュニケーション能力が求められる仕事です。
利用者に直接商品を販売する仕事なので、どのくらい商品をアピールできるか、相手に購入意欲を持たせるかが決め手になります。
利用者からの質問に詳細な受け答えができるように、商品について詳しく知ることと、利用者の信頼を得ることが必要になります。
たくさんの人員が必要なため採用人数が多いことや、学歴や学力より人柄を重視する企業が多いことから、大学中退者も採用されやすい職種です。
また、婦人服や化粧品など女性向けの店舗はもちろん、食品や雑貨店などでも女性を求めている企業が多いので、女性が有利になりやすい職種でもあります。
就職活動では、取扱う商品の好きなところや、人と関わることが好きということをアピールしましょう。
販売職のメリット
- ・コミュニケーション能力が高くなる
- ・女性が活躍できる職場が多い
- ・流行に敏感になる
- 販売職の平均年収 女性
-
- 店長・販売スタッフ 約292万円
2-2. 「サービス職」おしゃれな仕事が多い職種
☆サービス職に含まれる職種☆
ネイリスト、エステティシャン、ブライダルコーディネーター、ツアーコンダクター、介護職など
サービス職は、求人数、就職希望者数が多い職種です。
給料は他の職種と比べると低い傾向にありますが、人におもてなしを提供して、その反応を直接感じることができるので、とてもやりがいのある職種です。
エステティシャンなど、職種によっては営業成績次第でインセンティブが入る場合も多いので、平均より高い給与の場合もあります。
どの仕事も利用者に満足してもらうことが大切なので、利用者に提供するサービスを通して、相手に好印象を与えられる正しい所作が自然と身につきます。
就職活動では、「人に喜んでもらえることに一番やりがいを感じる」など、人と接することが好きということをアピールすると好印象です。
サービス職のメリット
- ・やりがいを感じる
- ・好きなことを仕事にできる
- ・人間関係が広がる
- サービス職の平均年収 女性
-
- エステティシャン 約278万円
- ブライダルコーディネーター 約306万円
- 旅行手配・ツアーコンダクター 約299万円
2-3. 「営業職」頑張りが報われる職種
☆営業職に含まれる職種☆
法人営業、個人営業、生命保険セールスレディ、MR(製薬会社の営業)、建築物件セールスなど
男性が多い印象の営業職ですが、近年は20代、30代といった若い女性にも人気の職種です。
求人の募集要項の条件があまり厳しくないので、正社員未経験者や資格を持っていない大学中退女性も応募可能な求人が多いです。
現場に出てお客様と対面する仕事なので、人柄はもちろんですが前向きさとメンタルの強さが求められます。
ノルマを達成すれば報酬が増える成果主義の仕事なので、上昇志向のある女性は営業職を目指してみるとよいでしょう。
企業によってノルマのキツさや雰囲気も違うので、ルート営業か飛び込み営業か、体育会系かそうでないかなど、自分に合った環境を見定めることが大切です。
就職活動では、「目標達成したときの達成感が好き」「人に喜んでもらえることが好き」ということをアピールしましょう。
営業職のメリット
- ・歩合制の仕事が多いので、高収入を得ることが可能
- ・仕事の成果を直接感じられる
- ・対人関係のスキルが身につく
- 営業職の平均年収 女性
-
- 医薬品メーカー 約530万円
- 保険 約338万円
- 建設・不動産 約368万円
3. 大学中退女性も狙える安定した職種3つ
ここからは、競争倍率が高い人気職種や、資格のための勉強が必要な職種を紹介します。
少し難易度は上がりますが、就職できれば長く続けやすい仕事が多いので、できるだけ安定した仕事がしたい大学中退女性はぜひ検討してみて下さい。
3-1.「事務職」女性人気No.1の職種
☆事務職に含まれる職種☆
一般事務、営業事務、経理、総務、人事、医療事務、学校事務、秘書など
事務職は、女性に人気No.1の職種です。
事務職の中でも一般事務や営業事務、総務は、資格や経験がなくても応募できる求人が多いので、女性が就職活動をはじめて最初に就職することを検討する人が多いです。
事務職の魅力は、定型の仕事が多いので仕事を覚えやすく、未経験者からでも挑戦しやすいことです。
座ってできる仕事なので体力的にも続けやすいことや、人との関りがほぼ社内の人なので対人ストレスが少ないことも事務職の魅力です。
このような理由から、事務職を希望する女性は多いですが、求人数は多くないため競争倍率は高くなる傾向にあります。
また、事務職を派遣社員に任せる企業が増えているので、正社員として事務職に就職するには資格を取得するなどの努力が必要になる場合もあります。
事務職を、就職活動で目指す職種の一つとして考えるのはよいですが、他の職種も同時に検討するとよいでしょう。
事務職のメリット
- ・電話や来客対応の基本マナーが身につく
- ・座って仕事ができる
- ・ノルマや営業がない
- 事務職の平均年収 女性
-
- 一般事務職 約309万円
- 営業事務職 約315万円
- 医療事務職 約275万円
3-2. 「専門・技術職」一生ものの技術が身につく職種
☆専門・技術職に含まれる職種☆
看護師、歯科衛生士、システム設計者、製造技術職、建築設計士、自動車整備士など
専門・技術職は、専門知識や専門技術を活かして働く職種です。
専門職や技術職の職種には、以前は「男性の仕事」というイメージが強いものも多かったですが、最近では、そのような職種でも女性が活躍するようになっています。
専門職や技術職は、専門性を身につけるために勉強をしたり、資格を取得したり、経験を積む必要があるので、学校に通ったり講座を受けたりと、他の職種よりも事前投資や時間が必要です。
しかし、勉強をしたり、資格を取得したりして、身についた知識や技術は一生ものです。
結婚や出産のために退職をして、子育てが落ち着いてから仕事に復帰する時にも、身につけた知識や技術のおかげで、元の職場に復帰しやすかったり、別の職場への再就職で有利になります。
専門・技術職のメリット
- ・自分の好きな仕事に就ける
- ・職場復帰・再就職しやすい
- ・将来、独立することが可能
- 専門職の平均年収 女性
-
- 看護師 約404万円
- 歯科衛生士・歯科技工士 約315万円
- 設計(建設・土木) 約375万円
3-3. 「公務員」安定度抜群の職種
☆公務員に含まれる職種☆
市町村役場の行政窓口、警察官など
公務員は、国や都道府県、市区町村を支える仕事を行っています。
民間企業のように利益を求めるのではなく、国民が生活しやすくなるように働くので、そのような部分にやりがいを感じる人が働いています。
公務員を大きく分けると、国家公務員と地方公務員があり、それぞれの公務員採用試験に合格して採用されると、公務員として働くことができます。
公務員のメリット
- ・学歴を問わず、公務員採用試験が受験できる(年齢制限あり)
- ・倒産やノルマがなく、定年まで働ける
- ・手当や福利厚生が充実している
- 地方公務員の平均年収の例(※1)
-
- 全地方自治体の平均年収 約590万円
※1 地方公務員の平均年収例は、男女合わせた金額です。
東洋経済ONLINE「最新!『公務員年収ランキング』トップ500」2017年4月26日より
初めての職種は転職にも影響する
ここまで、大学中退女性が就職しやすい職種と、少し難易度は上がるが人気の職種を紹介しました。
就職活動が上手く行かないと、どんどん希望条件が緩くなり、職種も広げて考えることが多いです。
しかし、初めに就職した職種は、転職時に職歴として大きく影響するので注意が必要です。
例えば一社目で販売職をしてみたが合わないから事務がしたいとなっても、転職では前職の経験が大きな判断材料となるので、事務経験者が採用されることがほとんどです。
逆に、販売の仕事内容は楽しいが、職場環境を変えたいから別の販売職に転職したいという場合は、前職の経験が役に立ちます。
初めからあまりに希望条件を固めすぎるのは良くありませんが、合わなければ転職しようという考えは少し危険です。
転職を視野に入れて雇用形態より職種を優先するか、職種より正社員という雇用形態を優先するか、じっくり検討して下さい。
4. 大学中退女性が就職活動を成功させる方法
4-1. 中退後、期間を空けずに早めに就職活動を行う
したいことが明確に決まらないまま大学を中退すると、ダラダラと時間が流れてしまいがちですが、大学中退女性が就職活動を成功させるためには中退後に期間を空けないことが大切です。
以下のグラフは、フリーターから正社員になれた人の割合を、フリーターをしていた期間ごとにまとめたものです。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構『大都市の若者の就業行動と意識の分化−「第4回 若者のワークスタイル調査から」−』
フリーター期間が7か月~1年以内の女性は6割ほどが正社員就職できていますが、1年以上になると35%ほどにがくっと下がっています。
フリーター期間が長いと、「なんとなく大学を中退して、なんとなくフリーターを続けている計画性の無い人」と企業の採用担当者に思われてしまうことが理由の一つです。
また、正社員経験がなくても若ければ企業からの需要も高いですが、年齢を重ねるごとに未経験者を雇ってくれる企業は少なくなるため、4年以上フリーターをして正社員になれた女性は15%ほどにまで下がっています。
思ったように就職活動が進まず長引くことも考えられるので、中退後はできるだけ早く就職活動を始めましょう。
4-2. 若手や女性を積極採用している企業に応募する
大学中退女性は「中途採用枠」で就職活動を行うので、ライバルは基本的に社会人経験のある人です。
中途採用では前職の経験が重要な判断材料になるので、職歴の無い大学中退者は男女問わず不利になってしまいます。
しかし、前の企業の働き方が染みついていない若い人を一から育てたいという企業は少なくありません。
求人情報の写真に若手がたくさん載っている企業や、「未経験者歓迎」と記載している企業は若い人材を求めている場合が多いので、大学中退者も採用されやすいです。
また、エステや化粧品会社、アパレル会社や受付など、女性が多く活躍している職種は若い女性というだけで需要が高いです。
社会人経験のない大学中退女性に企業が求めているのは、「素直さ」「誠実さ」「熱意」といった印象の良さなので、明るく前向きに就職活動を行いましょう。
4-3. 企業の大きさにこだわらない
大手企業は福利厚生がしっかりしていたり、倒産の心配がなさそうなことからつい目が行ってしまうのではないでしょうか。
しかし、企業の規模が大きくなればなるほど、競争率は高くなります。
以下のグラフは、企業の規模別に、大学新卒者向けの求人がどれくらいあるのかを、求人倍率(求職者1人に求人が何社あるのか)で表しています
出典:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」2017年
青い線は比較的規模の小さな企業で、2018年卒業者の求人倍率は6.45倍となっており、1人の求職者に6.45社の求人があることがわかります。
一方、緑の線が従業員5,000人以上の大規模企業なのですが、2018年卒業者の求人倍率は0.39倍となっており、1人の求職者に0.39社の求人しかないことがわかります。
また、大手企業には学歴や職歴が優秀な人の応募も多いため、その中から大学中退者が採用されるのは残念ながら難しいです。
スキルを身に着けてより良い待遇の企業に転職することも視野に入れ、企業の大きさにこだわらず中身を見てくれる企業との縁を大切にしましょう。
5. 大学中退女性は就職活動で不利になるの?
ここまで大学中退女性が就職活動を成功させる方法についてお伝えしましたが、大学中退していることや、女性ということで就職に不利になることはあるのでしょうか。
5-1. 大学中退は就職活動で不利になる
性別関係なく、大学中退という学歴が就職活動で不利になることは残念ながら多いです。
正社員採用する以上できるだけ長く働いてほしいと企業は考えていますが、「大学を途中で辞めたように仕事もすぐに辞めてしまうのではないか」と、忍耐力の無さを懸念されてしまうからです。
また、せっかく大学に入学できても、中退してしまうと最終学歴は高卒になるため、応募条件を「大卒以上」としている求人には応募できなくなります。
「高卒以上」「学歴不問」といった求人はたくさんありますが、それでも大卒に比べると限られた求人の中から就職先を決めないといけないので、少しハードな就職活動になることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
5-2. 女性が就職活動で不利になることは減っている
大学中退が就職活動で不利になることをお伝えしましたが、女性ということでさらに就職活動で不利になることはあるのでしょうか。
以前は、「女性は結婚や出産を機に仕事を辞めてしまう可能性が高い」という理由で男性を優先して採用している企業も少なくありませんでした。
採用活動や研修にはたくさんの費用と手間がかかるので、企業としてはできるだけ定年まで働いてほしいという思いがあるためです。
しかし、男女雇用機会均等法が施行されてから男女別に求人を出すことができなくなったので、現在は性別以外の条件を満たしていれば全ての求人に応募することができます。
求人数が平等になったことや、女性の社会進出が進んだことで、これまでは男性がメインで働いていた営業職や総合職などでも、女性が多く活躍するようになりました。
また、結婚後や出産後も仕事を続ける女性が増え、女性は仕事を辞めやすいという企業の認識が変わりつつあるので、女性だから就職で不利になることは減っています。
特に、大学を中退した女性は、フリーター期間が数年あったとしても20代前半の場合が多くとても若いです。
大学中退で社会人未経験でも、20代前半の若い女性はさまざまな職種において強みになります。
「学歴不問」「高卒以上」「未経験歓迎」を応募条件に記載している企業は、学歴よりも若さや人柄、熱意を重視していることが多いので、
「大学中退した女性なんて就職できないんじゃないかな...」
とコンプレックスに感じすぎず前向きに就職活動を行いましょう。
6. 大学中退女性の履歴書の書き方
6-1. 大学中退は必ず記載する
履歴書に大学中退したことを記載すると、書類選考の時点で不利になってしまうのではないかと考えて、書かなくてもいいのかな?と悩む人は多いです。
確かに、大学中退をよく思わない採用担当者もいますが、大手企業でない限りそこだけで判断する企業は少ないです。
大学中退を「大学卒業」や「高卒」と偽ることは、学歴詐称となってしまうので、必ず記載しましょう。
正しい書き方は、以下のように大学名の横に「中途退学」と書きます。
○年 | 〇月 | △△大学文学部心理学科 入学 |
○年 | 〇月 | △△大学文学部心理学科 中途退学 |
以下の記事では、大学中退者の履歴書の書き方を例を用いて詳しく解説しているので、参考にして下さい。
6-2. 大学中退理由は理由によって書く、書かないを判断する
大学中退理由を履歴書に書かなければいけないという決まりはないので、大学中退理由によって書く、書かないを判断します。
書いた方が良い理由には、以下のようなやむを得ない事情が挙げられます。
○年 | 〇月 | △△大学外国語学部英米語学科 病気で長期入院のため中途退学 (現在は完治し、フルタイム勤務可能) |
○年 | 〇月 | △△大学理工学部土木工学科 家庭の経済的な理由により中途退学 |
一方、書かない方が良い理由には、以下のようなネガティブな理由が挙げられます。
- 授業についていけなかった
- 大学に魅力を感じなかった
- 人間関係に悩んだ
このような内容を記載してしまうと、履歴書を見た段階で「忍耐力がない」「仕事もすぐ辞めそう」などと思われてしまいます。
ネガティブな大学中退理由の場合は、明確な理由は示さずに、以下のように記載します。
○年 | 〇月 | △△大学理工学部土木工学科 一身上の都合により中途退学 |
6-3. 女性が履歴書の証明写真を撮るときのポイント
- 履歴書の証明写真に適したヘアメイクをする
-
履歴書の証明写真では、目を大きく見せたり濃い口紅をする必要はなく、ナチュラルで清潔感のあるメイクが好ましいです。
髪色はできれば黒が好ましく、明るくても暗めのブラウンにしましょう。
前髪は目にかからないようにし、ぱっつんや過度に短い前髪は控えます。
ショートカットは髪を耳にかけ、長い場合は一つに束ねます。
メイクに自信がないという方は、就職活動用の写真を撮ってくれる写真屋のヘアメイクプランの利用もおすすめです。 - 証明写真は写真屋で撮る
-
証明写真はコンビニの前などにあるスピード写真機ではなく、写真屋でとることが好ましいです。
写真屋では、表情や姿勢を正してくれたり、光加減を調整してくれたり、シミ補正なども行ってもらえるので、自分では撮れない証明写真を撮ることができます。
少々値段は張りますが、データを貰えることが多いので就職活動が長引いても何枚も利用することができます。
7. 大学中退女性の面接対策
7-1. 大学中退理由は前向きに締めくくる
大学中退者の面接では、必ず「大学中退理由」を聞かれます。
どうしても大学中退していると、「忍耐力がなく仕事でも嫌なことがあると逃げ出してしまうのではないか」と不安視されるので、面接での大学中退理由の答え方はとても重要です。
【例】
私が大学に通っている間に、父親が病気をしたため、学費を工面することが難しくなりました。 家庭を支えるためにも、大学に通うより、はやく社会に出て仕事をしたいと思い中退をしました。 私は学生時代アルバイトで雑貨の販売を行っていたのですが、御社の商品がよく売れていたことから御社に興味を持ちました。 御社ついて調べる中で、一つ一つの商品へのこだわりの深さを知り、そのような商品を小売店に販売して広めていく仕事がしたいと思い応募させていただきました。
というように、大学中退というネガティブワードを、最終的に前向きに締めくくることがポイントです。
以下の記事では、大学中退理由別の面接での答え方を例文と一緒に解説しているので、良ければ参考にして下さい。
7-2. 身だしなみに気を付ける
きちんとした身だしなみは、それだけで第一印象が良くなります。
以下のポイントを押さえましょう。
- スーツ
-
色:黒の無地
丈:スカートの場合は膝丈、パンツの場合は皮膚が見えず地面に付かない丈
汚れ、しわ、ほつれがなく、きちんとアイロンがけされていること
パンツの場合は折り目がついていること
- シャツ
-
色:白の無地
形:襟つきのカッターシャツ、または胸元が開きすぎていないブラウス
汚れ、しわ、ほつれがないこと
襟つきの場合は第一ボタンまで閉めること - メイク
-
ラメや濃い口紅、長めのアイラインなど、かわいく見せるためのメイクは控えること
就職活動とは言えノーメイクはNG。眉毛、リップ、ファンデーションの最低限のメイクは行うこと - 髪形
-
色:黒またはダークブラウン(黒が無難)
長い髪は一つに束ねる
肩に付かない長さの場合は耳にかける
ぱっつん前髪、過度に短い前髪は避ける
基本的にナチュラルメイクで、清潔感のある服装をしていけば問題ありません。
ただし、接客業など仕事をする上でメイクが必要な職種の面接では、少し華やかなメイクを心がけると好印象です。
8. 大学中退女性が利用できる就職支援ツール
大学生は、大学の就職活動サポートが豊富なので、アドバイスをもらうことができます。
しかし大学を中退すると、周りに就職活動のアドバイスをしてくれる人が少なく、気持ちが保てず挫折してしまうケースも多いです。
就職活動は悩むことや分からないことが多いので、一人で行わず周りに相談できる人を作ることが大切です。
ここからは、大学中退者が利用できる就職支援ツールを紹介します。
8-1. 就職支援サイト
就職支援サイトは、キャリアアドバイザーからアドバイスがもらえる無料のサービスです。
就職支援サイトの中で大学中退者にもっとも人気があるのが「JAIC(ジェイック)」です。
JAICでは、大学中退者向けの履歴書の書き方を教えてくれたり、面接対策も行ってくれるので、就職活動に不安がある人に役立つはずです。
大学中退者向けの優良企業の紹介もしてくれるので、便利に利用できます。
また、同じJAICが提供する女性に特化した「女子カレッジ」という就職支援サイトでは、女性向けの就職講座が充実しているのでこちらを利用するのもよいでしょう。
ただし、女子カレッジのサービスは東京でしか提供されていないことが多いので、東京に訪問するのが難しい場合は、全国さまざまな場所でサービスが提供されている通常版のJAICを利用するとよいでしょう。
どちらもJAICが行っている就職支援サイトですので、通常版のJAICを利用しても、女子カレッジを利用しても、同じ求人を紹介してもらえます。
この他の、大学中退者が利用して内定を得ている就職支援サイトは、以下の記事で紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
8-2. ハローワーク
ハローワークは、就職支援を行っている公共施設で、年齢や職業関係なく、誰でも利用することができます。
大学中退者にハローワークをおすすめする理由は、高校卒業後3年以内であれば「若者応援ハローワーク」、3年以上であれば「わかものハローワーク」というサービスを受けることができる点です。
この若者向けのサービスでは、担当の相談員が面接や履歴書対策を行ってくれるなど、普通のハローワークよりも手厚いサービスを受けることができます。
ハローワークは求人掲載料が無料のため、たくさんの求人を検索することができますが、その分ブラック企業に当たってしまう可能性も高いので注意も必要です。
9. まとめ
ここまで、大学中退女性におすすめの進路や職種、就職活動方法について紹介しました。
女性は、将来の結婚や出産を考えてしまいがちですが、それを理由に正社員を目指さないのはあまりおすすめしません。
いつ結婚するかは誰にも分からず、結婚しても仕事を辞められるだけの経済力がある相手かも分かりません。
自分にはどんな働き方が向いているのか、ぜひじっくり自分と向き合ってみて下さい。
大学中退者に
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