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大学の中退率はどれくらい?

大学中退率は1年間で2.65%。4年間で7%

文部科学省が2014年に行った調査によると、全学生数299万1,573人の内、1年間で大学中退をした人数は7万9,311人です。

ですので、1年間の大学中退率は2.65%です。

大学中退率は、1年間の大学中退率よりも、大学に通う4年(6年制の大学は6年)間での大学中退率のほうが実感に近い数値になります。

そこで、中央公論新社が発行している「大学の実力2019」を参考にして、4年(6年制の大学は6年)間の大学中退率を求めてみましょう。

「大学の実力2019」によると、2014年(6年制は2012年)4月に入学した学生53万8,148人の内、4年(6年制は6年)間に退学(除籍を含む)した学生数は3万7,584人です。

退学者数を入学者数で割って、大学中退率を求めると、

  • 37,584÷538,148≒0.07

つまり、大学に通う4年(6年制の大学は6年)間の大学中退率は7%です。

同じタイミングで入学した学生100人の中では、卒業式を迎えるころに7人が大学中退をしていることになります。

出典:文部科学省「学生の中途退学や休学等の状況について」2014年9月25日

大学中退率の推移

大学に通う4年(6年制の大学は6年)間の大学中退率は、大学の実力2019の情報から導き出すと7%でした。

また、大学の実力2018年では7%大学の実力2017年では7.2%となっており、それ以前8年分の大学中退率を含めても7%前後で推移しています。

大学中退率は増加傾向にあると言われることがありますが、実際は、大きな変化はないようです。

大学中退率ランキング(全大学・国立・公立・私立別)

ここからは、大学の実力2019(2018年5月1日集計)に掲載されている692大学で、大学に通う4年(6年制の大学は6年)間の大学中退率ランキングを作成したので見ていきましょう。

全大学の大学中退率が高いランキングTOP10

  • 1位. 日本映画大学 33.1%
  • 2位. 第一薬科大学 28.8%
  • 3位. 苫小牧駒沢大学 27.7%
  • 4位. 羽衣国際大学 27.2%
  • 5位. 愛知文教大学 27.1%
  • 6位. 修文大学 27.0%
  • 7位. 神戸国際大学 26.5%
  • 8位. 四條畷学園大学 25.8%
  • 9位. 大手前大学 25.4%
  • 10位. 東京神学大学 25.0%
  • 10位. 三洋小野田市立山口東京理科大学 25.0%

国立の大学中退率が高いランキングTOP10

  • 1位. 長岡技術科学大学 8.4%
  • 2位. 室蘭工業大学 8.1%
  • 3位. 北見工業大学 7.9%
  • 4位. 九州工業大学 7.3%
  • 5位. 琉球大学 7.1%
  • 6位. 筑波技術大学 6.8%
  • 7位. 東京海洋大学 6.6%
  • 8位. 島根大学 5.1%
  • 9位. 秋田大学 5.1%
  • 10位. 茨城大学 5.0%

公立の大学中退率が高いランキングTOP10

  • 1位. 三洋小野田市立山口東京理科大学 25.0%
  • 2位. 公立諏訪東京理科大学 23.7%
  • 3位. 岐阜薬科大学 12.0%
  • 4位. 前橋工科大学 8.8%
  • 5位. 長岡造形大学 8.5%
  • 6位. 石川県立大学 7.5%
  • 7位. 青森公立大学 7.3%
  • 8位. 公立鳥取環境大学 6.6%
  • 9位. 島根県立大学 6.6%
  • 10位. 釧路公立大学 6.4%

私立の大学中退率が高いランキングTOP10

  • 1位. 日本映画大学 33.1%
  • 2位. 第一薬科大学 28.8%
  • 3位. 苫小牧駒沢大学 27.7%
  • 4位. 羽衣国際大学 27.2%
  • 5位. 愛知文教大学 27.1%
  • 6位. 修文大学 27.0%
  • 7位. 神戸国際大学 26.5%
  • 8位. 四條畷学園大学 25.8%
  • 9位. 大手前大学 25.4%
  • 10位. 東京神学大学 25.0%

国立・公立・私立の平均大学中退率を導き出すと以下のようになります。

  • 国立大学の平均大学中退率は、2.9%
  • 公立大学の平均大学中退率は、4.2%
  • 私立大学の平均大学中退率は、8.0%

大学中退率は、国立や公立大学が低く、私立大学が高いという傾向があります。

国公立大学は、試験科目数が多かったり、偏差値がある程度高いので大学への志望度が高い人が集まっていたり、学費が安いことから大学中退率が低くなる傾向にあります。

一方、私立大学は、試験科目数が少なかったりAO入試が多かったり、大学の数が多く偏差値が低い大学も多かったりと、目標を持って大学に入学する人以外でも入学しやすい環境があることや、学費が国公立に比べて高いために大学中退率が高くなる傾向にあります。

大学偏差値別の大学中退率

大学中退率は、大学の偏差値と強い相関関係を持っています。

偏差値別の大学中退率に関しても、調査が行われているので見てみましょう。

偏差値別の中退率(2008年入学から2012年卒業までの期間)

偏差値私立国公立合計
3917.2%なし17.2%
40-4416.9%なし16.9%
45-4911.6%6.7%11.5%
50-548.0%3.8%6.8%
55-596.0%3.6%5.0%
60-643.4%1.6%2.9%
65-693.2%2.4%3.0%
70以上3.0%1.5%2.2%
平均11.0%2.9%9.4%

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究 」2015年5月

偏差値の高い大学は中退率が低く、偏差値が低い大学は中退率が高いという結果が出ています。

それでは、実際の大学の、偏差値別の大学中退率を見てみましょう。

大学名 学部 偏差値 大学中退率(%)
慶應義塾大学 経済学部 68 2.3
上智大学 経済学部 65 2.8
青山学院大学 経済学部 60 3.0
武蔵大学 経済学部 57 2.4
専修大学 経済学部 53 4.3
東京経済大学 経済学部 50 9.5
帝京大学 経済学部 49 12.1

出典:大学の実力2019(2018年5月1日集計)

偏差値50前後以上の大学に絞っても、偏差値が高いほうが大学中退率は低く、偏差値が低いほど大学中退率は高いです。

偏差値が50以下の大学になると、大学中退率が10%を超えてくる大学が増えてきて、大学や学部によっては20%を超えるケースもあります。

主要大学の大学中退率

それでは、次に主要大学の大学中退率についても大学の実力2019を参考に見ていきましょう。

どの大学も人気があって入学希望者が多く、偏差値も高い大学ですので、大学中退率は低い傾向にあります。

旧帝大の大学中退率

  • 北海道大学 1.5%
  • 東北大学 1.5%
  • 東京大学 0.5%
  • 名古屋大学 1.2%
  • 京都大学 1.2%
  • 大阪大学 2.1%
  • 九州大学 1.9%

早慶上理ICUの大学中退率

  • 早稲田 2.8%
  • 慶応 2.6%
  • 上智大学 2.9%
  • 東京理科大学 6.2%
  • 国際基督教大学(ICU) 3.8%

GMARCHの大学中退率

  • 学習院大学 2.7%
  • 明治大学 3.3%
  • 青山学院大学 2.9%
  • 立教大学 1.8%
  • 中央大学 3.2%
  • 法政大学 3.2%

関関同立の大学中退率

  • 関西大学 3.6%
  • 関西学院大学 3.6%
  • 同志社大学 3.3%
  • 立命館大学 4.5%

産近甲龍の大学中退率

  • 京都産業 8.0%
  • 近畿大学 6.8%
  • 甲南大学 4.2%
  • 龍谷大学 5.3%

大学中退理由別の割合

ここまで大学中退率について見てきましたが、大学中退をする人はどのような理由で中退をしているのでしょうか?

大学中退をした人の「中退理由別」の割合は以下のようになっています。

2012年時点で、大学中退者について学校にアンケートを行った結果では、

中退理由中退者に占める割合
経済的理由20.4%
転学15.4%
学業不振14.5%
就職13.4%
病気・ケガ・死亡5.8%

出典:文部科学省「学生の中途退学や休学等の状況について」2014年9月25日

2014年時点で、ハローワークを訪問した大学中退者にアンケートを行った結果では、

中退理由中退者に占める割合
学業不振・無関心42.9%
家庭・経済的理由19.3%
進路変更15.1%
病気・ケガ・休養10.9%
人間関係・大学生活不適応10.0%
特に何もない・その他1.8%

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究」2015年年5月27日

となっています。

大学中退理由としては、「経済的理由」「学業不振」「進路変更(転学など)」が多いです。

大学中退理由別の割合は、どこでアンケートを行ったのか(学校・ハローワークなど)、いつアンケートを行ったのか(経済環境の変化など)によって大きく変わる場合があります。

大学中退理由に関しては、以下の記事でさらに詳しく解説しているので、こちらもチェックしてみてください。

大学中退理由にはどのようなものがあるの?のアイキャッチ画像大学中退理由にはどのようなものがあるの?

大学中退した学年別の割合

大学中退者は、何年生で大学中退をしている人が多いのでしょうか。

大学中退をした学年ごとの割合も公表されているので、ここで紹介します。

大学中退した時の学年(男性)

1年生2年生3年生4年生以上
12.3%28.4%26.4%32.9%

大学中退した時の学年(女性)

1年生2年生3年生4年生以上
27.5%37.1%17.9%17.5%

大学中退した時の学年(男女計)

1年生2年生3年生4年生以上
17.0%31.0%23.8%28.1%

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究 」2015年5月

男女で大学中退をする学年に大きな違いがみられます。

女性は1年や2年で大学中退をする人が多く男性は1年で大学中退をする人は最も少なく、2年以降で大学中退をする人が多いです。

男女合計の結果は、アンケートを行った人に男性が多かったことから、男性の結果に近いものになっています。

世界の大学中退率

世界の大学中退率、

上記グラフは、世界の大学中退率を表した図です。

OECD(経済協力開発機構)に加盟する30カ国を対象とした調査結果です。

OECD諸国の平均大学中退率は32%です。

それと比較すると、日本の大学中退率は10%(調査方法の違いから「大学の実力」の大学中退率より少し高くなっています)と、非常に低いことがわかります。

日本の大学は入学試験が難しく入るのは困難ですが、卒業するのは比較的容易ですので、大学中退率は低い傾向にあります。

一方、欧米の大学は、入学するのは簡単ですが、単位取得基準が非常に厳しく卒業するのが難しい傾向にあるので、大学中退率は高い傾向にあります。

出典:社会実状データ図録

アメリカの大学中退率が47%の理由

上のグラフを見るとアメリカの大学中退率は47%と、ほぼ半数の学生が退学をしていることになります。

アメリカの大学も、日本の大学とは違い、入学するのは比較的簡単ですが、卒業するのが難しい傾向にあります。

アメリカの大学には、日本でいう入試はなく、高校での成績や推薦などによって大学に入学することができます。

また、アメリカの大学進学率は、71%に及び、日本の51%よりもかなり高いです。

一方、アメリカの大学の授業では、さまざまな課題が課されるため、予習・復習にかなりの時間を費やす必要があり、授業についていけなくなる学生もたくさんいます。

また、アメリカの大学は授業料が日本よりもかなり高く、1年間で280万円~370万円必要になります。

日本では80万円~140万円程度ですから、倍以上の学費がアメリカの大学では必要になります。

非営利調査団体パブリック・アジェンダが行った、600人超のアメリカの学生を対象にした調査では、学力的な問題は大学中退理由の2番目の理由で、1番は経済的な理由であったそうです。

日本でも経済的な理由で中退する学生は増えていますが、アメリカではさらに高額の学費がかかるため、中退率も非常に高くなっているようです。

出典:大学進学率の国際比較

まとめ

大学中退に関する統計データを見てきました。

偏差値が大学中退率に大きな影響を与えているのは間違いない事実ですが、偏差値が低い大学だからということで必ずしも大学中退率が高いといえないケースも多々見られます

学生が、大学に対して志望度が高く、高額の学費に見合うと思うことができれば、大学中退率は低くなるはずです。

そのためにも、高校の進路指導のあり方、学生本人の興味・志向の把握方法、大学の仕組み、企業が大学に求めることを再度見直して、個々の大学が社会の中で大きな役割を担える存在になることが大事なのではないでしょうか。

これからも、大学中退者に関する統計データが出てきましたら、内容を追加していきます。

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